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足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

ウィーン・モーツァルト・アンサンブル

2006年09月01日 | pocknのコンサート感想録2006
9月1日(金)ウィーン・モーツァルト・アンサンブル
モーツァルトハウス(サラ・テレナ)

【曲目】
1.モーツァルト/ディヴェルティメント ニ長調 K136
2. モーツァルト/アイネ・クライネ・ナハトムジーク K.525   
3. ドヴォルザーク/ワルツ
4.ドヴォルザーク/ユーモレスク
5.バッハ/アリア
5. ハイドン/弦楽四重奏曲第39番ハ長調「鳥」Op.33-3
【演 奏】
ウィーン・モーツァルトアンサンブル
Vn:マキシミリアン・ブラット、クラウディオ・ベンテス
Vla:ヴォルフラム・フォルティン
Vc:テオドーラ・ミテヴァ


会場のSALA TERRENA

せっかくのモーツァルトイヤー、ウィーンでもモーツァルトが聴きたくていろいろ探してみたが、観光客向けのコンサートしかみつからず、その中で一番ちゃんとしたモーツァルト(1楽章だけとかじゃなくて、全曲聴けるという意味で)を聴けそうなこのコンサートを選んだ。

シュテファン寺院のすぐ近くにあるこの空間は「ウィーン最古のコンサートホール」とのことだが、コンサートホールと言うにはあまりにこじんまりとした空間で、50人分そこそこの椅子を置くのが精一杯。でもシャンデリアが吊るされ、古い調度品が置かれ、美しいフレスコ画で彩られたほぼ円形の空間は、ウィーンの旧市街にいてさえなお昔にタイムスリップしたような気分になる。席種は2ランクあり高いほうを買っておいたが、ここなら安い席でも視覚的・聴覚的に全く問題ない。

そんな空間で聴いたモーツァルトを中心としたカルテットの音楽はとても良かった。4人全員が固定のメンバーというわけではなさそうだが、若い4人の音楽家達は皆腕達者で、素敵なモーツァルトやハイドンを聴かせてくれた。

ファーストヴァイオリンのブラットは清々しく瑞々しく伸びのある美しい音でよく歌う。セカンドのベンテスは渋めの音でハーモニーに陰影を付け、ヴィオラのフォルティンは人なつこそうな表情で他の奏者と積極的にアイコンタクトを交わし、アンサンブルを束ねる。チェロのミテヴァは向山佳絵子さん張りの頼もしく大らかな演奏で的確に低音を響かせる。

彼らが奏でるモーツァルトやハイドンはとてもフレッシュで、歌があり、微笑みがあり、心地よい気分に浸らせてくれた。モーツァルトもここでのコンサートを開いたという落ち着いたやわらかな響きのするこの空間で、モーツァルトの名品を聴けたのが何よりも嬉しい。

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