もともとそれでよかった♡

すべては自分の中にある

⑦心・人間・自分について「学ぶ習慣」…人格や人間性は日々の習慣によってつくられる…習慣を定着させるために、一緒に学ぶ仲間がいる環境に身を置く

2019-10-06 | 野口さん
【自己実現の7原則】 いよいよ極意、第7の原則。意志の力に頼らないこと。
2019/10/05 
 
おはようございます、野口嘉則です。

今回は、
「自己実現のための7つの原則」
のうち、

いよいよ、極意といってもよい
第7の原則についてお話しします。



最初に、僕が
コーチングやカウンセリングを通して
経験したことからお話ししますね。



これまで、
新たにクライアントさんに
なってくださった方に、
初回セッションの中でお話を伺ったとき、

「自分を変えることって、
気が遠くなるくらい難しい気がします」

とおっしゃった方がたくさんおられます。



なぜそう思われたのか、を伺ってみると、

「何年もの間、
自分を変えたいと本気で思って生きてきたけど、
自分がほとんど変わっていないからです」

とおっしゃる方が多いです。



しかし、こういったケースでは、
よくよく伺ってみると、

「自分を変えたい」という気持ちは
ずっと以前から持ち続けておられ、

そのために本を読んだり、
セミナーに参加したりしてこられた方が
多いのですが、

毎日、少しずつでも、
自分を変えるための具体的なワークや行動を
継続して実践してこられた方は、
極めて少ないのです。



つまり、

自分を変えたいと思って、

定期的に本を読んだり、
セミナーに参加したりして、

その都度、
何かを実践し始められるのですが、

1~2ヵ月もすると、
実践したりしなかったりというふうになり、

やがて実践をやめてしまわれたケースが
多いのですね。



意志が弱いからではないか、
と思われる方も
いらっしゃるかもしれませんが、

継続できない理由は、
意志が弱いからではない、

と僕は思っています。



何かを継続していこうと思うなら、

意志の力に頼らなくていいような、
そんな取り組み方が必要です。



意志の力で自分を鼓舞し、
「継続しなければ」という思いで
続けていくのって、
楽しくないですよね。

そして、これでは、
継続していくことが
苦行のようになっちゃいますね。

やがて息切れしてしまいそうです(汗)



ここで、
第7の原則を紹介したいと思います。



第7の原則は、

「環境の力を使って習慣化する」

です。



では、この原則について説明しますね。



僕たちの人格や人間性は
何によってつくられるかというと、

僕たちの日々の習慣によってつくられます



『7つの習慣』の著者コヴィー博士も、
次のように述べています。

「私たちの人格は、
繰り返される習慣の結果として
育成されるものである」



また、次の名言も有名ですね。

「習慣が変われば、人格が変わる。
人格が変われば、運命が変わる」



さらに、ジョン・デューイが、
次の言葉を残しています。

「人間は理性の生き物でもなければ、
本能の生き物でもない。
習慣の生き物である」


僕たち人間は
常に理性的に生きている
わけでもないし、
常に本能的に生きている
わけでもありません。

常に自らの習慣にしたがって
生きているのです



であるならば、

僕たちが自己実現に向けて、
人間としての土台づくり(自分づくり)に
取り組んでいくうえで、
最重要な課題となるのは、

自分づくりのための習慣を
定着させることです



特に重要なのは「学ぶ習慣」です。



自分づくりの大切さに気づき、
「取り組もう!」という気持ちになっても、

自分づくりについて学ぶことが
習慣になっていなければ、

やがてその気持ちは薄れていきがちです。



頭の中における
「自分づくりの優先度」は、

日々の仕事や雑事に追われるうちに、
みるみる落ちていきます。

そして、
「結局、自分づくりに取り組まないまま、
1ヵ月が過ぎてしまった」
といったことを
繰り返すことになるケースが
とても多いのです。



そこで、
学び続ける習慣が必要になってきます。



心について学び
人間について学び、
自分について学ぶこと、

これを習慣化することによって、

自分づくりへの高い意識が保たれ、
取り組みが自然に継続されます。



一旦、習慣化してしまえば、
意志の力に頼らなくてすむようになります。



基本的に、
人間の意志は不安定なものです。

意志の力は、
心身のコンディションに左右されますし、

また、
日々の仕事や雑務に追われていると、
意志のスイッチを入れることがないまま
一日が過ぎていくことにもなります。



ですから、
意志の力だけに頼るやり方は、
続かないことが多いのです。



ですが、
習慣化したことについては、
意志の力に頼らなくてすみます。



僕の友人に
毎朝のジョギングを10年以上続けている
人がいますが、

彼にとってジョギングは
完全に習慣になっているので、

ジョギングをするうえで、
意志の力はまったく不要だそうです。

つまり、ジョギングをするにあたって、
「走るぞ!」と気合いを入れる必要もないし、

精神的なエネルギーを消耗することも
ないわけです。



さて、ここで一つの疑問を感じた方も
おられるのではないでしょうか?

「たしかに、一旦習慣化してしまえば、
意志の力は不要になるし、
自然にそれを続けることができるように
なるのだろうけど、
習慣化するまでは意志の力に頼る必要が
あるのではないか?」

こんな疑問を感じられた方も
おられると思うのです。



しかし、実際のところ、

意志の力によって
習慣化をしようとしても、
なかなか難しいですよね。



僕はこれまで、
コーチングの仕事を通して、

さまざまな
年齢、職業、価値観の方の、

さまざまな目標の達成を
サポートしてきましたが、

その過程で、
人が習慣を身につけるプロセスを
たくさん見てきました。



その経験から確信したことは、

意志の力だけで習慣化するのは難しい、
ということです。



一方、
うまく習慣化できた人たちの共通点を
探っていったときに、

あることに気づきました。



それは、

環境の力を使うことで、
無理なく自然に習慣化できる、

ということです。



上記の友人の例で話しますね。

彼はジョギングを習慣化するにあたって、
自分の意志の力だけに頼るやり方を
採用しませんでした。

彼は、地域コミュニティでの活動を
精力的にやっていたこともあり、
近所に知人・友人が多くいました。

そのため彼は、
毎朝一緒にジョギングする人を
自分の他に2人見つけることができ、

集合時刻と場所を決めて、
3人でジョギングすることを始めたのです。



つまり彼は、
「ジョギング仲間がいる環境」を
自ら創り出したのですね。



彼のケースに限らず、

一緒に走る仲間がいる、
というだけでジョギングの継続率は
飛躍的に高まります。



一人で孤独に走るのではなく、

走る時間を仲間と共有し、
声をかけ合ったり、
励まし合ったりするだけで、

無理なく、楽に習慣化できるのです。



自分づくりについて学ぶ習慣を
身につける場合も、

環境の力を活用することが
とても有効です。



特に、
一緒に学ぶ仲間がいる環境に
身を置くことは、
非常に効果的です。



一人で孤独に学ぶのではなく、

仲間と一緒に学び、
意見交換や情報交換などをすることで、

楽しく、深く学ぶことができ、
学ぶ習慣が自然に定着します。



そして、
その効果を最大限高めるためには、
一定期間、同じ仲間と一緒に学ぶこと
が好ましいです。

できれば1年くらいは、
同じ仲間と学べると最高ですね。



まず、できることから
始めてみてはいかがでしょう。

知人・友人と勉強会を企画して、
定期的に集まるとか、

夫婦で同じ本を読んで
その感想を語り合うとか、

そんなことからでもいいのです。



そして、自己実現に向けて
自分づくりに取り組むのであれば、

ぜひ、
自分づくりに役立つ心理学を
誰かと一緒に学ばれることを
おすすめします



最後にもう一つだけお話ししますね。



発達心理学によって、

人間の心が
どのような発達プロセスを経て
成長・成熟していくのかが、
いろいろわかってきているのですが、

発達心理学が教えてくれることの
一つとして、

「人間は、死ぬまで、
精神的・人格的に成長し続ける
ことができる」

ということがあります。



つまり僕たち人間の心は、
生涯にわたって発達し続けることが
可能なのです。

そして、そのためには、
そのときの自分の心の発達段階に
合った課題に取り組んでいく必要が
あります。



僕たちは、
何歳になっても、

心について学び、
人間について学び、
自分について学ぶことで、

そのときの自分の心理的・精神的な
成熟度を知ることができますし、

そして、その成熟度に合った課題に
着実に取り組んでいくならば、

精神的・人格的に成長し続けることが
できるのです。



そのためにも、
学び続けることを習慣にしたいものですね。

そして、習慣化するうえで、
環境の力も有効活用したいものです。



以上、今回は、
第7の原則をお伝えしましたが、

次回は、皆さんにお知らせがあります。



その話の前に、
ここで、今回のワークセッションを
提案したいと思います。

今回の記事を読まれたあとで、
以下の問いのどちらか(もしくは両方)
に対する答えを、

僕のフェイスブックページに
書き込んでみてください。

1.今回の記事を読んで何を感じたか?

2.自分が身につけている習慣の中で
好ましい習慣には何があるか?


以下の記事のコメント欄にご記入ください。
⇒ http://bit.ly/358ckoM

これが、今回のワークセッションです。



さて、次回の
僕から皆さんへのお知らせについて、
少しだけお話ししておきますね。


これまで7つの原則の概要を
ざっくりお伝えしてきましたが、

具体的なやり方などは
お伝えできていませんので、

「どんな原則があるのかは
わかったけど、
日々、何をやっていけばよいか
わからない」

「何が大切なのか、
知識としては理解したけど、
実際の進め方・取り組み方が
わからない」

「具体的なエクササイズを
教えてほしい」

といったご感想をお持ちの方も
たくさんおられると思います。


そこで、
僕から皆さんへの具体的な提案として、

今、
一つの企画を準備しているところです。

この企画をお伝えすることに
今とてもワクワクしています。

楽しみにしていてくださいね。

━━━━━━━━━━━━━━━

野口嘉則 メールレター

★このメールレターは自由に転送していただいて
けっこうです

⑥人間関係を通し自分を確立…「レジリエンス」精神的回復力・しなやかに立直る力・柔軟な適応力・折れない心…感情調整力・思考の柔軟性・身近な人と良好な人間関係。内面ー外面(人間関係)は影響し合い、循環

2019-10-03 | 野口さん
【自己実現の7原則】 第6の原則、人間関係を通して自分を確立する  
2019/10/03 
 
おはようございます、野口嘉則です。

今回は、
「自己実現のための7つの原則」
のうち、

第6の原則についてお話しします。



第6の原則は、

「人間関係を通して自分を確立する」

です。



今回の原則は、
すごくパワフルな原則です。

早速、話をはじめますね。



僕たちの“心のありよう”は
僕たちがつくる“人間関係”に現れてきます

つまり、僕たちの“内面の状態”が、
“人間関係という形で外に”現れてくる
わけです。



たとえば、

心が成熟していて、
心の安定度が高い人は、

周囲の人とも良好な関係を
安定的に築くことができます。

内面の成熟度・安定度が、
成熟した人間関係、安定した人間関係
となって、外に現れてくるわけです。



また、

心に余裕がないときは、
周囲の人との人間関係も
ギクシャクしがちですよね。

心が不安定なときは、
周囲の人との人間関係も不安定に
なってくるわけです。

これも、
心のありようが人間関係に現れてくる
わかりやすい例ですね。



こんなふうに、
僕たちの心のありようは
僕たちが築いていく人間関係に
大きな影響を与えるわけですが、

逆のことも起こります。

つまり、

僕たちが築く人間関係が
僕たちの心のありように
大きな影響を与えるのです。



たとえば、

大切な相手と
親密で安定的な関係を築くことができたら、

僕たちの心は満たされ、
自尊心が育ちます



また、

人間関係の問題に取り組み、
それを解決することができたら、

僕たちは
自分に自信を持つことができるし、

自分に対する
否定的なスキーマ(思い込み)や
人間関係についての
否定的なスキーマを
ゆるめることができます



僕たちが築く人間関係が、
僕たちの心のありように
大きな影響を与えるわけです。



アドラー博士が

「人の悩みはすべて
対人関係の悩みに行きつく

と言っています。



僕たちの心を悩ませるのは、
突き詰めていくと
対人関係(人間関係)の問題である、

つまり、

対人関係(人間関係)の問題こそが
僕たちの心を悩ませる

ということですね。



この言葉も、

僕たちが築く人間関係が、
僕たちの心のありようや悩みに
大きな影響を与えることを示しています。



ところで、
「レジリエンス」という言葉をご存知ですか?

「レジリエンス」とは
「精神的な回復力」のことです。

「困難な状況や辛い出来事が続いても、
そこからしなやかに立ち直る力
それがレジリエンスです。



つまり、
レジリエンスが高い人というのは、

柔軟な適応力があって、
折れない心を持っている人です。



レジリエンスにはいくつかの要素があり
それぞれの要素を高めていくと、
結果的にレジリエンスも高まるわけですが、

その要素は内面的なものばかりでは
ありません。



もちろん、レジリエンスの要素には、

「感情を調整する力」
「思考の柔軟性」などの

内面的な要素もあります。

(それぞれ、第3の原則と
第4の原則に当たるものです)



が、レジリエンスの要素には、

「身近な人と良好な人間関係を
築いていること」
という、

外側の要素もあるのです。

つまり、
身近に心の支えとなる人の
存在があると

僕たちのレジリエンスは
高まるということです。



このことも、
僕たちが築く人間関係が、
僕たちの心のありように
影響を与えることを示していますね。



以上、
ここまでのところをまとめますと、


僕たちの心のありようは
僕たちが築いていく人間関係に
大きな影響を与えるが、

同様に、

僕たちが築く人間関係は、
僕たちの心のありように
大きな影響を与える


ということです。



つまり、

僕たちの心のありようと、
僕たちが築く人間関係は、
おたがい影響を与え合っているのです。

僕たちの内面外面(人間関係)は、
影響し合い、循環しているのです。



ですので、

内面にアプローチし、
内面に変化を起こすことで、
僕たちの人間関係も変化しますし、

逆に、
人間関係にアプローチし、
人間関係に変化を起こすことで、
僕たちの内面も変化します。



そして、自己実現に向けて
自分の土台づくりを進めていくうえでは、

内からのアプローチ
外(人間関係)からのアプローチの両方に

同時並行で取り組むのがベストなのです。

両方からアプローチすることで
好循環が起こり始めます。



ここで、
前回までを振り返ってみますと、

第1の原則から第5の原則まで、
内面にアプローチする原則が続きましたね。



一方、第6の原則では
外側(人間関係)にアプローチします。

人間関係における問題を解決し、
幸せな人間関係を築いていくことによって、

結果的に、
内面に変化をもたらしていくわけです。



この第6の原則を実践するうえでは、

具体的・実用的・効果的な方法が
必要になってきます。



30代前半の男性(Aさん)の例を
紹介したいと思います。

Aさんは妻との関係が悪化したことを
悩んでいたのですが、

心理学の本をいろいろ読むうちに、
自分が妻に対して依存的であることに
気づきました。


Aさんは、
妻の感じ方や考え方を尊重するよりも、
自分の感じ方や考え方を受け入れさせよう
とすることが多く、

意見が対立したときも、
自分の意見を正当化して、
自分の意見を押し通してきました。

「俺の言っていることは明らかに正しい。
君はそれを理解するべきだ」
といったスタンスで、
自分の意見を通してきたのです。

このときAさんの内面では、
「僕のことを受け入れてね」
「僕の欲求を満たしてね」
という一方的な依存(甘え)の心理が
働いていたわけですが、

Aさんは心理学を学んで、
そのことを自覚したのでした。



しかし、そのことを頭で自覚しても、
Aさんは妻への接し方を変えることが
できませんでした。

実際に妻と話していると、
自分の意見を押し通すパターンが
出てくるのです。



また、本を読むと、

「ありのままの相手を受け入れよう」
とか、

「相手の立場になって考えよう」
とか、

「相手への期待を手放そう」
といったことが書いてあり、

これらを実行しようとするのですが、

しかし、実際に妻と接していると、
いつものパターンを繰り返してしまいます。



「ありのままの相手を受け入れる」とか、
「相手の立場になって考える」とか、
「相手への期待を手放す」とか、

こういった精神論的なことは、
頭でわかっていても、
なかなか実行できないですよね。

もちろん、
自らの心の成長・成熟が進めば、
そういったことも徐々に実行できるように
なっていくわけですが、

それを待っていたら
目の前の問題解決が進みません。



妻との関係を改善したいAさんには、

すぐに実行できて、
しかも効果的な方法が必要でした。



僕がAさんにお教えしたのは、
対人関係療法で使われる方法でした。

その方法を使うことで、Aさんは
それまで繰り返してきた
コミュニケーションのパターンを
脱することができました。

それまでは、
自分の正しさを主張して、
自分の意見を押し通していたAさんが、

その方法を使うことで
妻と建設的な対話を
進めていくことができ、

夫婦関係を悪化させていた
根本原因にまで
たどりつくことができたのです。

そして、その後もAさんは、
妻との対話を重ねていき、

その結果、
Aさんの夫婦関係は修復されたのでした。



ここで注目したいのは、

妻との関係修復に取り組むプロセスで
Aさんの内面が変化していったことです。

そのプロセスにおいて、
Aさんの心理的自立が進み
Aさんの妻に対する依存的な姿勢が
顕著にゆるんでいったのです。



また、Aさんは自分の“感情”を
自分で扱えるようになりました。



かつてのAさんは、
思いどおりにならないときの“残念さ”を
自分で抱えることができなかったので、

自分の意見を通し
自分の思いどおりにすることで、
妻のほうに我慢させていました。

そういう形で妻に依存していたわけです。



しかし、
妻との対話を重ねるうちに、Aさんは、
“残念”という感情を受け容れることが
できるようになり、

思いどおりにならない状況をも受け容れて
根気よく妻と話し合うことが
できるようになったのです。

これは、
妻との対話を重ねるプロセスで、
Aさんの「心の器」が丈夫なものになった
からです。



このAさんの例でわかるように、

適切な方法で人間関係の問題を解決し、
幸せな人間関係を築いていけば

それにともなって自己確立が進み、
自らの内面も変容するのです。



幸せな人間関係を築くための
方法としては、

対人関係療法の手法や
弁証法的行動療法の対人関係スキル

非常に効果的です。



どちらの手法も、
その場しのぎのコミュニケーション技術とは
根本的に違います。

一定期間、取り組むことによって、
自らの対人関係スタイルに変化が起きる
とともに、

自らの心理的な自立が進み
自分という人間の基礎が確立されます



あと、大切なポイントなのですが、

これらの手法を使って人間関係づくりに
取り組むときに、

人間関係の問題の解決だけを目指す
のではなく、

その過程を通して自らの自己確立
進めることを、
意識的に目指すことが大切です



つまり、
自らの成長のためのトレーニングという
意識を持って、

人間関係づくりに取り組むのです。



上記のAさんも、
最初の動機は、
妻との関係を修復することだけでしたが、

僕は手法をお教えしたときに、

「この手法を、
奥さまとの関係修復のためだけではなく
自らの成長と自己確立のために実践して
みませんか」

と提案しました。

そしてAさんは、実際、
そのような意識で取り組まれました。

だからこそAさんは、
内面的に変化することができたのです。



以上、今回は
第6の原則についてお話ししました。


おたがい、

人間関係を通して自分を確立する

という意識を持って、
人間関係づくりに取り組みたいですね。



ここで、今回のワークセッションを
提案したいと思います。

今回の記事を読んで感じたことを
以下の記事のコメント欄に
書き込んでみてください。
⇒ http://bit.ly/2nCFxr6

これが、今回のワークセッションです。

あなたのコメントを楽しみにしています。



次回は、いよいよ
第7の原則についてお話しします。

「これぞ極意!」ともいえる原則です。

楽しみにしていてくださいね。

━━━━━━━━━━━━━━━

野口嘉則 メールレター

★このメールレターは自由に転送していただいて
けっこうです

自分という人間の土台づくり…人間性、人間力、人格、徳性。君子=「徳 >才」、小人(器の小さな人)=「徳 < 才」

2019-10-03 | 野口さん
【自己実現の7原則】 最も本質的なこと、最重要なこと
2019/10/01 (火) 8:04
 
おはようございます、野口嘉則です。

先日より、
「自己実現のための7つの原則」
をお伝えしているわけですが、

今のところ、
第5の原則までお話ししましたね。



かなり早いペースでお伝えしていますので、
十分に整理・消化できていない方も
たくさんおられると思いますが、

無理もないことだと思います。



それぞれの原則は、
1つの原則に1~2ヵ月ていどの時間を
かけて取り組むとよいものばかりです。



一方、今回の企画は、

「まず、どんな原則があるかをお伝えする」
ということを趣旨としています


具体的な手法や、やり方・取り組み方まで
お教えするとなると、

本にして3~4冊分の
ボリュームが必要になり、

フェイスブックやメルマガの記事で
お伝えするには少し無理があります。

そこで、まずは、
どんな原則があるかということだけを
ざっくりとお伝えすべく、

けっこうなハイペースで
お伝えしているわけです。



で、ペースが早いために、
これまでの内容が整理できていなかったり、
未消化になっていたりされる方も
多いと思うのですが、

無理もないことだと思うのです。



ですので、
焦って消化しようとされずとも、

まずは
第7原則までの全体を把握されて、

そのうえでご自分の課題を整理し、
今後の取り組み計画を立てられると
よいのではないかと思います。

今週末までには、
第7原則まですべてお伝えする予定です。



そして今回は、
第6の原則をお教えしたいところ
なのですが、

その前にどうしても、
このタイミングで、

最も大切、かつ最も本質的なことを
しっかりお伝えしておきたいので、

今回それをお話しすることにします。



では、早速始めますね。



「自己実現のための7つの原則」の
スタートの記事の中で、
http://bit.ly/2kNbpYu

ユング心理学の、
次の言葉を紹介しましたね。

====================
自己実現をするためには、
まず、その前提として、
自分という人間の土台
確立する必要がある
====================



この言葉を言い換えるなら、

====================
自己実現をするためには、

まず、

土台づくり
自分づくり、
人間づくり

をする必要がある。
====================

ということです。



そして、
「土台づくり」
「自分づくり」
「人間づくり」とは、

自らの
人間性」「人間力」「人格」を
高めていくということです。



このことについて、
もう少し突っ込んでお話ししますね。



名著『7つの習慣』の著者である
スティーブン・R・コヴィー博士は、

成功について書かれた書物を、
200年分さかのぼって調べたそうです。

200年前から今日までの
成功に関する文献を
徹底的に調べたわけですね。

そして、その結果、

==============================
ここ最近50年間に書かれた本は、
その場しのぎの、応急処置的な方法を
書いたものが多かった。
これでは真の成功や永続的な幸せを
実現できない。
==============================

と述べています。



さらにコヴィー博士は、
次のようなことを述べています。


==============================
ここ最近50年間の本には、

「信じれば達成できる」などの
プラス思考、
自己PRのテクニック、

などを強調するものが多いが、

こういったものだけでは、
真の成功は達成できない。


真の成功を達成し、
永続的な幸福を手に入れるためには、
「人格」の向上が不可欠である。

原理原則を自らの「人格」の内に
深く内面化させる必要がある。

これを「人格主義」と呼ぶことにする。
==============================



つまり、コヴィー博士も、

人間としての土台をつくり、
人格(人間性、人間力)を高めていくことが
永続的な幸せの条件である、

と述べているわけですね。



また、
東洋思想の大家である安岡正篤氏は、
多くのご著書の中で
次のようなことを述べておられます。

====================================
人間の本質的要素(根幹)は「徳性」であり、

一方、
人間の属性的要素(枝葉)に当たるのが
「才能」や「技能」である。

(『安岡正篤 一日一言』より引用)
====================================



「徳性」とは、
「人間性」「人格」という意味ですね。

これこそが人間の根幹をなすものであると
安岡氏もおっしゃっているわけです。



ところが現代人は、
才能や技能を開発することには
多くの時間とお金を投入しながら、

人間の根幹である人間性(人格、徳性)を
養うことをおろそかにしてしまいがちです。



「人間性を培(つちか)う」という目的で、
一定の時間とお金を投資して学んでいる人が、

僕の友人・知人には
たくさんいらっしゃいますが、

一般的には、
こういった人は少数派ですよね。



つまり、一般的には多くの人が、

根幹である人間性を養うことを
おろそかにして、

才能や技能を高めることにばかりに
時間とお金を投資しているわけです。

そして、これを樹木にたとえるなら、
根や幹を養うことなく、
枝葉ばかりを茂らせようとしている状態です。

これでは、
一時的に枝葉が茂ることはあっても、
長続きはしませんね。



大地に根を深く張り、
幹を太く養ってこそ、

枝葉は長きにわたって茂り続け、
本物の果実を豊かに実らせます。



同様に僕たちも、
人間としての根幹(土台)を養い、
人間性を高めていくことによってこそ、

才能を豊かに花開かせ、
技能や戦略を真に活かすことができ、

それらを永続的な幸せにつなげていくことが
できるのです。



もちろん、技能や戦略も大切です。
これらが不要というわけではありません。

コヴィー博士も、
次のようなことを述べています。


===============================
コミュニケーションのテクニック、
他者に影響を及ぼすための戦略、
プラス思考(ポジティグ・シンキング)、

これらが成功するうえで不要だと
言っているわけではない。

それどころか必要な場合もある。

しかしこれらは、
一次的なもの(第一の要素)ではなく、
二次的なものである。
===============================



つまり、成功するうえでは、
テクニックや戦略やプラス思考が
必要になることもあるわけで、

そういう意味では、
これらも大切なものなのですが、

何よりも、決定的にカギを握るのは、
人格(人間性、徳性)だということです。



ちなみに、東洋の人物学では、

その人の中で、
徳(人間性)と才(才能)のどちらに
比重があるか

をとても重視します。



そして、
徳が才より勝っている人のことを
「君子(くんし)」と呼び、
これを「目指す人間像」とします。

つまり、君子とは、
その人の中の比重を見たときに、
[徳 > 才]になっている人です。



一方、
才が徳より勝っている人のことを
「小人(しょうじん)」と呼びます。


小人とは、
「器の小さな人」という意味なのですが、

具体的に言うと、
その人の中の比重を見たときに、
[徳 < 才]になっている人です。



『資治通鑑』の編者であり、
北宋の宰相も務めた司馬光は、
次のように述べています。

====================================
どんなに大きな才があっても、
才が徳より勝っている人間は小人であり、

その才のゆえに利己的・排他的になってしまい、
事を成し遂げることができない。
====================================



まず人間性(徳性、人格)を高め、
人間としての土台をしっかり作ること

そのことの大切さを
東洋思想も教えてくれているのです。

そして、
その「人間性の土台」の上にこそ、
「才能」は豊かに花開き、
永続的な幸せをもたらしてくれるのです。



以上、今回は、
極めて本質的なことをお伝えしましたが、
いかがだったでしょうか?



先日からお届けしている
「自己実現のための7つの原則」は、

もう少し丁寧に言うと、
「自己実現の前提となる自分づくり
をするための7つの原則」
ということになりますが、

これはつまり、
「人間性(人格)の基礎を確立する
ための7つの原則」
とも言えるわけです。



ところで、第1~第5の原則は、

ご自分の内面と向き合っていただく原則
でしたので、

少しきつかった方もおられると思います。

自分の内面と向き合うには、
それなりのエネルギーを要しますからね。



そんな方もご安心ください。

第6と第7の原則は、

内面と向き合うものではなく、
内面とは違う角度からアプローチする原則です。

極めてパワフルな原則ですので、
楽しみにしていてくださいね。



ではここで、今回のワークセッションを
提案したいと思います。

今回の記事を読んで感じたことを
以下の記事のコメント欄に
書き込んでみてください。
⇒ http://bit.ly/2nTlIv6

これが、今回のワークセッションです。



情報をインプットするだけでなく、
感じたことや気づいたことをアウトプット
することで、

理解と気づきが深まり、
学んだことが定着します。

また、他の人と気づきを分かち合うことで、
視野が広がるとともに、
さらに新しい気づきが得られたりします。

ぜひ、この機会に、
気軽にアウトプットする習慣を体得され、

学びをご自分のものにしていただきたい、
と思っています。

あなたのコメントを楽しみにしています。
⇒ http://bit.ly/2nTlIv6



次回は、
「自己実現のための7つの原則」
のうち、

第6の原則についてお話しします。

楽しみにしていてくださいね。

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野口嘉則 メールレター

★このメールレターは自由に転送していただいて
けっこうです

⑤「スキーマ」…思い込み、心の底で信じ込んでいること…生き方を規定する規範(自分特有の思考が生まれる)になっている。「非適応的スキーマ」は「適応的スキーマ」に

2019-10-03 | 野口さん
個人的には、非適応的スキーマを適応的スキーマに変換することを、意識して心がけるだけでも、かなり効果があると思います…

(以下抜粋)

【自己実現の7原則】 第5の原則、心の深層にあるスキーマをゆるめる
2019/09/28 (土) 8:03
 
おはようございます、野口嘉則です。

今回は、
「自己実現のための7つの原則」
のうち、

第5の原則についてお話しします。



第5の原則は、

「スキーマをゆるめる」

です。



では、話を始めましょう。



前回お伝えしたように、

同じ出来事に遭遇しても、
そのとき湧いてくる感情は
人それぞれ違います

それはなぜかというと、
頭の中で考えること(=思考)が
人それぞれ違うからです。



たとえば、

ゴミ出しのときに、
近所の人に挨拶をしたが、
その近所の人は挨拶に応えず、
無言で立ち去ってしまった、

といった出来事に遭遇したときに、


「私は嫌われているんじゃないだろうか?
嫌われてやっていけるのだろうか?」
と考えて不安になる人もいれば、

「こっちから挨拶しているのに、
挨拶を返してこないなんて、
失礼じゃないか」
と考えて怒る人もいれば、

「どうせ私は疎まれているのだ」
と考えて憂うつになる人もいます。



このように、
考え(思考)が感情を生み出すのです。



では、考え(思考)は
どこから来るのでしょうか?

それは「スキーマ」です。



スキーマとは、

人の思考の根底にある「思い込み」のことで、
コア・ビリーフとか中核的観念とも言います。

つまり、スキーマとは、
「心の底で信じ込んでいること」です

そしてそのスキーマが、
生き方を規定する規範になっているのです。



たとえば、
上記のような出来事に遭遇したとき、

「私は嫌われているんじゃないだろうか?
嫌われてやっていけるのだろうか?」
と考える人は、

心の底で、
「人に嫌われるべきではない」 とか
「みんなとうまくやらねばならい」 と
信じ込んでいる可能性があります。

この信じ込みがスキーマです。



また、
上記のような出来事に遭遇したとき、

「こっちから挨拶しているのに、
挨拶を返してこないなんて、
失礼じゃないか」
と考える人は、

心の底で、
「人は皆、礼儀正しくあるべきである」 とか
「失礼な態度をゆるしてはならない」
といったスキーマ(信じ込み)を
持っている可能性があります。



また、
上記のような出来事に遭遇したとき、

「どうせ私は疎まれているのだ」
と考える人は、

心の底で、
「私は受け入れてもらえない人間である」
といったスキーマを
持っている可能性があります。



これらの例でおわかりのように、

心の底にあるスキーマ(信じ込み)から
自分特有の思考が生まれてくるのです。



前回、第4の原則として、
思考を柔軟にしていくことの大切さ
お伝えしましたね。

そして、
そのための効果的な手法として、
認知行動療法というものがあることを
紹介しましたが、

こういった手法を使いながら、
同時にスキーマにも取り組んでいくと、

思考の柔軟化が効果的に進みます。



スキーマの中でも、
悩みや生きづらさの原因となるスキーマや
心の柔軟性を奪うスキーマを
「非適応的スキーマ」と言うのですが、

非適応的スキーマをゆるめていくことで、
思考の柔軟化が進むとともに
心の健康度が増し、
いろいろな面で生きやすくなります



ここで、
代表的な非適応的スキーマ
いくつか挙げてみますね。


「人に嫌われるべきではない」


「失敗をするべきではない」


「相手をがっかりさせてはならない」


「相手を不機嫌にさせてはならない」


「人に甘えるべきではない」


「自分の弱いところを
人に見せるべきではない」


「いつも頑張っているべきだ」


「わが子は私の期待どおりに
育つべきである」


「私はダメな人間だ」


「私は受け入れられない人間だ」



以上、非適応的スキーマを
10個挙げてみましたが、

最初の
「人に嫌われるべきではない」
というスキーマを例にとって
解説しますね。



上述したように、

非適応的スキーマというのは、
悩みや生きづらさの原因となるスキーマ
のことです。

では、
「人に嫌われるべきではない」
という非適応的スキーマが、

なぜ悩みや生きづらさの原因に
なるかというと、

このように信じ込んでいたら、
現実に対して柔軟に対応できなくなって
しまうからです。



現実的に考えるなら、
誰からも嫌われずに生きるなんて
無理ですよね。

人には好き嫌いというものがありますし、
人間関係には相性というものがありますので、

誰からも嫌われない、などということは
現実的にはありえないわけです。



つまり、人間関係においては、

「どうやらあの人は
私のことを嫌っているようだ」

と思わざるをえない場面が
あるわけですが、


そんなとき、
「人に嫌われるべきではない」
というスキーマを持っていると、

過剰に不安になったり、
過剰に落ち込んだり、
過剰に反応したりします。


なぜなら、

「人に嫌われるべきではない」
というスキーマを持っている人にとって、

人に嫌われるということは
あってはならないことだからです。



こんなふうに、
非適応的スキーマを持っていると
現実に対して柔軟に対応できなくなります



そんな非適応的スキーマに対して、

健康的なスキーマ、
現実に対して柔軟に対応できるスキーマを
適応的スキーマ言います。



「人に嫌われるべきではない」
というのは、非適応的スキーマですが、

一方、

「人に嫌われないに越したことはない」
というのは、適応的スキーマです。

後者の方は柔軟性がありますよね。

たとえば、
「どうやらあの人は
私のことを嫌っているようだ」
と思わざるをえない場面に遭遇したとき、

「人に嫌われないに越したことはない。
だけど、嫌われることもあるさ」
と、柔軟に対応できます



こんなふうに、
適応的(健康的)なスキーマは、
どこかファジーで融通が利きます

そして、
非適応的スキーマをゆるめていくと、

結果的に、適応的スキーマが育ち、
現実に対して
柔軟に対応する力が高まります



ただ、非適応的スキーマは、
多くの場合、人生の早期に形成され
長年に渡って持ち続けてきたものだけに、
無意識の領域にまで根を張っています

なので、
自分の中の非適応的スキーマに気づいて、
それをゆるめようと心がけたとしても、
それだけでは、なかなかゆるまないケースが
多いのです。



ちなみに、意識と無意識は、
よく氷山にたとえられますね。

氷山の
水面上に浮かんでいる部分が「意識」
水面下に沈んでいる部分が「無意識」
です。

そして、実際の氷山において
水面下に沈んでいる部分が巨大であるように、

僕たちの心においても、
無意識の比重はとても高く、
その影響力は非常に大きいのです。



スキーマは、そんな無意識の領域にまで
根を張っているので、

意識して心がけるだけでは、
なかなかゆるまないわけですね。



そこでおすすめなのが、

効果的な心理手法やツールを
適切に使うことです。



非適応的スキーマをゆるめていくうえで
極めて効果的な手法の一つに、
「スキーマ療法」というものがあります。

これは
ジェフリー・ヤングという心理学者が
開発した手法なのですが、

幼少期に形成された非適応的スキーマを
ゆるめ、
健康的なパーソナリティ(人格)を形成
していくうえで、
非常に効果的なものです。



他にも心理療法の中には、
スキーマをゆるめるうえで効果的な手法が
いくつかあるのですが、

それも機会があったら、
また紹介したいと思います。



今回は、このあたりにしまして、
ワークセッションの提案をしたいと思います。

今回の記事を読まれたあとで、
以下の問いのどっちかに対する答えを、

僕のフェイスブックページに
書き込んでみてください。

1.今回の記事を読んで何を感じたか?

2.自分はどんなスキーマ(思い込み)を
持っていそうか?


以上の問いのどっちか(あるいは両方)
に対する答えを、
以下の記事のコメント欄にご記入ください。
⇒ http://bit.ly/2nJuVpO

これが、今回のワークセッションです。



毎回、
たくさんの方がコメントしてくださっていて、
とても楽しく読ませていただいてます。

ただし、ご質問に対しては、
個別にご回答するのは難しいのが現状です(^^;

お一人おひとりのご質問に
しっかりお答えしたいという気持ちもあるのですが、

ご回答するためには、
それなりのボリュームの文章を書く必要があり、

たくさんの方がコメントして下さっていることを
考えると、
ご質問に回答する時間を作る余裕がないのが
現状です。

ですので、個別のご質問に対しては
お答えできないことをご了承ください m(_ _)m



ですが、皆さんの書き込みは、
すべて読ませていただいております。

感じたことや気づいたことをアウトプット
することで、

理解と気づきが深まり、
学んだことが定着しますので、

よかったらぜひ、書き込んでみてください。

あなたのコメントを楽しみにしています。
⇒ http://bit.ly/2nJuVpO



次回は、
「最も本質的なこと」についてお話しします。

これは僕が皆さんに
最もお伝えしたいことです。

楽しみにしていてくださいね。

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野口嘉則 メールレター

★このメールレターは自由に転送していただいて
けっこうです

④思考を柔軟にする:自分の思考のクセが、自分特有の感情パターン・行動パターンを生み出している。思考(クセ)=メガネ(色)…メガネを通して世界を見ていることに気づき…思考のクセを自覚→思考を柔軟に

2019-09-26 | 野口さん
【自己実現の7原則】 第4の原則、思考を柔軟にする 
 
野口嘉則
2019/09/26 
 
おはようございます、野口嘉則です。

今回は、
「自己実現のための7つの原則」
のうち、

第4の原則についてお話しします。



第4の原則は、

「思考を柔軟にする」

です。



これについてお話しするにあたって、

まず、次の場面を想像していただきたい
と思います。



ある朝、あなたは
ゴミを出すためにゴミ収集場所に行きます。

するとそこに、近所の人がいたので、
あなたはその人に向かって
「おはようございます」と
笑顔で挨拶をします。

ところが、その近所の人は、
あなたの挨拶に応えず、
あなたを無視するかのように
その場を立ち去ってしまいました。



さて、このような場面に遭遇したとき、
あなたの心の中には
どのような感情が湧いてきますか?

少し想像してみてください。



いかがですか?



上記のような場面に遭遇して、

不安になる人もいらっしゃるでしょう。

また、怒りが湧いてくるという人も
いらっしゃると思います。

あるいは、憂うつになる人も
おられるのではないでしょうか。

つまり、
同じ出来事に遭遇しても
人によって湧いてくる感情が違うのです。



では、この感情の違いは
どこから生まれるのでしょうか?



それは、
その出来事に対する受け止め方の違い
から生まれます。



受け止め方の違いは、
考え方の違いと言ってもいいですね。

つまり、
その出来事に遭遇したときに
頭の中で考えることが
人それぞれ違うのです。

そして、その考え(思考)が
感情を生み出しているわけです。



たとえば、
上記のような出来事に遭遇したときに、

「私は嫌われているんじゃないだろうか?」
とか、

「こんなことで、
近所の人達とうまくやっていけるのだろうか?」
などと考える人は、

不安になります。



「私は嫌われているんじゃないだろうか?」
「近所の人達とうまくやっていけるのだろうか?」
といった考え(思考)が、

不安という感情を生み出すわけです。



また、
上記のような出来事に遭遇したときに、

「こっちから挨拶しているのに、
挨拶を返してこないなんて、
失礼じゃないか」
と考える人は、

怒りを覚えます。



「こっちから挨拶しているのに、
挨拶を返してこないなんて、
失礼じゃないか」
という考え(思考)が、

怒りという感情を生み出すわけです。



また、
上記のような出来事に遭遇したときに、

「どうせ私は嫌われ者だ」とか、

「私は近所から疎まれているに違いない」
などと考える人は、

憂うつになったり
悲しみや孤独感を味わったりします。



「どうせ私は嫌われ者だ」
「私は近所から疎まれているに違いない」
といった考え(思考)が、

憂うつ感や悲しみ、孤独感などの感情を
生み出すわけですね。



以上、
3つのパターンを挙げてみましたが、
これらが組み合わさったケースもあります。

たとえば、

「私は嫌われているんじゃないだろうか?
だとしても、挨拶を無視するなんて失礼だ」
と考えると、

不安と怒りが同時に湧いてくるでしょうし、

その後で、
「どうせ私は疎まれているに違いない」
と考えると憂うつになるでしょう。



逆に、
上記のような出来事に遭遇したとき、
あまり気にならない人もいますよね。

たとえば、

「相手は、心配事か何かで頭がいっぱいで、
こっちが挨拶したことに気づかなかったの
かもしれないな。
次の機会にまた挨拶してみよう」
と考える人や、

「私のことを嫌っているのかもしれないけど、
それはたいした問題ではない。
近所づきあいを積極的にしようとは
思わないから」
と考える人は、

あまり気にならないでしょうし、
特に強い感情は湧いてこないでしょう。



以上の例でおわかりのように、

僕たちの考え(思考)が
僕たちの感情を生み出します



ですので、
あなたが何かの感情に悩まされることが
多いなら

あなたはその感情を生み出す思考のクセ
を持っている可能性があります。



たとえば、
劣等感に悩まされることが多い人は、
劣等感を生み出すような思考のクセ
持っています。

緊張しすぎる傾向がある人は、
緊張感を生みだすような思考のクセ
持っています。


同様に、

怒りっぽい人は、
怒りを生み出すような思考のクセ

不安になりやすい人は、
不安を生み出すような思考のクセを、

罪悪感に悩まされがちな人は、
罪悪感を生みだすような思考のクセ

持っているわけです。



つまり、自分の思考のクセが、
自分特有の感情パターンを生み出して
いるわけですが、

そして、それがさらに、
自分特有の行動パターンをも
生み出しています



しかし、僕たちはふつう、
自分の思考のクセを自覚できていません

自分のどんな思考が、
どんな感情を生み出したのか、

そのことをその瞬間には自覚できないまま、

いつもの感情パターンと行動パターンを
繰り返してしまいがちです。



なぜ僕たちが
自分の思考を自覚できないかというと、

思考はメガネのようなものだからです。



僕たちは思考というメガネを通して
世界を見ているのです。

黄色のレンズのメガネで世界を見ると
世界は黄色に見えますね。

しかし実際は、
世界が黄色なのではなく、
レンズが世界を黄色に見せているだけです。

ですが、いつもメガネをかけていると、
「自分はメガネを通して見ている」ということを
忘れてしまうため、

「世界は黄色いものだ」
と思い込んでしまうようになり、

黄色く見えるのが
レンズの性質(=思考のクセ)によるもの
であることを自覚できなくなるのです。



ここで大切なのは、

メガネを通して世界を見ていることに気づき、
メガネそのものを観察してみることです。

そして、
メガネのレンズのクセ(=思考のクセ)に
気づく必要があるわけです。



それをするうえで非常に効果的なのが
認知行動療法です。



認知行動療法は、

思考パターンと感情パターンに働きかける
「認知療法」と

行動パターンに働きかける「行動療法」の
2つを統合し、

効果の明らかな技法だけを採用して
体系化された手法です。



思考のクセに気づくための
効果的なツールや、

そのクセをゆるめて
思考を柔軟にするための
効果的なツールも用意されています。



認知行動療法の大きな特長は、

他の心理学的手法と比べて
比較的短期間で効果が現れることと、

手順が覚えやすいため、
一度習得すれば、その後の人生において、
いつでも自分で使うことができる、

ということです。



ちなみに、認知行動療法は、

「うつ病」、「不安症」、「対人恐怖症」、
「強迫神経症」、「摂食障害」などの治療に
有効であることが実証されています。

つまり、これらの症状を持つ人たちの
思考パターン、感情パターン、行動パターン
の改善にも効果があるわけですが、

ましてや健康な人が、
自らのパターン改善のために
主体的に取り組めば、
大きな効果が期待できます。



実際、僕もこれまで、

仕事面、経済面、人間関係面、家庭面など
さまざまな領域の問題解決や課題達成に
認知行動療法を活用してきており、
思いきりその恩恵にあずかっていますし、

また、
僕のクライアントさんにも活用していただき、
多くの成果が出ています。



ここで話を思考のクセに戻しますが、

認知行動療法では、
思考のクセのことを「認知の歪み」
呼びます



メガネのレンズに歪みがあれば、
世界が歪んで見えますよね。

同様に、思考に歪みがあれば、
ものごとを歪んで捉えることになり

その結果、
たとえば怒り、不安、憂うつ、焦り、孤独感、悲しみ
などの感情を
過剰に味わうことになります



その思考の歪みのことを
「認知の歪み」というのです。

代表的な「認知の歪み」は
10種類あるのですが、

今回は、その中から

「全か無か思考」を紹介したいと
思います。



「全か無か思考」というのは、

ものごとを見るときに、
「白か黒か」という両極端な見方を
してしまうクセのことです。



ほとんどの問題において、
事実は白と黒の間のどこかにあるものですが、

「全か無か思考」の人は、
「白でないならば黒だ」と考えてしまいます。



たとえば、
自分のやった仕事に対しても、

「パーフェクトでないならば失敗だ」
(=白でないならば黒だ)
という見方をしてしまうので、

自分のやった仕事に
一部でも欠点やミスが見つかると、

「失敗だ」とか「ダメだ」といったぐあいに、
仕事全部を否定してしまいます。

つまり、完璧主義的な思考
なってしまうわけです。



甘いものを控えていたダイエット中の女性が、
ケーキを一つ食べたことで
「今までの努力が台無しになった」
と考えて自己嫌悪に陥ってしまうのも、

「全か無か思考」ですね。



また、

「一番でなければ意味がない」
とか、

「100パーセントでなければゼロと一緒」
というのも、

「全か無か思考」です。



「全か無か思考」のクセを持っている人は、

ものごとに対して

「正しいか間違いか」
「善か悪か」
「成功か失敗か」

といった
二分法的な見方をしてしまうわけです。



世の中には、
パーフェクトな善人もいなければ
100パーセントの悪人もおらず、

そういう意味で、人は皆、
グレーな存在なのですが、

「全か無か思考」のクセを持っている人は、

相手の中に少しでも悪い点をみつけると、
その相手のことを「悪い人だ」と捉えたりしがちです。



また、世の中には
欠点のない人などいないのですが、

「全か無か思考」のクセを持っている人は、

相手の中に欠点を見つけると
その相手を「ダメな人」と捉えがちです。


そして、自分に対して
「全か無か思考」で見るので、

「自分はダメだ」とか、
「自分のやったことは失敗だ」
という結論に至りがちなのです。



以上、今回は、

10種類の「認知の歪み(思考のクセ)」
の中から

「全か無か思考」を紹介しました。



自分の認知の歪み(思考のクセ)を
自覚することができると、

それをゆるめて、
思考を柔軟にしていくこともできます

これまでの自分の思考パターンに、
新たなパターンを加えて、
思考の選択肢を増やしていくことも
できるのです。

そして、そのための有効な手法が、
心理学においていくつか開発されており、

心理臨床の現場で使われて実証され、
さらに修正や工夫が加わって改善されながら、
進化・発展してきております。



今回は、このあたりにしまして、
ワークセッションの提案をしたいと思います。

今回もシンプルです。

今回の記事を読んで感じたことや
気づいたことを

以下の記事のコメント欄にご記入ください。
⇒ http://bit.ly/2lD8vWE

これが、今回のワークセッションです。



情報をインプットするだけでなく、
感じたことや気づいたことをアウトプット
することで、

理解と気づきが深まり、
学んだことが定着します。

また、他の人と気づきを分かち合うことで、
視野が広がるとともに、
さらに新しい気づきが得られたりします。

ぜひ、この機会に、
気軽にアウトプットする習慣を体得され、

学びをご自分のものにしていただきたい、
と思っています。

あなたのコメントを楽しみにしています。
⇒ http://bit.ly/2lD8vWE



次回は、
「自己実現のための7つの原則」
のうち、

第5の原則についてお話しします。

楽しみにしていてくださいね。

━━━━━━━━━━━━━━━

野口嘉則 メールレター

★このメールレターは自由に転送していただいて
けっこうです