世界遊戯博物館ブログ

世界遊戯博物館の別館です。

仏法双六・証果増進之図

2016年01月28日 | 日本のゲーム

先日の日曜(1月24日)、台東区の東本願寺(浅草本願寺)で浄土双六が遊べる機会があるというので、参加させて頂きました。


会場で遊んだものは、証果増進之図というもので、マス目には現世や地獄、悟りの段階を表す文字が描かれています。


仏教の世界観が反映された双六を区別するうえで、文字のみのものは仏法双六で、絵が有るものは浄土双六という区分けをされることもあります。

今回の証果増進之図は、仏法双六の類いで、元は初学の僧が天台の名目を覚える為に作られたといわれています。

浄土双六の骰子は「南・無・分・身・諸・仏」の骰子を使うのですが、仏法双六の骰の目は「貪・瞋・痴・戒・定・慧」になっています。


文政六年(1823年)に再刻された証果増進之図の遊戯法によると、裏表のある6本の棒状の賽を振って、その表裏の組合せが目数になるようですが、ここでは「貪・瞋・痴・戒・定・慧」の文字が書かれた6面体サイコロを使いました。

浄土双六と仏法双六の盤面は、人間の迷いと悟りを10種類に分けた十界で構成されているといわれます。


仏法双六のマス目は全部で123あり、各マスに出目による行き先が記してあります。

振り出しの位置は、須弥山の四州の内の南贍部洲(なんせんぶしゅう)となっており、ここから開始となっています。


各自の駒は、厚紙やゲームチップに名前を書いて使用しましたが、本来であれば、基本教義が書かれた花巌、天台、真言、倶舎、成実、法相、三輪、律、禅、浄土の10枚から選んで、それに自分の名前を書くそうです。


骰子の目ですが、「戒・定・慧」はよいマスに進み、「貪・瞋・痴」はよくないマス目に進むようになっています。

一旦地獄の世界に堕ちてしまうと、そこから這い上がるのは難しいのですが、悟りの境地に達すると、あとは上がりに向けて進むようになっています。


実際に遊んでみると、たかが賽の目で進むだけの双六といえど非常に面白く、皆で様々な境地を感じながら楽しく遊べました。

また、収束制が悪いと思われがちな飛び双六ですが、大勢で遊ぶと短時間でも明暗がくっきりと分かれ、そこも面白いと思いました。


仏法双六よりマス目が少なく、それぞれの境地が絵で描かれた浄土双六も別の場所で遊んでみましたが、こちらは意外とすぐに上がれたので、それほど収束制は悪くないと思いました。

悟りの境地に至るか、地獄を彷徨うかは骰子の目次第ですが、解脱した人がいる反面、いつまで経っても地獄で苦しんでいる人がいる所も、このゲームの楽しさだと思います。

やはり、双六は皆で楽しく雑談をしながら遊ぶと面白いので、仏法双六も浄土双六も5~6人位で遊ぶのが適正だと思います。

特に、仏法双六に絵を入れ、庶民向けに遊び易くした浄土双六は、色々な境地が図解で解り易くて面白いので、仏法系双六の入門としてはお勧めです。

明治時代の廃仏毀釈で妻帯肉食によって還俗を迫られるまでは、一部を除いて宗派の垣根は殆ど無く、浄土系以外の禅宗や密教、神仏習合の修験道でも浄土双六は遊ばれていたので、今後、宗派に囚われず原点に戻り、各地の寺院などで浄土双六が遊ばれればいいなと思っています。


賭けずに楽しむ日本の賭博ゲーム (立東舎)

2015年04月30日 | 日本のゲーム


5月15日に立東舎より「賭けずに楽しむ日本の賭博ゲーム (立東舎)」という本が出版されます。

この本は、日本の様々な賭博を図版入りで紹介しているものです。

よく知られた丁半やチンチロリン、どぼんなどの他、チイッパやヨイド、賽本引き、受け将棋、えちょぼ、3人六百間の詳細など、マニアックなものも含めた30種類の賭博遊戯を紹介しています。

全体の構成は、以下のようになっています。

■PART1 サイコロゲーム
チンチロリン/丁半/ちょぼいち/きつね/賽本引き/ヨイド/チィッパ

■PART2 花札ゲーム
こいこい/六百間/むし/えちょぼ

■PART3 地方札ゲーム
おいちょかぶ/京かぶ/かちかち/五枚株/手本引き/くじゅろく/シリンマ

■PART4 トランプゲーム
どぼん/きりふ/オール/ソロ

■PART5 麻雀牌ゲーム
麻雀ポーカー/一通消し/東天紅サンマ/十半/ブー麻雀

■PART6 その他のゲーム
受け将棋/なんこ/モヤ返し

賭博ゲームは、単純な手順を繰り返すものが多いので、ゲーム性を越えた各自の人間性が全て出て来る面白さがあります。
この類いのゲームは、長時間繰り返すことにより妙味が深まるので、友達と一晩中お遊び頂ければと思っています。

発売は5/15ですが、5/5に東京国際展示場(東京ビックサイト)で開催されるゲームマーケットで先行販売致します。

販売場所は、版元のリットーミュージック社のブース(番号A16)で取り扱い、会場特典として、立東舎のロゴ入り・特製「手本引き札」を限定で進呈します。


その他、本に記された日本の賭博ゲームが遊べるイベントが、下記の日程で行われますので、そのチケットもゲームマーケット会場で販売致します。

日時:6/18(水) OPEN 19:00 START 19:30

会場:道玄坂ヒミツキチラボ

東京都渋谷区道玄坂1-22-12 長島第一ビル2F

料金:前売 ¥2,200 当日 ¥2,700

これを機会に、日本の賭博ゲームをチップで楽しく遊んで頂けたらと思っています。

賭けずに楽しむ日本の賭博ゲーム (立東舎)は、アマゾンなどでも予約販売しておりますので、ご興味のある方は是非ともお買い求め下さい。

どうぞよろしくお願い致します。


学研・ムー6月号に「勝負師と運」について寄稿しています

2014年05月09日 | 日本のゲーム

5月9日(金)発売の学研パブリッシングの雑誌「ムー6月号」に、「プロの勝負師が語る運の秘密」という14ページの文を寄稿しています。

内容は、一流のプロ棋士やプロ雀士、プロのバックギャモンプレイヤーなどから、勝負における運に関する話を取材し、運の正体について考察するというものです。

元々、ゲームは、古くは神意や吉凶など、運を見極める為の道具として用いられてきた歴史があります。

また、ゲームをしていると、偶然と解釈するにはあまりに不可解な局面に出くわし、勝負運が一気に変わってしまうこともあります。

また、明らかに引きの強い人がいたり、運不運が波のように移動したりと、運の流れが目に見える形で見て取れるのが、ゲームなどの勝負の世界です。

果たして、運の正体とは一体何か?
勝利の女神と呼ばれるものの正体は?
はたまた、悪運をもたらす不の要素とは何か?

などについて、有名勝負師の事例や、古今東西のゲームの達人にまつわる話から解き明かしているのが、今回の内容です。

チェスのミハイル・タリや、チェッカーのマリオン・ティンズリー、ポーカーアリスなどの伝説的プレイヤーの逸話もありますので、ゲームに興味のある人は必見の内容となっています。

その他、歴史上の強運な勝負師や、勝負師に運をもたらすパワースポットなどについても紹介しています。

お読み頂ければ、運についての意識が高まり、今より運がよくなる事は間違いないと思いますので、ご興味のある方は、是非ともよろしくお願い致します。

ムー 2014年 06月号 [雑誌]


月刊「ムー」1月号に「浄土双六」について寄稿しています

2013年12月10日 | 日本のゲーム


現在、書店などで発売しております学研の月刊「ムー 」2014年 01月号に、「浄土双六」について寄稿しておりますので、ご興味のある方はご覧下さい。

浄土双六は、絵双六の元になったと言われる遊びで、あの世を疑似体験して極楽浄土を目指すというものです。

おそらく。浄土双六が無ければ、道中双六や出世双六などの絵双六や、今の桃太郎電鉄のようなゲームも生まれていなかったと考えられます。

内容では、浄土双六の背景にある、日本人が培ってきた熊野修験などの神仏習合の信仰についても説明しています。

元々、日本人は神と仏が共存し、全ての自然に命が宿るという自然崇拝が結びついた大らかな信仰をもっていました。

しかし、明治政府が西洋のキリスト教を元に日本の宗教を改革した際に、キリスト教の影響を受けたといわれる平田篤胤の国粋主義的な復古神道と、儒学や朱子学、陽明学、国学の影響を受けた尊王主義が結合した儒家神道といった江戸末期に生み出された新しい神道を国教と定めました。

そして、古来の神仏を分断して統廃合し、山岳信仰の修験道や陰陽道などが禁止され、廃仏毀釈で多くの寺社や神仏像が、明治政府の神祇官の命を受けた神職達に打ち壊されました。

これにより、自然を祀った神域や土地の神、無名の怨霊を鎮める為にを祀った祠など、様々な八百万の神も統廃合され、神仏習合を廃して皇室祭祀の場所に生まれ変わった伊勢神宮の下に置かれてしまいました。

更には、古来の氏神や産土神、自然神、祟り神、権現神、明神などが壊されて「記紀神話(古事記と日本書紀)」の神にすり替えられ、全国から多くの祠や神域が消えてしまいました。

因に今ある神社の多くは、明治時代に神仏習合の寺社を壊して祭神を記紀神話の神に入れ替えたものが多く、古代からその場所に記紀の神を祀る神社が存在していたかのように由緒書が書かれています。

現在、日本人で自分は無宗教だという人が多いですが、祖先崇拝に加えて、本来、神仏と自然が一体となった宗派ではない信仰があり、それこそが日本人の持っている宗教観だと思われます。

この宗教観は、東~東南アジア圏にも広くあるもので、政治等と結びついて拡張し、道徳的で異端を認めない窮屈なものではなく、色々な神仏を取り込み、自然を崇拝する大らかな思想があると思います。

そんな、明治以前に持っていた根底となる日本人の信仰(死生観)と浄土双六の関連性について書いておりますので、もしよろしければお読み下さい。


大二札の遊び「数取り」

2012年12月27日 | 日本のゲーム

双天至尊堂・大二札の付属解説書に書かなかった「数取り」という遊びを公開します。

百人一首や犬棒かるた系の簡単な遊びなので、お正月に遊んで頂けたらと思います。

数取り

参加人数・4人

大二札の1と4の特殊札を除いて、鬼と地蔵を加えた40枚で遊びます。
座布団の周りに車座に座ります。
親は札を均等に配り切り、各自10枚を手札にします。
手札は各自、見てはいけません。札を出す時も札は見る事は出来ません。
親から「1」と言って札を表にして出していきます。
右隣の人は「2」と言って札を表にして出していきます。
右隣の人は「3」と言って札を表にして出していきます。
右隣の人は「4」…
という感じに数を数えながら反時計周りに札を出していきます。
数える上限は15または20までです。上限を超えたら、また1から数えます。
その中で、数えている数と、場に出した札の目数が同じ場合は、取ることが出来ます。
札は、誰でも取る権利があり、早いもの勝ちです。
このとき、札を取った人は、場にある札を全部取ることができます。
取った札は、自分の手札に加えて、よく切ります。
札を取った後は、札を取った人から同じように札を出していきます。
お手付き(数を間違えて取ってしまった)した人は、罰として、手札を参加者に1枚ずつ渡します。
場に10枚出しても、取れる札が出ない場合は、札をよく切って各自に戻します。
誰かが手札を無くしたら終了ですが、手札が無くなった人が出て、場に札が残っている場合は、手札を無くした人を除いて続行し、誰かが場札を取ったら終了となります。
最も手札を取った人が勝者となります。
各自手札の枚数を数え、勝った人に手札枚数の差額点を渡して清算します。

特殊札
鬼札…数えている数に関係なく、出された時点で誰でも取ることが出来ます。最後一枚の手札が鬼札の場合は、そこで終了となります。この時、最下位の人は、1枚獲得したことになります。

地蔵札…地蔵札が場に出たら、地蔵札の下の場札を全て参加者に戻します。札は地蔵を出した右隣から1枚ずつ受け取ります(地蔵札は、必ず出した人の右隣の人に渡されます)。
場札は、地蔵を出した人の右隣から順番に受け取れます。
地蔵札は出されたら取ってはいけません。
地蔵札を取った人は、お手つきの対象となり、自分の手札を各自に1枚ずつ配ります。
お手つきの処理が終わった後は、地蔵を出した右隣から1枚ずつ場札を受け取っていきます。
地蔵札は3回出たら、場の外に除外され、使用されなくなります(仏の顔も三度まで)。

※札はカルタらしく、座布団の上にぺしっ!と勢いよく打ち付けましょう。

「双天至尊堂・大二札」

伝統ゲーム紹介「大ニ」編
https://www.youtube.com/watch?v=NkIGY6yuKgM


双天至尊堂カルタ・小松札/大二札販売

2012年12月11日 | 日本のゲーム



双天至尊堂製作の骨牌(カルタ)・「小松札」「大二札」を入手したいという方からの要望が多く、ネットでの販売体制を整えたく思っています。

しかし、WEB製作の環境が変わった(テーブルで組めなくなった)後にHPの製作が滞ってしまい、新バージョンのソフトを入手して一から勉強し直さないとページが作れない状態となってしまいました。

だからといって、そのような悠長なことも言っていられないので、まずこのブログで販売しようと思います。

双天至尊堂・小松札

双天至尊堂・大二札

販売値段は、「小松」が¥2500、「大二」が¥2200となっています。

ゲームマーケットでは入場料を考えて値段を特別価格にしておりますが、ネットでは正規価格で販売したいと思います。

どちらも12Pの解説書付きです。

解説書には「小松札」の「かっくり・ジュウダン・シリンマ」、「大二」の「くじゅろく・京カブ」の遊び方が、その歴史背景と共に紹介されています。

送料は全国一律500円のレターパックを使用してお送りしようと思います。

ご希望の方は、以下の連絡先に氏名、住所、希望の個数などを書いて頂ければ、振込先をお教えしますので、振込が確認でき次第、商品をお送り致します。

当面はこのような感じで、何卒よろしくお願い致します。

※現在は、「世界のゲーム販売」で取り扱っています。


骨牌製作続報

2012年09月14日 | 日本のゲーム

現在、2012年11月18日(日) に開催されるゲームマーケットに向け、日本の伝統的な骨牌(かるた)を製作しています。
札と箱の製作は大体終わりました。

箱はこのような感じになります。

札について、紋標(スート)の識別が困難な絵札には、伝統的なデザインを損ねない形で、判りやすいように紋標を入れました。


解説書は中綴じ冊子のフルカラーで、大二が「くじゅろく」と「京カブ」の解説で8頁、小松が「かっくり」と「ジュウダン」の解説で12頁となっています。
どちらも図版入りで、非常に判りやすいルール解説書になっています。

この解説書は実用的であるだけでなく、資料としても非常に価値があると思います。
別売りにしてもよいくらいなのですが、それぞれの札に付属する形で販売します。

値段は、札の品質と詳細な解説書付きでもう少し高値にしなければ元は取れないのですが、ゲームマーケットでの特別価格と骨牌の普及を考え、大二が2000円、小松が2200円と設定いたしました。

ゲームマーケット後の販売経路を含め、現在、色々と検討しております。

※現在は「世界のゲーム販売」で販売しております。


ドメイン取得と双天至尊堂

2012年06月30日 | 日本のゲーム


ドメインを取得しましたので、世界遊戯博物館のアドレスが変わります。

新しいアドレスは、http://sekaiyugi.com/ です。
もし、リンクして頂いている方がいらっしゃいましたら、お手数ですが、新しい http://sekaiyugi.com/ に変更して頂ければ幸いです。 ならびに、骨牌製作の続報をお伝えします。
花札や骨牌の類いには、商標の札が入っていたりします。
今回、製作している骨牌にも自分の商標札を入れようと思っています。

商標名は「双天至尊堂(そうてんしそんどう)」です。
名前の由来は、牌九や天九をご存知の方ならお解りの通り、天九牌の最強の役名です。
千年の歴史を持つ骨牌(天九牌)は、骨牌(かるた)の語源であるので、先祖帰りの意味もこめて、この屋号を付けました。
2007年より天九牌の遊び方を調べて普及活動を開始し、多くの人に伝え続けてきたので、天九牌に対する想いもあります。

そのほか、札の識別が判断が難しいので、札の識別カードも入れようと思い製作しました。

大二札

小松札

今後は、「双天至尊堂」として骨牌を中心とするゲーム製作をしていこうと思います。

そのような感じで、今後も世界遊戯博物館と双天至尊堂を、どうぞよろしくお願い致します。


骨牌(かるた)製作/2012年04月02日

2012年04月02日 | 日本のゲーム


現在、日本の伝統的な骨牌(かるた)を作っています。

きっかけは、骨牌遊びを遊んだ時に、使用した札が気軽に遊ぶには高価だったことにありました。 消耗品として廉価である筈のカルタが、高価なものでは破損を恐れて遊ぶのにも気を使うし、遊ばなければ保存鑑賞品となってしまい、遊びの道具ではなくなってしまう可能性があると思いました。

そこで、高価な文化財としての骨牌(かるた)ではない、実際に一般の人たちが手軽に遊ぶ用の普及版カルタを作ろうと思い立った訳であります。

素材は、いくら叩き付けても破損する事のない韓国花札のような薄いプラスチックを考えています。

花札をはじめとするカルタは、勢いよく札を打つことが醍醐味の一つであるので、この素材なら思い切り札を叩き付けて遊びを楽しむことが出来ると思います。

版は仕事で使っているイラストレーターを使って製作しました。

このような伝統的ゲームは著作権がないものも一部には有るので、版をそのままトレースし、それを微妙に変えることも可能ですが、今回は元になったカルタの大元である天正カルタの図柄をひも解いて製作しました。

勿論、図柄を全く変えてしまうと、伝統的な地方札としての骨牌とはいえなくなり、価値を感じてもらえなくなってしまうので、天正カルタからひも解いた図柄を、地方札の図柄に近づけるようにして製作する事を心がけました。

製作する骨牌は、地方札の「大二」と「小松」の2つで、なるべく廉価でお届けしようと思っております。

取り敢えず、この2つを製作し、要望があれば他も考えてみようと考えています。

現在、版を作り終え、素材など色々と検討している最中です。


幻のすんくんかるた

2010年02月16日 | 日本のゲーム



2月6日の土曜日、三百年ぶりに「すんくんかるた」が再現されて遊ばれるということで参加してきました。

「すんくんかるた」は、「うんすんかるた(写真画像)」から派生したものです。
48枚の「天正カルタ」から生まれた「うんすんかるた」は、「イス(剣)・コップ(聖杯)・オウル(貨幣)・パオ(棍棒)・グル(巴)」の5紋標(スート)が15枚ずつ、合計75枚あります。

「うんすんかるた」から生まれた「すんくんかるた」は、さらに「矢」の紋標と、ジョーカーの役割を果たす特別なテンカの札が加わった6紋標×16枚+1(特別テンカ)の97枚構成となっています。

「すんくんかるた」を遊ぶ前に、この方面に詳しいゲーム仲間の健部さんが、講師として「すんくんかるた」の歴史と考察を詳しく講義してくれました。
講義が終わり、健部さんが再現した手作りの「すんくんかるた」を使用して、手札12枚の「八人メリ」を4ディール行いました。

札の強さは、スートによって異なるのですが、手作りの「すんくんかるた」は、強さが判り易いように数字でランクが記されていたので、非常に遊びやすかったです。

幻の「すんくんかるた」を三百年ぶりに遊ぶ機会を作って下さった健部さんに、改めてお礼を申し上げたいと思います。


映画 『サマーウォーズ』 と花札

2009年08月01日 | 日本のゲーム


本日より細田守監督のアニメ映画「サマーウォーズ」が、全国で一斉に公開されます。

この映画では、花札の「こいこい」が重要な役割を果たしているということで、先日、「サマーウォーズ」のパンフレットとムック本に使用する花札の記述について取材を受けました。
劇中で登場するのは花札の「こいこい」で、本編中に度々登場するだけでなく、最も重要な場面でも「こいこい」の勝負が行われます。

花札に纏わる部分は劇中のみならず、祖母役の声を花札と因縁浅からぬ大女優・富司純子さんが演じています。

富司純子さんといえば、仁侠映画・緋牡丹博徒シリーズで女渡世人として全国の賭場を渡り歩く役を演じており、『緋牡丹博徒・花札勝負』等、花札が表題になっている映画にも出演していることから、花札と実に縁が深い女優であると言えるでしょう。

映画「サマーウォーズ」では、日本の伝統的な文化や生活習俗、風土などがノスタルジックに描かれており、その中で、日本の遊び文化という装置の役割で「花札」が登場しています。
この映画によって、日本の遊びである「花札」に注目が集まり、多くの人々に遊ばれるようになることを願っています。

サマーウォーズ公式サイト

「サマーウォーズ」 劇場用予告

https://www.youtube.com/watch?v=2Wi2lb1sVk8


凄く面白い東八拳

2009年04月13日 | 日本のゲーム

四月十二日(日)に、「日本東八拳技睦会」に御邪魔させて頂き、「東八拳(とうはちけん)」を体験してまいりました。

この「東八拳」は江戸時代より伝わるじゃんけんの一種で、「狐」「鉄砲」「庄屋」 の拳(けん)を出し、どちらかが三回続けて勝利したら勝ちとなります。

拳の強さは、「狐<鉄砲<庄屋<狐」という三竦みになっていて、それぞれ両手で拳の形を作ります。

三回続けて勝つまで拳の出し合いは続くので、途中で負けたり相子(あいこ)になった場合には、今までの勝ちは取り消され、振り出しに戻ります。

三回続けて勝ったら、手をパンと叩く〆(しめ)の動作をして勝負を終了させます。
この〆の動作を忘れたら勝ちとならず、また一からやり直しと成ります。

三回連続して勝つまで勝負は延々と続くので、勢い勝負は白熱し、非常に戦慄的で、刺激と興奮に満ちた展開となっていきます。

実際に遊んだ感想は、「凄く面白かった!」の一言に尽きます!

「東八拳」は、相手の思考を読む頭脳遊戯の側面だけでなく、相手の動きに瞬時に対応して手の形を作るなど、スポーツ競技の趣があり、以前に嗜んでいた剣道に非常に近いものを感じました。
また、勝負が決した後に、勝負を終わらせる〆の動作なども、剣道の「残心」を決める様と共通しており、同じ日本文化の香りが感じられました。

「東八拳」は、かつては大流行し、興行として人気を博していたそうです。
競技性の高さから観ていても充分楽しめるものなので、興行として成り立ち、人気が有ったのも頷ける話です。

これだけ面白い遊びが、現在ではあまり遊ばれていないのは勿体無さ過ぎるので、これからゲーム会などで親決めをする時は、この「東八拳」を採用したいと思っています。

「東八拳」は、5月31日(日)に浅草の産業会館で開催される「ゲームマーケット2009」で体験することが出来ますので、この面白い遊びを多くの人に遊んで頂きたく思っております。

最後に、初心者の我々を暖かく迎えて丁寧に指導して下さった「日本東八拳技睦会」の皆様に厚い御礼を申し上げます。


「中将棋」と「うんすんかるた」

2009年01月12日 | 日本のゲーム


昨日、友人の主催する「世界遊戯倶楽部・思宴会」「500ラミー大会」に参加してきました。

その他、花札赤蛙青蛙」や「こいこい」、ナポレオンを遊びました。
そして、熊本県の人吉市に伝わる「うんすんかるた」の「八人メリ」でも遊ぶことが出来ました。

また、本日はゲーム友達でドラフツ日本代表監督の馬形進さんのお誘いで、「中将棋」の大会にお邪魔させて頂きました。
最初は、あまりの駒の多さに、全部憶えて遊べるのか自信がなかったのですが、対戦するうちに自然と憶えることが出来ました。
中将棋の駒で、1手番で2回動かせる「獅子」という駒があり、目の前の駒を取ってまた元の位置に戻る「居食い」という離れ業がとても強烈でした。
この「獅子」の駒が、中将棋をかなり面白いものにしていると個人的に思いました。
これは本当に面白く、世界でも例を見ない駒が盛り沢山の将棋なので、是非ともまた遊びたいと思っております。

中将棋で遊びたい方は「日本中将棋連盟」にて遊ぶことが出来ます。


「中将棋」と「うんすんかるた」

2009年01月12日 | 日本のゲーム


昨日、友人の主催する「世界遊戯倶楽部・思宴会」「500ラミー大会」に参加してきました。

その他、花札赤蛙青蛙」や「こいこい」、ナポレオンを遊びました。
そして、熊本県の人吉市に伝わる「うんすんかるた」の「八人メリ」でも遊ぶことが出来ました。

また、本日はゲーム友達でドラフツ日本代表監督の馬形進さんのお誘いで、「中将棋」の大会にお邪魔させて頂きました。
最初は、あまりの駒の多さに、全部憶えて遊べるのか自信がなかったのですが、対戦するうちに自然と憶えることが出来ました。
中将棋の駒で、1手番で2回動かせる「獅子」という駒があり、目の前の駒を取ってまた元の位置に戻る「居食い」という離れ業がとても強烈でした。
この「獅子」の駒が、中将棋をかなり面白いものにしていると個人的に思いました。
これは本当に面白く、世界でも例を見ない駒が盛り沢山の将棋なので、是非ともまた遊びたいと思っております。

中将棋で遊びたい方は「日本中将棋連盟」にて遊ぶことが出来ます。


今年の遊戯目標

2009年01月08日 | 日本のゲーム


明けましておめでとうございます。

今年の自分のゲームと「世界遊戯博物館」に関する目標は、日本の伝統ゲームをさらに追求して普及させることです。
その為に、「世界の伝統ゲーム」の他に、「日本の伝統ゲーム」という項目を作ろうと思います。

今までそのような項目を作らなかったのは、花札など日本の遊戯を研究している人が多く、そのような先達の方々に遠慮したのと、皆が日本の遊びをある程度知っていると思っていたからでした。
しかし、世代的に意外と日本の遊びを知らない人が増えてきたようで、これは憂慮すべき事態かもしれないと思い、多くの人に認識させなければと思い始めました。

国際化が叫ばれる現在ですが、本当の国際化とは、外国の文化にに合わせることではなく、自国の文化を認識し、その上で異文化を尊重して触れ合うことであると思います。

斯く言う自分も知らないことが多いので、色々と調べて身につけ、多くの人に普及させて行きたいと思っています。
まず実技の最初の目標としては、長年手を出さなかった囲碁を身につけようと思います。

また、花札を始めとするカルタ遊びや、様々な将棋類でも多く遊んでいこうと思っています。
勿論日本のゲームだけでなく、世界中の様々なゲームを通して、国内外の多くの人々と楽しい時間を共有し、多くの文化を知る機会を持ちたいと思っています。

その為に、各国の国民的なゲーム(ドイツのスカート、ロシアのプレファランス、中国の八十分、イタリアのスコポーネなど)もやり込みたいと思っています。
そのような感じで、今年もどうぞよろしくお願い致します。

※画像は花札「赤蛙青蛙」です。