日本の年金制度の欠陥は、外国の年金制度と比べると一層際立ってくる。
「2014年度グローバル年金指数ランキング」を発表した。
同ランキングは世界各国の年金制度を指数化して比較したもので、
日本の年金制度は25カ国中23位と惨憺たる状況だ。

「マクロ経済スライド」とは、何か?
衆議院議員・河野太郎氏のブログにある説明がわかりやすいので、以下に引用させてもらう。
「あなたが会長をしている自治会が、公民館で炊き出しをやることになりました。
大きな釜でご飯を炊いて、おむすびを握ります。
そして自治会のメンバーを全員、
年齢順に並んでもらって大きなおむすびを二つずつ配っていきます。
しばらくして、あなたはふと心配になりました。
釜の中のご飯が思ったよりもずいぶん早くなくなっていきます。
このままでは行列の最後までおむすびを配ることはできません。
あなたは配るおむすびを一つずつにしようかと思いましたが、
行列の最初のほうの人たちがおむすびを二つもらっていたのをみんなが見ています。
そこであなたは配るおむすびの大きさを少しずつ小さくしていこうと思いました。
おむすびを握っている自治会の役員さんたちに、
おむすびを少しずつ小さくしてくださいと頼みました。
これでお釜のご飯はなんとか行列の最後までもつでしょうか。
このおむすびを小さくするのが『マクロ経済スライド』というやつです」
(2014年11月5日付河野太郎ブログ『ごまめの歯ぎしり』)
そもそも政府は、
何年も前からおむすびが大きすぎることに気づいていたのに、
おむすびを小さくしてこなかった。そのため、
お釜の中のご飯はすっかり減ってしまった。
高齢者の反感を恐れた国会議員(特に政権与党だった自民党)の不作為が原因なのである。
年金支給額の伸びを物価や賃金などの上昇より低く抑える「マクロ経済スライド」が、4月から適用される。
本来であれば昨年の賃金上昇分2.3%が支給額に上乗せされるべきだが、
スライド調整率0.9%分が差し引かれ、デフレ時のもらいすぎ分(0.5%)も削られる。
よって、年金支給額の伸びは0.9%となり、
物価上昇率を考えれば手取りは目減り(実質的引き下げ)することになる。
多くのマスメディアでは昨年から「高齢者いじめ」のようにたびたび報じられてきたが、
果たしてそれほど単純な問題なのだろうか。
年金制度を維持する施策としては、
元気な高齢者が労働可能な制度・環境整備や、
富裕層への年金支給額削減・支給開始年齢の延伸などが挙げられる。
幸い、日本の高齢者は総じて勤労意欲が高く、
65歳以降も働き続けたいと考えている人が多いといわれる。
政府は「雇用環境が改善されて実質定年が延長されるのを待たなければ、
年金支給開始年齢を延伸することはできない」との姿勢だが、
企業の自主的な取り組みを待っていては、
いつまでたっても年金財政の健全化は達成できない。
今すぐにでも実質定年を70歳程度まで引き上げるべきである。
マクロ経済スライドという給付抑制策だけで年金財政問題は解決しないし、
若者や現役世代へのツケが延々と回っていくのである。
(文=横山渉/ジャーナリスト)
国会法36条 「議員は、別に定めるところにより、退職金を受けることができる」
議員年金の掛金の扱いは国の一般会計であり、年金給付は総務省の「恩給費」から支出される。
受給資格:在職10年
在職時掛金:年間126万6000円。
受給額:最低でも年412万円(在職年数10年)。在職1年増える毎に年額8万2400円増える。在職56年だと年額約742万円になる。
備考:国会議員互助年金は約70%が公費からの支出となっている(2006年改正を持って自己負担はゼロ、公費負担100%となった)。
その他:受給資格が得られない場合、在職3年以上であれば掛け金の8割が戻る。
2012年時点で受給資格を持つ議員は144名。
やってられね~