漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0979

2022-07-05 05:59:35 | 古今和歌集

きみをのみ おもひこしぢの しらやまは いつかはゆきの きゆるときある

君をのみ 思ひこしぢの 白山は いつかは雪の 消ゆる時ある

 

宗岳大頼

 

 あなたのことだけを思ってやってきた越路の白山は、いつ雪の消える時がありましょうか。

 あなたの思いが雪だというなら春には消えてしまいますねという 0978(凡河内躬恒)への返し。「白山」は雪の消えない山と見られていて、その雪が消える時がないように、あなたへの思いも消えることはありませんというわけですね。躬恒が詠んだ 0414 を踏まえての返歌でしょうか。

 

きえはつる ときしなければ こしぢなる しらやまのなは ゆきにぞありける

消えはつる 時しなければ 越路なる 白山の名は 雪にぞありける



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