やまかけに つくるやまだの こがくれて ほにいでぬこひぞ わびしかりける
山蔭に つくる山田の 木がくれて ほに出でぬ恋ぞ わびしかりける
山蔭に作る山田が木の陰に隠れてなかなか穂が出ないように、表にだすことのできない私の恋のなんとわびしいことよ。
この歌と非常に良く似た凡河内躬恒の歌が、新勅撰和歌集(巻十一「恋一」 第648番)に採録されています。両歌には、おそらくは何らかの直接的な関係があるのでしょう。
やまかげに つくるやまだの みがくれて ほにいでぬこひに みをやつくさむ
山蔭に つくる山田の 身がくれて ほに出でぬ恋に 身をやつくさむ