漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 367

2024-04-17 05:23:25 | 貫之集

貫之集 第四

 

天慶二年四月、右大将殿御屏風の歌二十首

人の家に紅梅あり

くれなゐに いろをばかへて むめのはな かぞことごとに にほはざりける

紅に 色をばかへて 梅の花 香ぞことごとに 匂はざりける

 

天慶二年(939年)四月、右大将殿の御屏風の歌二十首

人の家に紅梅がある

紅梅は色が紅に代わって美しいが、香りがまた白梅とは違って匂わないのだった。

 

 「右大将」とは藤原実頼(ふじわら の さねより)のこと。また、「二十首」とありますが、実際には 388 まで二十二首採録されています。
 紅梅は白梅と違って匂わない、と歌われていますが、そうなのでしょうか。調べて見ると、まったく匂わないということはないですが、実際、白梅は紅梅に比べて香気が強いとの研究結果もあるようです。 

 この歌は後撰和歌集(巻第一「春上」 第44番)に入集していますが、そちらでは凡河内 躬恒作とされています。



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