世界遊戯博物館ブログ

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賭けずに楽しむ日本の賭博ゲーム (立東舎)

2015年04月30日 | 日本のゲーム


5月15日に立東舎より「賭けずに楽しむ日本の賭博ゲーム (立東舎)」という本が出版されます。

この本は、日本の様々な賭博を図版入りで紹介しているものです。

よく知られた丁半やチンチロリン、どぼんなどの他、チイッパやヨイド、賽本引き、受け将棋、えちょぼ、3人六百間の詳細など、マニアックなものも含めた30種類の賭博遊戯を紹介しています。

全体の構成は、以下のようになっています。

■PART1 サイコロゲーム
チンチロリン/丁半/ちょぼいち/きつね/賽本引き/ヨイド/チィッパ

■PART2 花札ゲーム
こいこい/六百間/むし/えちょぼ

■PART3 地方札ゲーム
おいちょかぶ/京かぶ/かちかち/五枚株/手本引き/くじゅろく/シリンマ

■PART4 トランプゲーム
どぼん/きりふ/オール/ソロ

■PART5 麻雀牌ゲーム
麻雀ポーカー/一通消し/東天紅サンマ/十半/ブー麻雀

■PART6 その他のゲーム
受け将棋/なんこ/モヤ返し

賭博ゲームは、単純な手順を繰り返すものが多いので、ゲーム性を越えた各自の人間性が全て出て来る面白さがあります。
この類いのゲームは、長時間繰り返すことにより妙味が深まるので、友達と一晩中お遊び頂ければと思っています。

発売は5/15ですが、5/5に東京国際展示場(東京ビックサイト)で開催されるゲームマーケットで先行販売致します。

販売場所は、版元のリットーミュージック社のブース(番号A16)で取り扱い、会場特典として、立東舎のロゴ入り・特製「手本引き札」を限定で進呈します。


その他、本に記された日本の賭博ゲームが遊べるイベントが、下記の日程で行われますので、そのチケットもゲームマーケット会場で販売致します。

日時:6/18(水) OPEN 19:00 START 19:30

会場:道玄坂ヒミツキチラボ

東京都渋谷区道玄坂1-22-12 長島第一ビル2F

料金:前売 ¥2,200 当日 ¥2,700

これを機会に、日本の賭博ゲームをチップで楽しく遊んで頂けたらと思っています。

賭けずに楽しむ日本の賭博ゲーム (立東舎)は、アマゾンなどでも予約販売しておりますので、ご興味のある方は是非ともお買い求め下さい。

どうぞよろしくお願い致します。


双天至尊堂・天九牌

2015年02月24日 | ゲームマーケット

現在、双天至尊堂の新作として、天九の紙牌を製作しております。
この天九牌は、牌の名前と強さが記されているので、誰でもすぐに天九牌の様々なゲームが遊べるようになっています。

特に牌の強さが、名前順に並んで表記されているので、繰り返すうちに天九牌の名前と強さが自然と身に付くようになっています。

また、牌の名前の正式な発音も発音記号付きで記されているので、天九牌の学習カードとして最適なものになっています。

さらに、「天九」・「逐鹿中原」・「牌九」といった天九牌の3種類のゲームの詳しい解説書も付いております。

 

天九や逐鹿中原を遊ぶ際に必要な、場風や局数を示すカードの他、

 

それぞれの解りやすい説明カードが、それぞれ4枚ずつ入っております。

 

取り敢えず、現在、ほんの僅かだけしか用意できないので、大阪で少量を先行・限定販売して、東京のゲームマーケットで正式に発表しようと思っています。

値段は¥1800円位で、ゲームマーケット特別価格で¥1600を予定しています。

最強の学習カードとしてだけでなく、一生遊べるものとして作りましたので、末永く遊んで頂きたいと思っております。

天九牌の最強の役である双天と至尊を屋号にする程、天九牌には思い入れがあり、今まで普及を含め、遊び方や歴史・文化などの探求を続けてきました。

なので、天九牌を伝えることには何故か使命感を感じておりますので、多くの人が天九の牌をこのカードで憶えて頂けたらと思っています。

そして、牌を憶えたら、実際の牌で打って頂きたく思っています。

この牌には、牌九の詳しいルールや見やすい役一覧カードもありますので、カジノで牌九を打ちたい人にも役立つものと思っています。

取り敢えず、完成品は大阪のゲームマーケットの現場に当日、少しだけ届くので、ごく少量を先行販売いたします。

その後は、数を揃えて東京のゲームマーケットで販売しようと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

※追記 ご紹介している双天至尊堂の天九牌は、世界のゲーム販売で通販を開始いたしましたので、どうぞよろしくお願い致します。


双天至尊堂・手本引きセット完成

2014年05月21日 | ゲームマーケット

双天至尊堂の新作である、誰でもすぐに遊べる手本引きセットが完成しました。

6月1日のゲームマーケットにて、特別価格(3200円)で販売を開始いたします。

この手本引きセットは、一箱の中に、張り札30枚(6×5枚)、繰り札12枚(6×2枚)、モク札6枚、通り・半丁札10枚(5×2枚)、衝立て(一つ)、配当盤5枚、碁石5個、解説書(8頁)が入っており、最大6人まで遊べます。

今回の手本引きは、ゲームとして、誰でもすぐに遊べるように、様々なアレンジが加えられています。

■配当が一目瞭然になる配当盤を開発

本来であれば、札の向きや並びで配当を示すのですが、倍率が記されているので、その必要が無くなっています。その為、3~4点賭けは形が統一されています。

■片手で札をたぐる必要無く衝立てを用意

本来は片手で札をたぐって選び、手拭に包んで出すのですが、札をたぐるには訓練が必要なので、衝立ての後ろで札を入れ替えられるようになっています。
※勿論、各自で手拭を用意して頂き、包んでも可能です

■4点賭けの配当0.25を0.2にして、端数を出さない

手本引きセットは、ゲーム用にチップを使うので、10チップからでも賭けられるよう、多く採用されている-0.25の配当を、-0.2にしました。
-0.25だと、どうしても小数点が出てチップをうまく配れないので、(10の0.25倍は2.5、30の0.25倍は7.5など)、ゲーム用に0.65の配当を0.7に変えて、端数がでないようになっています。

以上のように、誰でもゲームとして、すぐに遊べるようになっています。
ですので、本来の手本引きとは異なる、手本引きのゲーム版です。

 

ゲームマーケット終了後の価格や販路は未定ですが、このサイトの「世界のゲーム販売」で取り扱うことを予定しています。

(追記補足)世界のゲーム販売で、手本引きゲームのセットを販売開始致しました。

どうぞよろしくお願い致します。

※当製品はゲーム専用品として製作されておりますので、ゲームとしてのみお遊び下さい。


学研・ムー6月号に「勝負師と運」について寄稿しています

2014年05月09日 | 日本のゲーム

5月9日(金)発売の学研パブリッシングの雑誌「ムー6月号」に、「プロの勝負師が語る運の秘密」という14ページの文を寄稿しています。

内容は、一流のプロ棋士やプロ雀士、プロのバックギャモンプレイヤーなどから、勝負における運に関する話を取材し、運の正体について考察するというものです。

元々、ゲームは、古くは神意や吉凶など、運を見極める為の道具として用いられてきた歴史があります。

また、ゲームをしていると、偶然と解釈するにはあまりに不可解な局面に出くわし、勝負運が一気に変わってしまうこともあります。

また、明らかに引きの強い人がいたり、運不運が波のように移動したりと、運の流れが目に見える形で見て取れるのが、ゲームなどの勝負の世界です。

果たして、運の正体とは一体何か?
勝利の女神と呼ばれるものの正体は?
はたまた、悪運をもたらす不の要素とは何か?

などについて、有名勝負師の事例や、古今東西のゲームの達人にまつわる話から解き明かしているのが、今回の内容です。

チェスのミハイル・タリや、チェッカーのマリオン・ティンズリー、ポーカーアリスなどの伝説的プレイヤーの逸話もありますので、ゲームに興味のある人は必見の内容となっています。

その他、歴史上の強運な勝負師や、勝負師に運をもたらすパワースポットなどについても紹介しています。

お読み頂ければ、運についての意識が高まり、今より運がよくなる事は間違いないと思いますので、ご興味のある方は、是非ともよろしくお願い致します。

ムー 2014年 06月号 [雑誌]


ゲームマーケットに新作を出品します

2014年04月10日 | ゲームマーケット


双天至尊堂は現在、6月1日のゲームマーケットに向けて新作を製作しております。

今回出品しようと思うのは、日本の傑作推理ゲーム「手本引き」です。

従来の手本引きは、全て揃えようと思うと値段が高く、入手困難であり、配当も細かくて分かりづらいという面がありました。

そこで、その問題を解消すべく、一つの箱に全ての用具が入った廉価な「手本引きセット」を制作して、多くの人にこの面白いゲームを遊んでもらおうと考えています。

今回、多くの人が複雑な張り方でも判り易く遊べるように、上に札を載せることで一目瞭然となる配当盤を製作しました。 これにより、誰もが簡単に手本引きを遊べるようになっています。

今回の手本引きは、製作物の種類が多いので、制作費が予想以上にかかってしまいましたが、なるべく敷居を低くして多くの人に遊んでもらいたいので、ゲームマーケットでは、なるべくお手頃価格(3千円位)で提供できるようにしたいと思っています。

そのような感じで、まだ製作途中ですが、6/1の出展には間に合わせたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。


月刊「ムー」1月号に「浄土双六」について寄稿しています

2013年12月10日 | 日本のゲーム


現在、書店などで発売しております学研の月刊「ムー 」2014年 01月号に、「浄土双六」について寄稿しておりますので、ご興味のある方はご覧下さい。

浄土双六は、絵双六の元になったと言われる遊びで、あの世を疑似体験して極楽浄土を目指すというものです。

おそらく。浄土双六が無ければ、道中双六や出世双六などの絵双六や、今の桃太郎電鉄のようなゲームも生まれていなかったと考えられます。

内容では、浄土双六の背景にある、日本人が培ってきた熊野修験などの神仏習合の信仰についても説明しています。

元々、日本人は神と仏が共存し、全ての自然に命が宿るという自然崇拝が結びついた大らかな信仰をもっていました。

しかし、明治政府が西洋のキリスト教を元に日本の宗教を改革した際に、キリスト教の影響を受けたといわれる平田篤胤の国粋主義的な復古神道と、儒学や朱子学、陽明学、国学の影響を受けた尊王主義が結合した儒家神道といった江戸末期に生み出された新しい神道を国教と定めました。

そして、古来の神仏を分断して統廃合し、山岳信仰の修験道や陰陽道などが禁止され、廃仏毀釈で多くの寺社や神仏像が、明治政府の神祇官の命を受けた神職達に打ち壊されました。

これにより、自然を祀った神域や土地の神、無名の怨霊を鎮める為にを祀った祠など、様々な八百万の神も統廃合され、神仏習合を廃して皇室祭祀の場所に生まれ変わった伊勢神宮の下に置かれてしまいました。

更には、古来の氏神や産土神、自然神、祟り神、権現神、明神などが壊されて「記紀神話(古事記と日本書紀)」の神にすり替えられ、全国から多くの祠や神域が消えてしまいました。

因に今ある神社の多くは、明治時代に神仏習合の寺社を壊して祭神を記紀神話の神に入れ替えたものが多く、古代からその場所に記紀の神を祀る神社が存在していたかのように由緒書が書かれています。

現在、日本人で自分は無宗教だという人が多いですが、祖先崇拝に加えて、本来、神仏と自然が一体となった宗派ではない信仰があり、それこそが日本人の持っている宗教観だと思われます。

この宗教観は、東~東南アジア圏にも広くあるもので、政治等と結びついて拡張し、道徳的で異端を認めない窮屈なものではなく、色々な神仏を取り込み、自然を崇拝する大らかな思想があると思います。

そんな、明治以前に持っていた根底となる日本人の信仰(死生観)と浄土双六の関連性について書いておりますので、もしよろしければお読み下さい。


象棋麻将(64牌使用版)

2013年11月12日 | 麻雀


前回の記事で、二色象棋牌一組・32枚を使用した象棋麻将を紹介したので、今回は二色象棋牌2組・64枚を使用した遊び方を紹介します。

地元のゲーム会で二色象棋牌2組・64枚の象棋麻将を遊んだのですが、じっくりと手を作る面白さがあり、スピード勝負の32枚よりも深みのあるゲームとなっていました。

といっても、手札は各自に7枚、上がりの枚数が8枚という少数手札なので、麻雀よりも流局が少なくお手軽なのですが、長時間何度も繰り返せる面白さがありました。

最初、リーチを有りにしていたのですが、麻雀のように役が無くてもリーチのみですぐに上がってしまうことが多かったので、リーチを無しにして、2点縛りにしました。

これにより、じっくりと手を作る必要性が増して、ゲームが更に面白くなりました。

また、すぐに鳴いてしまうと点数に届かなくなってしまうので、何とか手を作ろうとすることにより、ゲーム性が高まったと思います。

鳴きが基本で上がり易いといわれる香港麻雀も、上がるのに3点が必要なので、この点数による縛りはゲームを面白くする為の智慧であると思いました。

今回は3人で、親が4回交代したら終了という勝負を2回繰り返したのですが、麻雀のように4人で半荘を繰り返し、ウマを付けたら更に面白くなると思いました。

3人で遊んだので、手積み牌の配分が面倒であったことから、カード型の二色象棋牌を二組使用したのですが、4人であれば、牌を使用して遊んだ方が雰囲気が出て、断然面白いと思います。

以前にゲームマーケットで、台湾の象棋麻将牌を売った事がありましたが、牌に重量があるので、台湾から複数持って来る時に、空港で3万円程の超過料金を払うことになってしまいました。

その時は、他に台湾の麻雀牌などもあったので、かなりの重量オーバーになってしまったのですが、象棋麻将牌も牌1個あたりの重さは麻雀牌と同じなので、持って来るには随分とお金がかかってしまいます。

なので、牌を欲しいという要望が多いのですが、仕入れの価格的に少々躊躇しているのが現状です。

しかし、台湾を訪れる機会があれば、世界のゲーム販売店で販売しようと思うので、その際にはまた当ブログで告知しようと思います。

それまでは、双天至尊堂の二色象棋牌でお遊び頂けたらと思います。カードの利点として持ち運びに便利で、どこでも遊ぶことが出来ますので。

二色象棋牌2組・64枚を使用した象棋麻将の遊び方を以下に記しますので、ご興味のある方は、是非ともお遊び下さい。

一見して役の種類が多く感じますが、点の高い役は殆ど槓子絡みで中々出現しないので、6点役の一盃口辺りから覚えていけば大丈夫ですので。

■二色象棋牌64牌・象棋麻将の遊び方

上がるには2点が必要。2点に満たない状態で上がるとチョンボとなる。

基本的に面前ツモ以外の役は、鳴いても成立する。

カンの場合は、牌山から一枚ツモる。

暗カンは必ずしなければならない。(鼎足三分は例外)

流局の場合は、テンパイしていない人が供託棒を一本出し、次の局で上がった人が取る。

連荘するごとに、上がり点に1点が加算される。

■役一覧表

64牌使用の象棋麻将の役一覧表はこちらからダウンロードできます(file.pdf)

※台湾のサイトで、象棋麻将牌56枚で遊ぶ象棋麻将のCPU対戦サイトがあり、64枚使用の象棋麻将より役が簡略化されているので、対人で遊ぶ前に馴れておくものよいと思います。

象棋麻将牌(56枚)のCPU対戦サイト

双天至尊堂・二色象棋牌

台湾製・二色象棋牌


香港・澳門の暗象棋

2013年10月21日 | 世界のゲーム

前回、タイの将棋・マックルックの変則規定を紹介したので、今回は香港や澳門(マカオ)で盛んな象棋を使った別の遊びを紹介したいと思います。

港澳(香港と澳門の略称)で遊ばれている象棋を使ったゲームは、駒を裏返して遊ぶものです。

遊び方の名前を現地で遊んでいる人に聞いたら、「暗象棋」と言っていましたが、これが一般的な名称か定かではありません。

同じように象棋駒を裏返して遊ぶゲームに台湾の「暗棋」がありますが、港澳の暗象棋は象棋本来の遊び方を改変したもので、台湾の暗棋とは遊び方が全く異なっています。

↓<台湾の暗棋>↓ 盤の半分のみを使って遊びます。

同地域の広東省でも現地の縁台象棋を数多く調査しましたが、暗象棋を見かけることは無かったので、恐らく縁台などで行われているのは港澳地域のみだと思われます。

遊び方を以下に記しますので、象棋のお好きな方は、是非ともお遊び下さい。

港澳・暗象棋規則

■初期配置

お互いの駒の色(黒・赤)を決めて、相手に自分の駒16枚を渡す。

相手の駒から「将・帥」の王駒を取り除き、裏返してかき混ぜる。

そして、裏返したまま盤上に駒に配置する。

配置の位置は、象棋の初期配置と同じで、「将・帥」だけは表向きで配置する。

お互いが駒を配置したら、盤を180度回転して、裏返した配置のまま相手に返す。

■駒の動き

裏向きの駒を最初に動かす時は、配置された位置の駒の動きをする。

例えば、馬の位置に配置された裏向きの駒は、馬の動き、砲の位置に配置された裏向きの駒は、砲の動きをする。

一旦動いた駒は、移動が終わると同時に表向きになり、次にその駒を動かす時は、その駒本来の動きになる。

「仕・士」や「象・相」は表向きになった状態で、河界を越えて、敵陣でも動く事が出来る。

■その他の規定

相手の駒は裏向きでも表向きでも取る事が出来る。

取った駒は、裏向きで相手に見えないように置いておく。

取った駒は、相手に見えないように自分だけ確認することが出来る。

相手の王駒を取ったら勝ちとなる。

以上が、暗象棋の遊び方です。

象棋と違って運の要素も多分に含まれているので、実力差が異なる者同士でも充分楽しむことが出来ます。

対局を見ていると、なるべく裏返しの駒を表にせず、表にした駒を進めて行くという戦法が、多く採られていました。

暗象棋は、非常に面白い遊びなので、多くの人達の間で遊ばれる事を願っています。

高級プラスチック製・トランプ型二色象棋牌

【1000年以上の歴史を持つ盤上ゲーム】木製中国将棋(シャンチー)

中国象棋 シャンチー 象棋 チャイニーズチェス マグネットタイプ 【shootingstar】

中国象棋


マックルックの初手の特殊規定

2013年10月14日 | 世界の将棋

前回、マックルックの特殊な昇格規則を紹介したので、今回は、タイ国内でよく見かける初手の特殊な動きについてご紹介します。

マックルックの初期配置は、以下のように配置するのが一般的となっています。

しかし、タイ国内で対局すると、この初期配置からある動きを強制されることが多く、暗黙の規則となっている場合が多いと感じます。

その動きは、お互いに最初にメットの駒の前にあるビアを一歩進めた後、メットを前に2歩進めるというものです。

普通、メットは斜め四方向に一歩ずつしか進めないのですが、この規則だと、初手に限っては前に二歩進めるようになっています。

これは、地方ルールと思われるものでしたが、タイ北部のターク県やアユタヤ、首都バンコクなどで6~7人と実際に対局した際に、殆どこのルールでの対局を強制されました。

最近、よく「Play OK」で、マックルックを通信対戦しているのですが、自分自身、やはり最初の手順で駒をこの位置に動かすことが多い事に気付き、この動きが定石に至る手を簡略化したものではないかと思うようになりました。

初期の駒組で最も利に適っている定石であれば、お互い最初からその形から始めてしまえば余計な時間を省けるので、これを規則化したのであれば、実に合理的な事だと思います。

一時期、将棋でも最初の駒組で、双方が相矢倉で対局するのが一般化していた時期もあったので、どうせその形になるのなら、手を省略して、相矢倉で始めてしまえという考えが生じても不思議ではありません。

そのような考えに至りましたが、あくまで主観なので、何が事実なのかは判りませんが。

マックルックは、以下のサイトで通信対戦が出来ますので、これを機会に日本人の指し手が増えることを願っています。

Play ok Makruk通信対戦

マックルックの駒販売

オンライン麻雀対戦の決定版


マックルック「ルア・ガーイ(ルア昇格駒)」

2013年10月12日 | 世界の将棋

先日、タイのトランプ「ポック・デン」を紹介したので、再びタイのゲームについて書こうと思います。

タイの路地を歩いていると、タイ将棋「マックルック」の縁台対局をよく目にします。

タイは、英仏の植民地化の野望を外交で躱して独立を保っただけに、西洋チェスの対局を殆ど見かける事が無く、縁台ではマックルックの対局ばかりを目にします。

このマックルックですが、歩の駒であるビアの初期配置や昇格の位置が、将棋と同じなので、アユタヤ時代の朱印船貿易と関連付けて、お互いが影響を与え合ったと仮説を唱える人もいます。

その駒の昇格についてですが、ビアが敵陣三段目に入ったら将棋の成りと同じく駒を裏返し、今まで前に一歩しか進めなかったのが、斜め四方向に進めるようになります。

この裏返しの成り駒は、ビアだけでなく、なんと一般的に裏返す事のないルア(船の駒)までもが昇格しているのを見た事がありました。

場所は、バンコクのヤワラート(中華街)のお寺の境内で、縁台マックルックが三つ立っている中の一つが、そのルールで行われていました。

これは、世界の将棋研究の第一人者である岡野さんの著した「タイの将棋・マックルックの指し方と現地情報」の中にも「ルア・ガーイ(ビアが裏返ったらビア・ガーイ)」として紹介されており、2つある駒の片方だけ裏返すのと、両方とも裏返す方法があるそうです。

対局を見ていると、カロリーを鱈腹摂取していそうなプヨプヨのお坊さんが、「もっと近くに来い」という感じで手招きし、近付くと椅子まで差し出してくれました。

座って対局を見ていると、今まで普通に動いていたルアが、敵陣三段目に入ったと同時に裏返り、従来の縦横移動に加え、斜め四方向にも一歩ずつ動けるようになったので、これがあの「ルア・ガーイ」かと感動しました。

ここで行われていた対局では、ルア・ガーイに成れるのは、お互い一つのルアだけでした。

このルア・ガーイは、かなり強力な駒で、詰め駒として大きな役割を果たしていたので、終盤にこの駒を失った方が一気に劣勢になっていました。

暑い中、一休みしようと、ぶらり立ち寄ったお寺で、このような変則マックルックの対局を発見できるとは、まさに思いがけない大収穫でした。

タイ将棋「マックルック」販売

TouchChess

Thai Chess & Cambodian Chess (Makruk & Ouk Chatrang)