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足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

ピアノ/ソプラノ あーべんとコンサート ~宮崎滋(pf)、片岡敬(s)~

2006年07月21日 | pocknのコンサート感想録2006
7月21日(金)ピアノ/ソプラノ あーべんとコンサート
獨協大学35周年記念館小講堂

【曲目】
第1部
1.宮崎滋/海よ
2.プッチーニ/ある晴れた日に
3.高島豊/花のたましい
4.高島豊/風
5.宮崎滋/子守唄
6.ワーグナー/イゾルデの愛の死
7.ロッシーニ/踊り
第2部
おおシャンゼリゼ、慕情、愛の讃歌、雨降りお月さん、ゴンドラの唄、蘇州夜曲、別れの予感、さよならをもう一度
【アンコール】
1.宮崎滋/わすれなぐさ
2.ナポリ民謡:オー・ソレ・ミオ

【演 奏】
Pf:宮崎 滋/S:片岡 敬


獨協大学教職員組合主催による文化厚生イベントとして、獨大の卒業生で作曲家の宮崎先生を招いてのコンサートが行われた。

宮崎先生が最近よくデュオを組んでいるというソプラノの片岡敬さんとの共演で、オペラのアリアからポップス、シャンソン、歌謡曲、日本の歌とバラエティに富んだ楽しいプログラム。

宮崎先生は休憩時間も殆どずっとピアノを弾き続け、その柔らかで表情豊かなピアノは片岡さんのトークのバックや曲間をつなぐBGMを奏でたり、それがいつのまにか歌の伴奏へと変わり、また「イゾルデの愛の死」では宮崎先生編曲によるピアノソロで聴衆を惹きつけるなど、大活躍。

ソプラノの片岡さんは表現力のある素晴らしい歌手。前半で歌ったプッチーニやロッシーニのオペラピースはとてもドラマチックで声の張りも十分、大胆な表現で引きつけ、宮崎先生や高島の歌曲では、日本語をとても大切にし、心の奥から紡ぎ出すような歌唱が、音楽に陰影を与え、落ち着きのある温かな表情を生んだ。「蝶々夫人」で羽織った鮮やかな朱の打ち掛けも目に染みた。

後半のカジュアルな歌では発声もそれに合わせるという柔軟さで、シャンソンはシャンソンらしく、歌謡曲ではリアルで艶やかな声で、マイクを持っても様になるような歌唱が心に響く。どれも曲にハマッていて、「いろんな種類の曲を聴いた」という以上に多彩さを感じさせてくれた。曲間のトークも上手で、曲の背景や歌詞の内容をおもしろおかしく聞かせ、聴き手が益々歌に傾倒できるようになる。締めくくりの「オーソレミオ」の明るいド迫力がまたすごく、喝采と歓声に包まれてコンサートを終えた。

片岡敬さんという歌手はとても柔軟性と表現力があり、声も素敵で、この全く響かない会場でもその存在感を十分に示した。今後が益々楽しみ。高島の曲もまた歌ってもらいたい。

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