小澤征爾さんの訃報を機に、このブログを始める前に書いていた小澤征爾指揮の公演の感想から、とりわけ感銘を受けたものの感想をアーカイブで紹介します。
小澤征爾の指揮を初めて聴いたのが、高校3年生の時のこの演奏会だった。中学生の頃からクラシックをレコードやFMで夢中で聴くようになり、中学3年の頃から演奏会によく行くようになった。演奏会通い歴3年目での小澤征爾との出逢いとなったこのベートーヴェン・プロのコンサートは鮮烈に記憶に残っている。レオノーレ序曲の3番ではなく珍しい2番を、3番との違いや共通点にワクワクしながら聴いたこと、ピアノ協奏曲では、二宮さんの瑞々しく鮮やかなソロに聴き惚れたこと(近くにいた女子達が、「さすが桐朋!腕のあげ方も決まってるぅ!」なんて騒いでいた)、そして第7シンフォニーを聴いて「なんて凄い演奏なんだろう!」と圧倒され、夢中で拍手を送ったこと、既にボストンシンフォニーの音楽監督を務めるなど、「世界のオザワ」として活躍している指揮者をこの目で見て、ライブを体験して実感した感動は、45年以上経った今でも全く色あせていない。
僕がコンサートの感想を書くようになったのは、これより半年ほど後からだったので、この演奏会の印象は文字では残っていない。けれど中学3年の頃から、聴いた演奏会は日時、会場、演奏者と曲目を全て記録していて、それに加えて、曲ごとに100点満点で点数を記していた。芸術に点数を付けるなんて、随分粋がった生意気なことをしていたものでおこがましいのだが、その時付けた点数が、曲名の右側に記してあるカッコ内の数字だ。今これを見ると「100点じゃないんだ・・・」と意外な気がする。けれど「ベト7」の95点というのは、それまでの演奏会で付けた点数のなかでは3番目の高い数字。聴く前から舞い上がっていたカール・ベーム指揮ウィーン・フィルの「100点+α」というのが断トツで、2番はホルスト・シュタイン指揮N響で聴いた第九の96点。あれは合唱のパワーに度肝を抜かれた記憶がある。他の演奏会では、60点とかが沢山あり、なかには30点とか10点なんてのもあるなかで、この95点はずば抜けて高い点数と云えるだろう。
素晴らしい演奏に興奮冷めやらなかった高校生の僕が楽屋口で出待ちしていたら、サインを希望する人へのスタッフの案内で列に並んで、小澤さんからサインをもらうことが出来た。「ありがとうございます!」という僕の目を真っ直ぐに見て、それに応えるような表情でサインをしたスケッチブックを渡してくれた小澤さんの表情は、今でも目に焼き付いている。このサインは台紙にキレイに貼って、「FMファン」にあった小澤さんの写真も貼り付け、ビニールのコーティングをしてずっと大切に部屋に飾っていた。本当に素敵な小澤征爾との出会いとなったコンサートだった。
(2024.2.12)
巨星・小澤征爾の訃報
pocknのコンサート感想録について
♪ブログ管理人の作曲のYouTubeチャンネル♪
最新アップロード:「繭とお墓」(詩:金子みすゞ)
拡散希望記事!
コロナ禍とは何だったのか? ~徹底的な検証と総括を求める~
コロナ報道への意見に対する新聞社の残念な対応
やめよう!エスカレーターの片側空け
pocknのコンサート感想録アーカイブス ~ブログ開設以前の心に残った公演~ 1978年 9月18日(月) 小澤征爾指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団 東京厚生年金会館 1.ベートーヴェン/序曲「レオノーレ」第2番 Op.72a (70) 2.ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58 (84) Pf:二宮裕子 3.ベートーヴェン/交響曲第7番イ長調 Op.92 (95) |
小澤征爾の指揮を初めて聴いたのが、高校3年生の時のこの演奏会だった。中学生の頃からクラシックをレコードやFMで夢中で聴くようになり、中学3年の頃から演奏会によく行くようになった。演奏会通い歴3年目での小澤征爾との出逢いとなったこのベートーヴェン・プロのコンサートは鮮烈に記憶に残っている。レオノーレ序曲の3番ではなく珍しい2番を、3番との違いや共通点にワクワクしながら聴いたこと、ピアノ協奏曲では、二宮さんの瑞々しく鮮やかなソロに聴き惚れたこと(近くにいた女子達が、「さすが桐朋!腕のあげ方も決まってるぅ!」なんて騒いでいた)、そして第7シンフォニーを聴いて「なんて凄い演奏なんだろう!」と圧倒され、夢中で拍手を送ったこと、既にボストンシンフォニーの音楽監督を務めるなど、「世界のオザワ」として活躍している指揮者をこの目で見て、ライブを体験して実感した感動は、45年以上経った今でも全く色あせていない。
僕がコンサートの感想を書くようになったのは、これより半年ほど後からだったので、この演奏会の印象は文字では残っていない。けれど中学3年の頃から、聴いた演奏会は日時、会場、演奏者と曲目を全て記録していて、それに加えて、曲ごとに100点満点で点数を記していた。芸術に点数を付けるなんて、随分粋がった生意気なことをしていたものでおこがましいのだが、その時付けた点数が、曲名の右側に記してあるカッコ内の数字だ。今これを見ると「100点じゃないんだ・・・」と意外な気がする。けれど「ベト7」の95点というのは、それまでの演奏会で付けた点数のなかでは3番目の高い数字。聴く前から舞い上がっていたカール・ベーム指揮ウィーン・フィルの「100点+α」というのが断トツで、2番はホルスト・シュタイン指揮N響で聴いた第九の96点。あれは合唱のパワーに度肝を抜かれた記憶がある。他の演奏会では、60点とかが沢山あり、なかには30点とか10点なんてのもあるなかで、この95点はずば抜けて高い点数と云えるだろう。
素晴らしい演奏に興奮冷めやらなかった高校生の僕が楽屋口で出待ちしていたら、サインを希望する人へのスタッフの案内で列に並んで、小澤さんからサインをもらうことが出来た。「ありがとうございます!」という僕の目を真っ直ぐに見て、それに応えるような表情でサインをしたスケッチブックを渡してくれた小澤さんの表情は、今でも目に焼き付いている。このサインは台紙にキレイに貼って、「FMファン」にあった小澤さんの写真も貼り付け、ビニールのコーティングをしてずっと大切に部屋に飾っていた。本当に素敵な小澤征爾との出会いとなったコンサートだった。
(2024.2.12)
巨星・小澤征爾の訃報
pocknのコンサート感想録について
♪ブログ管理人の作曲のYouTubeチャンネル♪
最新アップロード:「繭とお墓」(詩:金子みすゞ)
拡散希望記事!
コロナ禍とは何だったのか? ~徹底的な検証と総括を求める~
コロナ報道への意見に対する新聞社の残念な対応
やめよう!エスカレーターの片側空け