漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 272

2024-01-13 06:53:43 | 貫之集

あしひきの やまもとしげき なつくさの ふかくもきみを おもふころかな

あしひきの 山下しげき 夏草の 深くも君を 思ふころかな

 

山の麓に深く茂った夏草のように、深くあなたのことを思う今日この頃なのです。

 

 「あしひきの」は「山」にかかる枕詞。第三句までが第四句「深く」を導く序詞になっています。
 凡河内躬恒の詠んだ古今集 0686 と同じモチーフであり、これを踏まえての詠歌なのかもしれません。

 

 

かれはてむ のちをばしらで なつくさの ふかくもひとの おもほゆるかな

かれはてむ 後をば知らで 夏草の 深くも人の 思ほゆるかな

 

凡河内躬恒



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