あしひきの やまもとしげき なつくさの ふかくもきみを おもふころかな
あしひきの 山下しげき 夏草の 深くも君を 思ふころかな
山の麓に深く茂った夏草のように、深くあなたのことを思う今日この頃なのです。
「あしひきの」は「山」にかかる枕詞。第三句までが第四句「深く」を導く序詞になっています。
凡河内躬恒の詠んだ古今集 0686 と同じモチーフであり、これを踏まえての詠歌なのかもしれません。
かれはてむ のちをばしらで なつくさの ふかくもひとの おもほゆるかな
かれはてむ 後をば知らで 夏草の 深くも人の 思ほゆるかな
凡河内躬恒