4月23日(火)キアロスクーロ・カルテット
王子ホール
【曲目】
1.ハイドン/弦楽四重奏曲第38番変ホ長調 Op.33-2,Hob.III:38「冗談」
2.ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第2番ト長調 Op.18-2
3.メンデルスゾーン/弦楽四重奏曲第1番変ホ長調 Op.12
【アンコール】
♪ ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第2番~第3楽章スケルツォ
このカルテットは全く知らなかったが、王子ホールが選んだカルテットで、プログラムにも引かれて聴いてみることにした。チェロは演奏台に乗り、他の3人は立って演奏するスタイルは、去年聴いたアルテミス・カルテットと同じ。譜面台にタブレットを置いて演奏するのは、若い世代のカルテットではよく見かけるシーンとなった。
14年間精力的に活動を続けているこのカルテットの演奏からは、常に挑戦しつつ、新しいものを生み出して行こうという姿勢が感じられた。立って演奏するスタイルも「挑戦」の一つなのかも知れない。立つことで下半身の動きが自由になり、全身を使って音楽を表現することができるようになる。そんな演奏スタイルからは、何かを仕掛けてやろうとか、メンバー同士の駆け引きから新たな表現を生み出してやろうとかいった新鮮さが感じられた。
キアロスクーロ・カルテットが演奏で最も大切にしているのは、どの作品であれ、息を潜めた微細で緊迫した音の世界ではないだろうか。弱音であっても穏やかさとは対極にある、嵐の前のような緊迫感。小声だけれど言葉は明晰で、意識は覚醒の極みといった感じ。それゆえ、音量を上げたときの激しいパッセージがもたらす存在感は大きい。
そんなアプローチで最も共感を覚えたのは、最初にやったハイドン。「冗談」というニックネームに由来した、第4楽章でのおしゃべりが止まらないご婦人がたの様子と、それを呆れ顔で眺めるハイドン自身? の描写、やっとおしゃべりが止んだと思いきや、突然また始まるというユーモラスなシーンが、実にリアルに再現されて笑いを誘った。
後半のメンデルスゾーンでも、変わらず声を潜めて緊迫の中にいたかと思うと、突然雄弁に語り出すなど、サプライズが多い。それ自体は、メンデルスゾーン的な気分の素早い転換を捉えていて悪くはないが、僕にとってこの曲は、若き作曲家の溢れ出る楽想と歌に満ち、伸び伸びと自由に呼吸して、もっと自然な瑞々しい歌を聴かせてもらいたい音楽だ。メンデルスゾーンの天才の発露のようなピュアな作品を深読みし過ぎでは?と感じてしまった。
時おり、結晶のような美しい響きが聴こえたり、引き込まれたりする場面はあったが、何か作り物めいたイメージが付きまとい、もっと自然な演奏に身を委ねたかった。ベートーヴェンも、浮足立った表現が落ち着かないと感じることが多々あった。
♪ブログ管理人の作曲♪
金子みすゞ作詞「私と小鳥と鈴と」
S:薗田真木子/Pf:梅田朋子
「子守歌」」~チェロとピアノのための~
Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美
合唱曲「野ばら」
中村雅夫指揮 ベーレンコール
金子みすゞ作詞「さびしいとき」
金子みすゞ作詞「鯨法会」
以上2曲 MS:小泉詠子/Pf:田中梢
「森の詩」~ヴォカリーズ、チェロ、ピアノのためのトリオ~
MS:小泉詠子/Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美
拡散希望記事!やめよう!エスカレーターの片側空け
王子ホール
【曲目】
1.ハイドン/弦楽四重奏曲第38番変ホ長調 Op.33-2,Hob.III:38「冗談」
2.ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第2番ト長調 Op.18-2
3.メンデルスゾーン/弦楽四重奏曲第1番変ホ長調 Op.12
【アンコール】
♪ ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第2番~第3楽章スケルツォ
このカルテットは全く知らなかったが、王子ホールが選んだカルテットで、プログラムにも引かれて聴いてみることにした。チェロは演奏台に乗り、他の3人は立って演奏するスタイルは、去年聴いたアルテミス・カルテットと同じ。譜面台にタブレットを置いて演奏するのは、若い世代のカルテットではよく見かけるシーンとなった。
14年間精力的に活動を続けているこのカルテットの演奏からは、常に挑戦しつつ、新しいものを生み出して行こうという姿勢が感じられた。立って演奏するスタイルも「挑戦」の一つなのかも知れない。立つことで下半身の動きが自由になり、全身を使って音楽を表現することができるようになる。そんな演奏スタイルからは、何かを仕掛けてやろうとか、メンバー同士の駆け引きから新たな表現を生み出してやろうとかいった新鮮さが感じられた。
キアロスクーロ・カルテットが演奏で最も大切にしているのは、どの作品であれ、息を潜めた微細で緊迫した音の世界ではないだろうか。弱音であっても穏やかさとは対極にある、嵐の前のような緊迫感。小声だけれど言葉は明晰で、意識は覚醒の極みといった感じ。それゆえ、音量を上げたときの激しいパッセージがもたらす存在感は大きい。
そんなアプローチで最も共感を覚えたのは、最初にやったハイドン。「冗談」というニックネームに由来した、第4楽章でのおしゃべりが止まらないご婦人がたの様子と、それを呆れ顔で眺めるハイドン自身? の描写、やっとおしゃべりが止んだと思いきや、突然また始まるというユーモラスなシーンが、実にリアルに再現されて笑いを誘った。
後半のメンデルスゾーンでも、変わらず声を潜めて緊迫の中にいたかと思うと、突然雄弁に語り出すなど、サプライズが多い。それ自体は、メンデルスゾーン的な気分の素早い転換を捉えていて悪くはないが、僕にとってこの曲は、若き作曲家の溢れ出る楽想と歌に満ち、伸び伸びと自由に呼吸して、もっと自然な瑞々しい歌を聴かせてもらいたい音楽だ。メンデルスゾーンの天才の発露のようなピュアな作品を深読みし過ぎでは?と感じてしまった。
時おり、結晶のような美しい響きが聴こえたり、引き込まれたりする場面はあったが、何か作り物めいたイメージが付きまとい、もっと自然な演奏に身を委ねたかった。ベートーヴェンも、浮足立った表現が落ち着かないと感じることが多々あった。
♪ブログ管理人の作曲♪
金子みすゞ作詞「私と小鳥と鈴と」
S:薗田真木子/Pf:梅田朋子
「子守歌」」~チェロとピアノのための~
Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美
合唱曲「野ばら」
中村雅夫指揮 ベーレンコール
金子みすゞ作詞「さびしいとき」
金子みすゞ作詞「鯨法会」
以上2曲 MS:小泉詠子/Pf:田中梢
「森の詩」~ヴォカリーズ、チェロ、ピアノのためのトリオ~
MS:小泉詠子/Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美
拡散希望記事!やめよう!エスカレーターの片側空け