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5月B定期(指揮:スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ)

2006年05月17日 | N響公演の感想(~2016)
5月17日(水)スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮 NHK交響楽団
《5月Bプロ》 サントリーホール

【曲目】
1. プロコフィエフ/ピアノ協奏曲第3番ハ長調Op.26
Pf:ジョン・キムラ・パーカー
2.R.シュトラウス/交響詩「ツァラトゥストラはこう語った」Op.30

今回のB定期は、いきなりプロコフィエフの3番のコンチェルトで始まるプログラム。登場したジョン・キムラ・パーカーは陽気な感じの体格の良いピアニスト。奇抜さも見せそうな個性的な演奏を予感したのだが、実際の演奏は意外とオーソドックス… というか、これといった特長が伝わってこない。良く言えばよく整った模範演奏のよう。オケも可もなく不可もなくという感じであまり面白くなかった。

続くシュトラウス、この曲は感動できないというイメージが自分の中にあり、前半のプロコフィエフの印象も手伝って期待薄だったが、結果はとても楽しめた。あの有名な冒頭こそいまいちパッとしない印象だったが、その後はオーケストラにみるみるエネルギーがみなぎってきた。シュトラウスらしいうねりと粘りが、スクロヴァチェフスキらしい明晰さで彫りの深いタッチで鮮やかに描き出される。オケが一丸となって大きな力が生まれ、それが相乗効果を生み出してパワーが増幅される。これがミスターSのマジックか?

曲の後半では堀さんのソロヴァイオリンが冴えていた。普段はソフトな印象が強い堀さんのヴァイオリンが、今夜は振幅の大きい振り子のような勢いに乗ってオーケストラのトゥッティをリードして行く乗り乗りのソロ。生演奏のおもしろさを堪能した。

でもニーチェの小難しい哲学なんて無縁の僕にとって、この曲の終わりかたはよくわからない。安定しないトロンボーンの和音の後、トニカの構成音とは全然違う弦のピッチカートの余韻の先に思いを馳せるよりも、もっと景気良く盛り上げて終わってくれればいいのに・・
なんて言ったら通の人には笑われるんだろうな。

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