4月23日(金)MAROワールド Vol.41 “モーツァルト Part V” by 篠崎“まろ”史紀
~弦楽五重奏の夕べ~
王子ホール
【曲目】
1.モーツァルト/弦楽五重奏曲第3番ハ長調 K.515
2. /弦楽五重奏曲第4番ト短調 K.516
3. /弦楽五重奏曲第6変ホ長調 K.614
ほか
【演奏】Vn:篠崎“まろ”史紀、倉冨亮太/Vla:佐々木亮、鈴木康浩/Vc:富岡廉太郎
今夜のMAROワールドは、モーツァルトの弦楽五重奏曲特集。弦楽五重奏曲と云えば、常設カルテットにゲストのヴィオラ奏者が加わる形や、たまたま5人の奏者が集まる形が多いが、普段MAROワールドで演奏を共にしている仲間が集まれば、みんなが対等でどんなエキサイティングな演奏を聴かせてくれるか期待が高まる。チェロの富岡さんがステージに登場、開演前のアナウンスを読み上げて会場が和んだところで、5人による演奏が始まった。
MAROワールドの面々は、モーツァルトの音楽から色々なシーンを生き生きと伝えてくれる。問いと答え、唱和、モノローグとそれへの色付け・・・ 「モーツァルトは一音たりとも無駄な音は書いてない!」ことをリアルに実体験できる。刻みのワンフレーズだって、「ブン」の一音にだってちゃんと大切な役割と意味があることを伝えてくれる。
アンサンブルをフィーチャーするのが多いのはファーストヴァイオリンのまろさん。これぞ「ルフトパウゼ」と云いたいちょっとした間や、メロディーの揺らめきが何とも洒落たニュアンスを醸し出す。そこには「ニヤリ」としたくなるウィットもある。他のメンバーはこれをビビッと感じ取り、自分の言葉で応え、更に発展させていく。
負けず劣らず存在感を発揮したのがチェロの富岡さん。演奏している顔の表情がなんとも豊かで、これが出てくる音楽にぴったり一致している。伝えたい音楽を顔でわからせてしまうなんて立派な役者だ。富岡さんの演奏からは、モーツァルトがチェロパートをいかに重視していたかがわかる。トークで「チェロの音符は少ないけれど「ブン」とか「ブ~ン」とか弾くのが楽しくて仕方ない」と云っていた通り、全ての音に意味があることを伝えてくれた。
役者と云えば、ヴィオラの鈴木さんは相変わらずの役者ぶり。ファーストヴィオラを担当したハ長調のクインテットでのまろさんとの対話の妙は、熱くて濃厚に歌い上げ、セカンドに回ったト短調でもやんちゃ坊やのように楽しそうで、常にヴィオラの存在感をアピールしていた。
もう一人のヴィオラ、佐々木さんは、セカンドを受け持ったハ長調ではアンサンブルを静かに見守る守護神のような存在感を示し、ファーストを受け持ったト短調では、うま味と渋みを効かせた味わい深いヴィオラがアンサンブルに奥行きを与えた。
セカンドヴァイオリンの倉冨さんは、アイコンタクトで微笑みながらアンサンブルに穏やかに溶け込み、全体の潤滑油の役目を果たしていた。おなじみ無茶ぶりコーナーでは自作のソロを披露。ひとたびソロとなるとキャラが様変わりして、情熱的に大暴れ、なぜだか壮大なSFの気分に浸った。
これほどの個性と才能が集まったアンサンブルが面白くないわけがない。なにが起こるかわからないライブの醍醐味もあり、「アリャ…」みたいなことが起こると、普通ならすましてやり過ごすところを、顔に出して、仲間がそれを表情で返すコミュニケーションが生まれる。厚い信頼感と、何があってもいい音楽を届けようという意欲に溢れている。楽しく、エキサイティングでワクワク、ドキドキのモーツァルトだった!
MAROワールド Vol.40 "バッハ Part IV" ~2021.1.10 王子ホール~
MAROワールド Vol.38 “ベートーヴェン Part Ⅴ” ~2020.10.26 王子ホール~
MAROワールドVol.37 by 篠崎“まろ”史紀 & MAROカンパニー ~2020.1.11 王子ホール~
MAROワールド Vol.25 "ベートーヴェン Part.Ⅳ" ~2015.3.20 王子ホール~
コンサートを中止にしないで!
コロナ禍で演奏会の中止が続く欧米、やっている日本
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1.モーツァルト/弦楽五重奏曲第3番ハ長調 K.515
2. /弦楽五重奏曲第4番ト短調 K.516
3. /弦楽五重奏曲第6変ホ長調 K.614
ほか
【演奏】Vn:篠崎“まろ”史紀、倉冨亮太/Vla:佐々木亮、鈴木康浩/Vc:富岡廉太郎
今夜のMAROワールドは、モーツァルトの弦楽五重奏曲特集。弦楽五重奏曲と云えば、常設カルテットにゲストのヴィオラ奏者が加わる形や、たまたま5人の奏者が集まる形が多いが、普段MAROワールドで演奏を共にしている仲間が集まれば、みんなが対等でどんなエキサイティングな演奏を聴かせてくれるか期待が高まる。チェロの富岡さんがステージに登場、開演前のアナウンスを読み上げて会場が和んだところで、5人による演奏が始まった。
MAROワールドの面々は、モーツァルトの音楽から色々なシーンを生き生きと伝えてくれる。問いと答え、唱和、モノローグとそれへの色付け・・・ 「モーツァルトは一音たりとも無駄な音は書いてない!」ことをリアルに実体験できる。刻みのワンフレーズだって、「ブン」の一音にだってちゃんと大切な役割と意味があることを伝えてくれる。
アンサンブルをフィーチャーするのが多いのはファーストヴァイオリンのまろさん。これぞ「ルフトパウゼ」と云いたいちょっとした間や、メロディーの揺らめきが何とも洒落たニュアンスを醸し出す。そこには「ニヤリ」としたくなるウィットもある。他のメンバーはこれをビビッと感じ取り、自分の言葉で応え、更に発展させていく。
負けず劣らず存在感を発揮したのがチェロの富岡さん。演奏している顔の表情がなんとも豊かで、これが出てくる音楽にぴったり一致している。伝えたい音楽を顔でわからせてしまうなんて立派な役者だ。富岡さんの演奏からは、モーツァルトがチェロパートをいかに重視していたかがわかる。トークで「チェロの音符は少ないけれど「ブン」とか「ブ~ン」とか弾くのが楽しくて仕方ない」と云っていた通り、全ての音に意味があることを伝えてくれた。
役者と云えば、ヴィオラの鈴木さんは相変わらずの役者ぶり。ファーストヴィオラを担当したハ長調のクインテットでのまろさんとの対話の妙は、熱くて濃厚に歌い上げ、セカンドに回ったト短調でもやんちゃ坊やのように楽しそうで、常にヴィオラの存在感をアピールしていた。
もう一人のヴィオラ、佐々木さんは、セカンドを受け持ったハ長調ではアンサンブルを静かに見守る守護神のような存在感を示し、ファーストを受け持ったト短調では、うま味と渋みを効かせた味わい深いヴィオラがアンサンブルに奥行きを与えた。
セカンドヴァイオリンの倉冨さんは、アイコンタクトで微笑みながらアンサンブルに穏やかに溶け込み、全体の潤滑油の役目を果たしていた。おなじみ無茶ぶりコーナーでは自作のソロを披露。ひとたびソロとなるとキャラが様変わりして、情熱的に大暴れ、なぜだか壮大なSFの気分に浸った。
これほどの個性と才能が集まったアンサンブルが面白くないわけがない。なにが起こるかわからないライブの醍醐味もあり、「アリャ…」みたいなことが起こると、普通ならすましてやり過ごすところを、顔に出して、仲間がそれを表情で返すコミュニケーションが生まれる。厚い信頼感と、何があってもいい音楽を届けようという意欲に溢れている。楽しく、エキサイティングでワクワク、ドキドキのモーツァルトだった!
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MAROワールドVol.37 by 篠崎“まろ”史紀 & MAROカンパニー ~2020.1.11 王子ホール~
MAROワールド Vol.25 "ベートーヴェン Part.Ⅳ" ~2015.3.20 王子ホール~
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