4月30日(金)トリオ 「Tripartie」(Vn:米元響子/Vc:上村文乃/Pf:菊池洋子)
浦安音楽ホール
米元響子(Vn)
♪バッハ/無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番BWV 1006~ガヴォット
♪イザイ/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番「バラード」 Op. 27-3
♪ドヴォルザーク:ユーモレスク
上村文乃(Vc)
♪サン=サーンス/白鳥
♪ガブリエリ/リチェルカーレ第1番
♪バッハ/無伴奏チェロ組曲 第1番 BWV1007~プレリュード
菊池洋子(Pf)
♪ショパン/アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22
♪ ♪ ♪
♪チャイコフスキー/ピアノ三重奏曲 イ短調 Op.50「偉大な芸術家の思い出に」
【アンコール】
♪ドヴォルザーク/モラヴィア二重唱曲
またもやコロナによるコンサート中止の嵐という悪夢に見舞われ、このままでは免疫力が落ちてしまうので、そうならないように見つけた浦安でのコンサート。僕が長年注目しているチェリストの上村文乃さんが出演し、米元さんと菊池さんも世界的に活躍しているアーティスト。免疫力向上のためには願ってもない顔ぶれだ。3人の共演は後半の大曲のみ。前半にはメンバー一人ずつによるプチリサイタルが置かれ、色々なお楽しみがあるプログラム。
最初は米元さんのヴァイオリン。軽やかな足取りで、遊び心のある楽し気なバッハに続いて演奏したイザイは、羽が生えたように即興性に富み、流麗で自由に駆け回る。力むことなく聴き手の気分を自然に高揚させた。柔らかく艶やかなヴァイオリンの音色も魅力だった。ユモレスクでは、ちょっと凝ったアレンジが耳を引いた。
上村さんのチェロは、おおらかで柔軟で包容力があり、かつ繊細さも持ち合わせている。最初の「白鳥」から、心の底から語りかけて聴き手の心を捉えた。次にガブリエリとバッハの無伴奏曲。ガブリエリのモノローグは和歌を詠っているような品と香りがあり、それと一体のように続いたバッハは、落ち着いた語り口で詩情たっぷりに心のひだに触れてきた。緊張と弛緩、ディナミークやアゴーギクのバランスが素晴らしく、音楽が高揚して最高音に達する場面で、音量をむしろ控え目にして聴き手の心を揺らすアプローチからは、今夜の最年少でありながら熟年の風格さえ感じられた。以前聴いた上村さんのバッハは、パワフルで熱くてダイナミック、次に聴いたときは思索的なアプローチに転じ、そこに迷いも感じられたが、今夜はそれを超えて自己の進む道が定まったよう。上村さんのチェロをまたじっくり聴きたい。
最後は菊池さんのソロでショパン。アンダンテスピアナートは、丸みを帯びた磨かれた音色で滑らかに優しく語りかけてきた。憂いのあるフレーズでは、はにかむような内向性が感じられて切ない。ポロネーズも、はじけまくりで華やかな演奏とは異なる演奏だった。
前半の3人の演奏を聴いて、彼女たちの音楽の捉え方には異なる個性があり、この3人がチャイコの大曲で共演してどのような演奏になるか、と思いつつ臨んだ演奏は、贅肉を落とし、スリムで明晰で機敏性に富み、ドライな演奏だと感じた。第2楽章のバリエーションでは、豊かな色彩と研ぎ澄まされた美しさに惹かれたが、熱量や濃厚でエモーショナルな表現では物足りなさも感じた。以前に聴いた演奏では、熱く濃厚に迫ってくる上村さんのチェロに対し、米元さんと菊池さんはスマートで洗練された印象があった。そうした3人の音楽の違いがこの演奏にも反映されていたように感じた。
とは云え、生の演奏を聴ける幸せはたっぷり味わい、免疫力を高めることが出来たが、さて、この先どうなるかを考えるととてつもなく気が重い。
(過去に聴いた出演者による演奏会)
Vn:小川響子/Vc:上村文乃/Pf:秋元孝介2017.1.29 尾上邸音楽室
B→C 上村文乃 チェロリサイタル 2015.12.15 東京オペラシティリサイタルホール
上村文乃チェロリサイタル 2012.3.4 東京文化会館小ホール
Vn:諏訪内晶子、米元響子/Vla:鈴木康浩/Vc:辻本 玲/Pf:阪田知樹 2021.2.15 紀尾井ホール
アナと室内楽の名手たち(Pf:菊池洋子) 2015.4.27 紀尾井ホール
菊池洋子ピアノリサイタル 2013.10.26 小金井市民交流センター
コンサートを中止にしないで!
コロナ禍で演奏会の中止が続く欧米、やっている日本
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最新アップロード:「紅葉」(メゾソプラノ、チェロ、ピアノ連弾用アレンジ)
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上村文乃(Vc)
♪サン=サーンス/白鳥
♪ガブリエリ/リチェルカーレ第1番
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菊池洋子(Pf)
♪ショパン/アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22
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【アンコール】
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またもやコロナによるコンサート中止の嵐という悪夢に見舞われ、このままでは免疫力が落ちてしまうので、そうならないように見つけた浦安でのコンサート。僕が長年注目しているチェリストの上村文乃さんが出演し、米元さんと菊池さんも世界的に活躍しているアーティスト。免疫力向上のためには願ってもない顔ぶれだ。3人の共演は後半の大曲のみ。前半にはメンバー一人ずつによるプチリサイタルが置かれ、色々なお楽しみがあるプログラム。
最初は米元さんのヴァイオリン。軽やかな足取りで、遊び心のある楽し気なバッハに続いて演奏したイザイは、羽が生えたように即興性に富み、流麗で自由に駆け回る。力むことなく聴き手の気分を自然に高揚させた。柔らかく艶やかなヴァイオリンの音色も魅力だった。ユモレスクでは、ちょっと凝ったアレンジが耳を引いた。
上村さんのチェロは、おおらかで柔軟で包容力があり、かつ繊細さも持ち合わせている。最初の「白鳥」から、心の底から語りかけて聴き手の心を捉えた。次にガブリエリとバッハの無伴奏曲。ガブリエリのモノローグは和歌を詠っているような品と香りがあり、それと一体のように続いたバッハは、落ち着いた語り口で詩情たっぷりに心のひだに触れてきた。緊張と弛緩、ディナミークやアゴーギクのバランスが素晴らしく、音楽が高揚して最高音に達する場面で、音量をむしろ控え目にして聴き手の心を揺らすアプローチからは、今夜の最年少でありながら熟年の風格さえ感じられた。以前聴いた上村さんのバッハは、パワフルで熱くてダイナミック、次に聴いたときは思索的なアプローチに転じ、そこに迷いも感じられたが、今夜はそれを超えて自己の進む道が定まったよう。上村さんのチェロをまたじっくり聴きたい。
最後は菊池さんのソロでショパン。アンダンテスピアナートは、丸みを帯びた磨かれた音色で滑らかに優しく語りかけてきた。憂いのあるフレーズでは、はにかむような内向性が感じられて切ない。ポロネーズも、はじけまくりで華やかな演奏とは異なる演奏だった。
前半の3人の演奏を聴いて、彼女たちの音楽の捉え方には異なる個性があり、この3人がチャイコの大曲で共演してどのような演奏になるか、と思いつつ臨んだ演奏は、贅肉を落とし、スリムで明晰で機敏性に富み、ドライな演奏だと感じた。第2楽章のバリエーションでは、豊かな色彩と研ぎ澄まされた美しさに惹かれたが、熱量や濃厚でエモーショナルな表現では物足りなさも感じた。以前に聴いた演奏では、熱く濃厚に迫ってくる上村さんのチェロに対し、米元さんと菊池さんはスマートで洗練された印象があった。そうした3人の音楽の違いがこの演奏にも反映されていたように感じた。
とは云え、生の演奏を聴ける幸せはたっぷり味わい、免疫力を高めることが出来たが、さて、この先どうなるかを考えるととてつもなく気が重い。
(過去に聴いた出演者による演奏会)
Vn:小川響子/Vc:上村文乃/Pf:秋元孝介2017.1.29 尾上邸音楽室
B→C 上村文乃 チェロリサイタル 2015.12.15 東京オペラシティリサイタルホール
上村文乃チェロリサイタル 2012.3.4 東京文化会館小ホール
Vn:諏訪内晶子、米元響子/Vla:鈴木康浩/Vc:辻本 玲/Pf:阪田知樹 2021.2.15 紀尾井ホール
アナと室内楽の名手たち(Pf:菊池洋子) 2015.4.27 紀尾井ホール
菊池洋子ピアノリサイタル 2013.10.26 小金井市民交流センター
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