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足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

ピエール=ロラン・エマール ピアノリサイタル

2022年11月06日 | pocknのコンサート感想録2022
11月3日(木)ピエール=ロラン・エマール(Pf)
東京オペラシティコンサートホール:タケミツメモリアル

【曲目】
◎ メシアン/鳥のカタログ(全13曲)

2020年6月にあるはずだったピエール=ロラン・エマールの東京オペラシティでのリサイタルがやっと実現した。その時予定されていたプログラムは「ハンマークラヴィーア」と「鳥のカタログ」の第7番だったが、リベンジ公演では「鳥のカタログ」全曲を3時間以上かけて演奏するというもの。5年まえのリサイタルで「幼子イエスにそそぐ20の眼差し」全曲を聴いたときの感動を、今度は「鳥のカタログ」でも得られるに違いないと期待。

エマールは13曲から成る長大な音楽を休憩を挟んで、第1~6番、第7番、第8~13番と3部に分け、冒頭から終曲まで一瞬たりとも集中力を途切れさせることなく弾き切った。微細な描写から大音響のダイナミックな表現まで、ブレることなく精緻で明晰なタッチが冴え渡った。音たちはキラキラと輝き、和声では不協和音とされる音の塊が清澄に高らかに響き渡る。研ぎ澄まされた感性で音楽が常に息づいていることは、座っていた3階席までリアルに伝わって来た。

ただ、どの曲のどんなところがどのように良かったのかと訊かれても、答えることができない。それは、この大作をちゃんと分かっていない自分のせい。プログラムの藤田茂氏による曲目解説には、どんな情景をどのように描写し、そこでどんな鳥が囀っているかということが、一曲ごとに詳しく書かれている。けれど、それを読みながら演奏を聴いても、どれがその場面かが全くもって判然としない。情景を映像とかスライドでリアルタイムで映して欲しいと思ったほどだった。

前回聴いた「20の眼差し」は、各曲にイメージしやすいタイトルが付けられ、それぞれのタイトルを想起する音楽をエマールの完璧な演奏で聴くことが出来た。それに比べると今回の「鳥のカタログ」は、各曲に付けられた鳥の名前から鳴き声をイメージできるものは一羽もいない。説明抜きで音楽そのものを楽しめばいいのかも知れないが、僕にはこの作品については予習が必要だと思った。或いは全曲ではなく2020年に予定されていた第7番だけだったら、もっと感銘を受けたかも知れない。せっかくの全曲演奏というまたとない機会だったが、それを十分に楽しむことができなかったことが悔やまれる。

ピエール=ロラン・エマール「幼子イエスにそそぐ20のまなざし」 ~2017.12.6 東京オペラシティ~
ピエール=ロラン・エマール「平均律第1巻」 ~2014.10.4 さいたま芸術劇場~
ピエール=ロラン・エマール「ル・プロジェ エマール」 ~2012.11.21 トッパンホール~

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