12月18日(木)東京混声合唱団第217回定期演奏会
指揮:間宮芳生
日本大学カザルスホール
【曲目】
1.ブラームス/マリアの歌Op.22
2.間宮芳生/女声合唱曲 三色草子
3. ベルイマン/スピーチ・コーラスと3人の語り手のための 4つの絞首台の歌
4. 間宮芳生/合唱のためのコンポジション第8番 -改訂版初演-
副指揮:田中信昭
5. 間宮芳生/合唱のための12のインヴェンション -日本民謡による(1969)より
でいらほん、稗搗唄、知覧節
【アンコール】
間宮芳生/12のインヴェンション~「まいまい」
実に6年振りのカザルスホール ―いや今は「日本大学カザルスホール」と言わないといけないらしい― での演奏会は作曲家 間宮芳生が東混で自作曲を中心とした曲目を指揮するというこれは聴き逃せないもの。自由席だったのでブラームスと間宮先生の女声合唱をやった前半は全体の響きを楽しむために後方の席、シアターピースといえるコンポジションをやる後半はそのドラマの渦中に身を投じて間宮の世界に浸りたかったので前の方の席で聴いた。
思った通り前半の曲目ではカザルスホールの優しい響きを楽しめた。ブラームスと間宮作品は音楽自体の違いを脇に置いても、ドイツ語と日本語の発音の違いが、別の合唱団を聴いているのではと思うほどの響きの違いとなって聴こえて面白かった。とりわけ間宮作品は日本語の発音の響きをとてもうまく使っていると思った。
前方に席を移動して聴いた後半の1曲目、ベルイマンの曲は言葉のイントネーションだけで歌、というかひとつの作品に仕上げてしまうとても面白い試み。例えば「気がふれるワヨ」での"verrückt"なんかも本当に気がふれた感じが伝わってくる。それぞれ思い思いの私服で登場した東混のメンバーの明晰でなめらかな声と表情がこの面白い音楽を益々面白くした。この言葉のイントネーションをうまく利用した音楽は間宮作品に通じるものがある。
その間宮先生のお待ちかねの「コンポジション」、こうしたシアターピースはやっぱり前で聴いてよかった。ドラマの只中に身を置いて一緒にそれを体験している気分に浸った。間宮先生の唱えるアドリブの呪文みたいなものも入り、笑いの要素も入った臨場感溢れるエキサイティングなステージとなった。こうした作品は今聴いても大変独創的… とうか今の合唱曲にこれほど独創的でエネルギーに満ち、ぐいぐいと引き込んで行くような作品があるだろうか。
最後に歌われた「12のインヴェンション」からの3曲は響きを大切にした美しくもエネルギーに満ちた作品。東混の高いクオリティーと美しい響きに作曲者の熱い思いが伝わって歌は白熱、前の方に座っているのに更に身を乗り出して聴きたくなるようなアクティヴな演奏だった。
学生時代に間宮先生の作品はいろいろ歌ったが、そんな懐かしさやその当時の思い、それにあまりに久々のカザルスホールで聴いている感慨などが重なり、すっかりこの空気に酔いしれてしまった。今年79歳の間宮先生はとてもお元気そう。次回は是非新作を披露してもらいたい。
今夜の演奏会場となった「日本大学カザルスホール」にもいろいろな思いや言いたいことがある。この機会に近いうちにこのことについても少々書いてみたい。
指揮:間宮芳生
日本大学カザルスホール
【曲目】
1.ブラームス/マリアの歌Op.22
2.間宮芳生/女声合唱曲 三色草子
3. ベルイマン/スピーチ・コーラスと3人の語り手のための 4つの絞首台の歌
4. 間宮芳生/合唱のためのコンポジション第8番 -改訂版初演-
副指揮:田中信昭
5. 間宮芳生/合唱のための12のインヴェンション -日本民謡による(1969)より
でいらほん、稗搗唄、知覧節
【アンコール】
間宮芳生/12のインヴェンション~「まいまい」
実に6年振りのカザルスホール ―いや今は「日本大学カザルスホール」と言わないといけないらしい― での演奏会は作曲家 間宮芳生が東混で自作曲を中心とした曲目を指揮するというこれは聴き逃せないもの。自由席だったのでブラームスと間宮先生の女声合唱をやった前半は全体の響きを楽しむために後方の席、シアターピースといえるコンポジションをやる後半はそのドラマの渦中に身を投じて間宮の世界に浸りたかったので前の方の席で聴いた。
思った通り前半の曲目ではカザルスホールの優しい響きを楽しめた。ブラームスと間宮作品は音楽自体の違いを脇に置いても、ドイツ語と日本語の発音の違いが、別の合唱団を聴いているのではと思うほどの響きの違いとなって聴こえて面白かった。とりわけ間宮作品は日本語の発音の響きをとてもうまく使っていると思った。
前方に席を移動して聴いた後半の1曲目、ベルイマンの曲は言葉のイントネーションだけで歌、というかひとつの作品に仕上げてしまうとても面白い試み。例えば「気がふれるワヨ」での"verrückt"なんかも本当に気がふれた感じが伝わってくる。それぞれ思い思いの私服で登場した東混のメンバーの明晰でなめらかな声と表情がこの面白い音楽を益々面白くした。この言葉のイントネーションをうまく利用した音楽は間宮作品に通じるものがある。
その間宮先生のお待ちかねの「コンポジション」、こうしたシアターピースはやっぱり前で聴いてよかった。ドラマの只中に身を置いて一緒にそれを体験している気分に浸った。間宮先生の唱えるアドリブの呪文みたいなものも入り、笑いの要素も入った臨場感溢れるエキサイティングなステージとなった。こうした作品は今聴いても大変独創的… とうか今の合唱曲にこれほど独創的でエネルギーに満ち、ぐいぐいと引き込んで行くような作品があるだろうか。
最後に歌われた「12のインヴェンション」からの3曲は響きを大切にした美しくもエネルギーに満ちた作品。東混の高いクオリティーと美しい響きに作曲者の熱い思いが伝わって歌は白熱、前の方に座っているのに更に身を乗り出して聴きたくなるようなアクティヴな演奏だった。
学生時代に間宮先生の作品はいろいろ歌ったが、そんな懐かしさやその当時の思い、それにあまりに久々のカザルスホールで聴いている感慨などが重なり、すっかりこの空気に酔いしれてしまった。今年79歳の間宮先生はとてもお元気そう。次回は是非新作を披露してもらいたい。
今夜の演奏会場となった「日本大学カザルスホール」にもいろいろな思いや言いたいことがある。この機会に近いうちにこのことについても少々書いてみたい。