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竹内まりや 「人生の扉」

2007年06月01日 | pocknと音楽を語ろう!
6月1日(金)

先週発売された竹内まりやの6年ぶりのニューアルバム「デニム」、発売日に買ってきて以来毎晩のように通して聴いている。

4月にNHKのSONGSという番組で竹内まりやを特集したのを観て、50歳を越えても、と言うよりこの年齢だからこそ出てくるような人としての、そしてまた女性としての魅力に惹きつけられてしまった。これまで一日一日をどのように生きてきたかが、彼女の佇まいを決めているように思う。

物語を読み聞かせるような穏やかだけれど感情のこもった話し方や声のトーン、言葉の選び方や話の内容、或いはしぐさや立ち居振る舞いに至るまでどれもが魅力的だ。そして、こうした魅力がこのアルバムのどの歌にも自然に滲み出ている。

陽気な歌であっても、しっとりした歌であっても、悲しい歌でも竹内まりやが歌うと深さや柔らかさに包まれるような気持ちになる。「終楽章」のような、見方によれば「自分勝手な!」と思うような内容の歌でも、竹内まりやが歌うと妙に納得してしまう。

アルバムの最後に入っている「人生の扉」という歌では50歳を過ぎた自分を前向きに、しかも何の気負いも衒いもなく捉え、生きていることの素晴らしさ、更に幾度と巡り来るこれからの人生に胸をふくらませ、これからも輝いて行く自分を見つめている。

英語の歌詞も含め、素直で平易で核心をついた詩が、シンプルで心が洗われるように胸に沁みてくるメロディーに乗って歌われるのを聴いていると、それが自分の心の奥深くで共鳴する。

このアルバムのタイトルともなった最後の一節、

「君のデニムの青が 褪せてゆくほど 味わい増すように
 長い旅路の果てに 輝く何かが 誰にでもあるさ」

言うのは簡単だが、歳を重ねるごとに味わいを増してゆく人生を送り、それを確かに感じているまりやさんだから、こんな言葉が自然にスッと出てくるんだろうな。

いくつになってもその年齢の自分が好きでいられるからこそ湧いてくるような瑞々しさを湛えるまりやさんは、更に魅力を加え、素敵な歌をたくさん書いてゆくことだろう。

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