あすかがは ふちにもあらぬ わがやども せにかはりゆく ものにぞありける
飛鳥川 淵にもあらぬ わが宿も せにかはりゆく ものにぞありける
伊勢
飛鳥川の淵にあるわけでもないわたしの家も、「瀬に」ならぬ「銭」に変わってゆくのであったよ。
詞書には「家を売りてよめる」とあります。売ることによって「家」が「銭」に変わるということをおもしろおかしく詠んだというところでしょうか。0933 の歌を踏まえての詠歌と言われているようです。
よのなかは なにかつねなる あすかがは きのふのふちぞ けふはせになる
世の中は 何か常なる 飛鳥川 昨日の淵ぞ 今日は瀬になる
よみ人知らず