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2011年 第一回全日本牌九選手権 結果

2011年09月09日 | 中国骨牌(天九牌)

前回投稿の「2011年 全日本牌九選手権」の続きです。
今回は、2011年8月27~28日に行われた第一回全日本牌九選手権の結果発表です。

■全日本牌九選手権/1R(23~24:00) 持ち点1000 最大投入100 最小投入10
1位・Nさん…+370
2位・oecさん…+140
3位・yauさん…-30
4位・私…-70
5位・Yさん…-150
6位・Mさん…-180
7位・Iさん…-190
※1R首位・Nさん
※総合順位 N(+370)>oec(+140)>yau(-30)>私(-70)>Y(-150)>M(-180)>I(-190)

■全日本牌九選手権/2R(12:30~1:30) 持ち点1000 最大投入100 最小投入10
1位・Yさん…+380
2位・Nさん…+330
3位・Kさん(特別参加)…+250
4位・私…+120
5位・yauさん…-180
6位・Mさん…-250
7位・oecさん…-280
8位・Iさん…-370
※2R首位・Yさん
※総合順位 N(+700)>Y(+230)>私(+50)>oec(-140)>yau(-210)>M(-430)>I(-560)

■全日本牌九選手権/3R(2:00~3:00) 持ち点1000 最大投入100 最小投入10
1位・私…+120
2位・oecさん…+100
3位・yauさん…+60
4位・Iさん…+40
5位・Nさん…+20
6位・Yさん…0
7位・Mさん…-440
※3R首位・私
※総合順位 N(+720)>Y(+230)>私(+170)>oec(-40)>yau(-150)>I(-520)>M(-870)

■全日本牌九選手権/4R(3:30~4:30) 持ち点1000 最大投入150 最小投入10
1位・Mさん…+750
2位・私…+230
3位・yauさん…+160
4位・Nさん…+110
5位・Yさん…+60
6位・Iさん…-460
7位・oecさん…-850
※4R首位・Mさん
※総合順位 N(+830)>私(+400)>Y(+290)>yau(+10)>M(-100)>oec(-890)>I(-980)

■全日本牌九選手権/最終5R(5:00~6:00) 持ち点1500 最大投入200 最小投入10
1位・Nさん…+850
2位・私…+770
3位・oecさん…+400
4位・yauさん…+70
5位・Iさん…-70
6位・Yさん…-760
7位・Mさん…-1270
※5R首位・Nさん
※最終順位 N(+1680)>私(+1170)>yau(+80)>Y(-470)>oec(-490)>I(-1050)>M(-1370)

■第一回・全日本牌九選手権 最終結果発表
1位・Nさん(+1680)
2位・私(+1170) 
3位・yauさん(+80)
4位・Yさん(-470)
5位・oecさん(-490)
6位・Iさん(-1050)
7位・Mさん(-1370)
※各ラウンドのトップ賞(Nさん2回、私1回、Yさん1回、Mさん1回)

という結果で、第一回・全日本牌九選手権の優勝者はNさんになりました。

Nさんは、すべてのラウンドでプラスの成績を収めており、張り方は小額チップをコツコツと張っていく堅実な方法でした。
2位の私も同じく、小額をコツコツと賭けていく方法で、逆に順位が下の人は、流れを得ようと毎回大きな額のチップを張っていく傾向にありました。
前回、牌九の得点を競ったときも、毎回小額を張り続けたNさんが、同じように最終得点で1位になっていましたので、この辺りに、牌九の勝利のヒントが隠されているのかもしれません。
この結果は面白く、Nさん、Mさん、yauさん等、同じメンバーで以前に牌九の試合をした時も、1位Nさん、2位私でプラス。3位がyauで4位がMさんという結果が残っています。
しかし、これはあくまで試合形式の話で、澳門でのMさんの成績は良く、大きく勝ち越して帰る事も多いので、いつでも席を離れられる実戦と、時間制の今回の試合では、様相が異なる面もあると思われます。

また、確率的に中々出現しないといわれる至尊が、試合中に5回ほど出現していました。
個人的に思うのですが、このような種類の賭博遊戯では一発勝負的な要素が強く、個々の運の見極めが最重要で、数字の確率的根拠はあまり該当しないのではないかと思います。

毎回の開牌では、oecさんが雙翼齊飛をロボットと言っていたのに、一同大爆笑でした。
やがて牌九が麻雀のように普及すれば、このような日本式呼び名の開牌も生まれてくるのでしょう。

第二回全日本牌九選手権は澳門で開催しようという計画もありますが、一般的なカジノで牌九の試合を行うならば、全員の持ち額を同じにし、時間を決めるなどの試合形式を設定しないと成り立たないので難しいですが、選手の参加が可能なら考えてみたいと思っています。

牌九は同じ骨牌を使う天九よりも単純で、ゲーム性に乏しいという声が、一部のゲーム愛好家の間から聞かれますが、一度牌九を長時間経験してもらえば、ゲーム性を超えたそれぞれの人間性が垣間見えるので、その奥深い面白さに気付いてもらえると思います。

今後も機会があれば、年に一度の牌九選手権試合を開催していこうと思っています。

Chinese Domino

Pai Gow


2011年 全日本牌九選手権

2011年08月30日 | 中国骨牌(天九牌)


2011年8月27~28日にかけて、都内某所で第一回・全日本牌九選手権が開催されました。

この牌九選手権は、日本全土に散らばる牌九打ちが一堂に会し、試合形式で勝敗順位を競うというものです。

全日本選手権といいましても、牌九を打った経験のある人なら判るように、牌九のようなゲームでトーナメントや選手権試合はありえないので、今回は参加者全員の持ち点を決め、ラウンド制にして試合形式として無理やり成り立たせました。

また、運の要素が圧倒的に強い牌九のようなゲームは、実力の計測が不可能で、選抜試合で強豪をエントリーすること自体がマヌケな事なので、主に澳門を主戦場にしている牌九愛好家を中心に参加者を集めました。

恐らく、今まで本当に牌九の選手権が開催されたことは無く、選手権と呼ばれる下らない催しも、今回の日本でしか行われていないと思われるので、実質上の世界チャンピオンを決める大会といっていいでしょう。

ですので、優勝者は全日本牌九選手権者、または牌九世界選手権者を肩書きにすることが出来ます。
もっとも、牌九の認知度の低い日本では、その肩書きが通用するでしょうが、牌九が盛んな地域でその肩書きを名乗ったら馬鹿にされそうな気がします。

今後、確信犯的なホラで牌九選手権者を名乗っても、日本では牌九という博打が知られていない故に、間に受ける人が多く、それが商売的な肩書きに繋がってしまうので、今回の全日本選手権はある意味チャンスの場であるともいえます。

多くの人は世界や全日本などの肩書きに弱いので、今回優勝したら、この肩書を存分に活かして活動していこうと思います。(※思っていませんので、ご安心ください)

試合の形式は以下の通りです。

■第一回全日本牌九選手権規定

●ゲームのルール自体は、一般的に行われている牌九でプレイする。
●ディーラーは、洗牌して牌を組み上げ、親の指示する開牌をし、牌を配るのみで、プレイには参加しない。
●親は回り親で、反時計回りの順番で移動するが、 意志があれば何度でも連続することができる。
●前回、親を務めた人が、次回のディーラーとなる。
●5ラウンド制で、1ラウンドは60分。
●各ラウンド終了後に30分の休憩。
●各自の手持ちは、ラウンドごとに制限があり、1~4Rは1000チップ、5Rが1500チップ。
●ラウンド中に参加者が手持ちを失った時点で、その参加者は終了となり、ディーラーに専念する。
●子の張りが、親の手持ち以上になった場合は、各自で調節して親の手持ちを超えないようにする。
●子の投入額は、最低が10チップ、最高が100~200チップ。
具体的な最高額は、1~3Rが100チップ、4Rが150チップ、5Rが200チップ。

21時に集合し、22時に試合開始という予定でしたが、名古屋から参加のMさんが、当日の新幹線の都合で遅れることに。
更に軽い酒盛りが始まり、その後にルール説明と開牌の説明をしたので、開始は一時間後れの23時になってしまいました。

参加者は総勢8名。

参加選手各自の紹介をしますと、

Mさん…澳門でもっぱら牌九専門の打ち手。毎回、出稼ぎと称して澳門に出張
Nさん…Mさんの先輩で3度訪澳し牌九を打つ。牌九の他に大小を好む
Yさん…澳門の回力娯楽場でMさんと遭遇し意気投合。牌九は澳門の実戦で覚えたという兵
Iさん…かなりの麻雀の打ち手。その他、伝統からドイツゲームまで幅広くこなす
yauさん…あらゆるゲームを好み、牌九を打つときには必ずいる貴重な面子
oecさん…様々なゲームプレイに飽き足らず、様々な新作ゲームを開発。花賽の作者
Kさん…牌九の勉強とのことで急遽参加
私…説明省略

という感じで、Kさんのみは、翌日のっぴきならない用事があるということなので、2Rのみの参加となりました。

なので、Kさんを除いた参加者7人の総合得点(1~5R)で、牌九の全日本チャンピオンの座を競うことになります。

試合時間は以下の通りで行われました。

1R 23~24:00
(休憩30分)
2R 0:30~1:30
(休憩30分)
3R 2:00~3:00
(休憩30分)
4R 3:30~4:30
(休憩30分)
5R 5:00~6:00

長くなったので、続きはまた後日に。


日本における牌九用語の転訛

2011年07月17日 | 中国骨牌(天九牌)

最近、牌九に興味を持っており、実際にやってみたいという方とよく出会います。

そのような方々は、ルールを下調べしていながら、遊ぶ機会がないのでカジノで実戦をするには若干の不安があるという方が多く感じられます。

そのように、牌九に興味を持ち、ある程度調べた人から聞いて判ったことは、日本で耳目に触れる牌九用語の殆んどが、英語の文字表記のカタカナ読みが元になっているということです。

つまり、以下の米国の牌九紹介サイト(http://www.paigow.com/)にあるような、
Gee Joon, Teen, Day, Yun, Gor, Mooy, Chong, Bon, Foo, ping, Tit・Look
Chop Gow, Chop Bot, Chop Chit, Chop Ng
といった英語表記の牌九用語が元になっていると思われます。


そのような英語表記を由来とした牌九用語が、日本でカタカナ語として更に転訛していると思われるので、実際に現地で役立つと思われる元の広東語の読み方と漢字を紹介してみようと思います。

まず比べて見て判ったのですが、英語の表記を見ると、広東語の発音の「a」が「o」、「ii」が「ee」になっています。これは、英語でアウトが「out」と表記される感じなのでしょうか。
実際に英語圏で、元の広東語由来の牌九用語がどのように発音されているかは知りませんが、youtubeにある「Pai Gow Poker」を見ると、「Pai Gow」と表記されて「パイガオ」と転訛しているようです。

この転訛の歴史は個人的に面白く感じるので、以下に記してみます。

まず、元の漢字表記と実際に聞こえる広東語の牌九用語をカタカナで記し、牌九の英語表記と広東語のローマ字表記(ライ式)を比べ、更にカタカナ語に転訛されて一部で呼ばれている用語を記したいと思います。

■「牌九(パイガウ)」pai gau(広東語表記)→pai gow(英語表記)→パイゴウ(カタカナ転訛)

■牌九・文牌
「天(ティン)」 tin(広東語表記)→ teen(英語表記)→ティーン(カタカナ転訛) 
「地(デイ)」 dei(広東語表記)→ day(英語表記)→転訛なし
「人(ヤン)」 yan(広東語表記)→ yun(英語表記)→ユン(カタカナ転訛) 
「鵝(オ+アのような音)」 ngo(広東語表記)→ gor(英語表記)→ゴア(カタカナ転訛) 
「梅(ムイ)」 mui(広東語表記)→ mooy(英語表記)→モーイ(カタカナ転訛) 
「長(チャン)」 cheung(広東語表記)→ chong(英語表記)→チョン(カタカナ転訛) 
「板(バーン)」 baan(広東語表記) → bon(英語表記)→ボン(カタカナ転訛)
「斧・虎(フゥ)」 fu(広東語表記) → foo(英語表記)→フー(カタカナ転訛)  
「屏(ピン)」 ping(広東語表記) → ping(英語表記)→転訛なし
(漢字・広東語表記不明) → tit(英語表記)→ティット(カタカナ転訛)
「六(ロッ)」 luk(広東語表記) → look(英語表記)→ルーク(カタカナ転訛)

※文牌の「高脚七・幺一」と呼ばれる牌の英語表記「tit」の語源が漢字で何なのか判りません。
広東語で「tit」というローマ字表記、鐵(ティッ)も浮かびましたが、中華圏の多くの文献には見当たりません。
高脚七は目が7つの牌なので、広東語の「七(chat)チャッ」が語源となって「tit」と表記されたかと思ったのですが、雑七(Jaap Chat)の牌が(Chop Chit)と表記されているので、七はTitではないようです。
このブログをご覧の方で、tit(高脚七の英語表記)の語源を知っている方がいらっしゃいましたら、お教え頂けましたら幸いです。

■牌九・武牌
「雑九(ザッガウ)」 Jaap Gau(広東語表記)→Chop Gow(英語表記)→チョップ・ガウ(転訛)
「雑八(ザッバー)」 Jaap Baat(広東語表記)→Chop Bot(英語表記)→チョップ・ボット(転訛)
「雑七(ザッチャッ)」Jaap Chat(広東語表記)→Chop Chit(英語表記)→チョップ・チット(転訛)
「雑五(ザッンー)」 Jaap Ng(広東語表記)→Chop Ng(英語表記)→チョップ・グ(転訛)

■牌九・役名
「至尊(ジイジュン)」 zi jun(広東語表記)→ jee joon(英語表記)→ジ・ジュン(転訛)
「寶(ボウ)」 bou(広東語表記)→ bo(英語表記)→ボー(カタカナ転訛)
「王(ウォン)」 wong(広東語表記)→ wong(英語表記)→ウォング(カタカナ転訛)
「槓(ゴン)」 gong(広東語表記)→ gong(英語表記)→ゴング(カタカナ転訛)
「天王(ティンウォン)」 tin wong(広東語表記)→ teen wong(英語表記)→ティーン・ウォング
「地王(デイウォン)」 dei wong(広東語表記)→ day wong(英語表記)→デイ・ウォング
「天槓(ティンゴン)」 tin gong(広東語表記)→ teen gong(英語表記)→ティーン・ゴング
「天高九(ティンゴウガウ)」 tin gou gau(広東語表記)→High Nines(英語用語)→ティーン・ガオ
「地高九(デイゴウガウ)」 dei gou gau(広東語表記)→High Nines(英語用語)→デイ・ガオ

以上のように、広東語発音が英語で表記され、それがカタカナ語として変化し、それが日本で使われる牌九用語になっているのが判ると思います。

これは、上記の様に英語の資料を元にした為であると思われます。

牌九の用語は、漢字で覚えたほうが理解が早いので、これから牌九を始めようとしている方は、漢字で用語を覚えることをお勧めいたします。

Chinese Domino

Pai Gow


天九紙牌

2010年04月15日 | 中国骨牌(天九牌)

天九会を度々主催している天九仲間のFワラさんが、初心者だけでも天九が楽しめるよう天九の紙牌を制作し、そのテストプレイを本日・4月15日、新宿のゲームスペース柏木でしてまいりました。

天九紙牌は、紙牌に天九の目と共に、名前と強さの順位、牌の種類が書かれているというものです。
これにより、牌の名前と種類、強さが一目瞭然になり、初心者でもすぐに遊ぶことが可能になります。
遊び方を覚えたら、実際に牌を使うことが出来るようになるので、天九の導入としては最適な牌だと思います。

この天九紙牌の制作の模様は、Fワラさんのブログに紹介されています。
5月30日(日曜日)のゲームマーケットから発売開始ですので、天九を覚えたい方にはオススメです!

本日は、天九紙牌の試作プレイだけでなく、実際の天九牌を使っての東南戦もしっかりと遊びました。

各自25チップ持ちで、結果は南場の東でワタシが連庄し、F田さんがチップを全額失い終了となりました。

1位 ワタシ +39
2位 Yイチ +25
3位 Fワラ -5
4位 F田  トビ

前回の天九の会は、3月25日(木曜)19時~新宿の柏木で行われ、初心者4人に新たに広めることが出来ました。
今後も天九の会を催していきますので、ご興味のある方は一から丁寧にお教え致しますので、ご連絡頂けましたら幸いです。

※天九のルール詳細は、アジアゲーム読本-第1集 中国骨牌・天九牌/韓国花札・花闘-に掲載されています。


天九の会(再)と二人天九

2010年03月05日 | 中国骨牌(天九牌)
先日に引き続いて、再びFさんが天九の会を主催したので、3月2日の火曜日に柏木に行って天九を打ってきました。

今回は八人が集まり、2卓で遊ぶことができました。

天九は麻雀のように4人で一定時間(半荘1時間程・全荘2時間程)遊ぶので、人数の調整が4人単位で揃わないと難しい面がありました。

今回も参加を表明していた人以外に何人集まるか判らなかったので、不安な面もありましたが、八人という4の倍数人数が集まり、事なきを得ました。

途中、終電の都合で2人が抜けたので、半荘を始めた4人以外の余った二人で、何とか二人天九が出来ないかと模索をしました。

まず手牌を半分の16枚から試そうとしましたが、手牌が片方に偏った場合は勝つのが困難になるので却下しましたが、手牌が全部配られ相手が何を持っているか分かるので、完全情報ゲームとしても面白みはありました。

また、香港の紙牌「十五湖」の十五枚取ったら勝ちになる「十五湖」という遊び方を適用して、先に半数以上の牌を取った方の勝ちというルールも試みましたが、上記と同じ理由で却下となりました。

徐々に手牌の枚数を減らして試したところ、結局、4人で遊ぶ天九と同じく、8枚をお互いの手牌とするのが一番シックリときました。
使用しなかった16枚の牌は王牌として残し、後半戦に使用するのですが、前半戦でトリックを取った牌は開示されているので、後半は相手の牌を読むことが出来るのも面白みの一つです。

基準点は4人のときが4なので、二人の場合は7として、一棟も取れなかった場合の罰則は-2としました。
これが以外に面白く、半荘戦を終えたFさんも試してみたところ、大絶賛でした。

この二人天九は、初心者に教えるにも調度良く、4人にあぶれてしまった人が出てもうまく納まるので、今後は人数を気にすることなく人を集めることができると思いました。

今後も天九の会を定期的に開催していきますので、ご興味のある方はご連絡頂けましたら幸いです。


新宿ゲームスペース柏木で「天九の会」・その2

2010年01月30日 | 中国骨牌(天九牌)

前回の続きで、休憩後に始めた半荘戦の模様です。

この半荘戦が実に劇的な幕切れとなり、天九の持つ逆転劇の面白さを味わうこととなりました。

オーラス前の「南場の西」で勝利したワタシは、最後である「南場の南」の庄をもぎ取り、ノリに乗っていました。
この時点で1位のFさんと2位のワタシの差は20程で、一回勝って連庄すれば、必ず逆転できる位置にいました。

そして、南場の南を開始すると、ワタシの快進撃が始まり、連庄に継ぐ連庄で、3回目の庄を始める頃にはチップをうずたかく積み上げ、2位のFさんに逆転不可能と思わせるに充分な大差をつけて、偉そうに勝ち誇っていました。

南場の南・3本場に配られた手牌は、文牌の「至尊(ジイズン)」である「銅錘六(トンチュイリョウ)」の対子と、文武混合牌の「人七」、武牌の高ランク牌である「雑八」と、連庄勝ち点4倍で、さらに連庄を確信させる絶好の配牌でした。

そして、第一手で自身満々に文牌の「至尊」を出したところ、下家のFさんもNさんも勝てないと牌を裏返して出し、幸先よく「尊銭(ズンチェン・至尊を出して勝利したときに受け取るボーナス点)」を受け取り勝ち点を増やそうと思っていたら…

なんと!次順のYに「擒尊(チンズン・銅錘六の至尊を「高七脚の対子」で捕まえること)」されてしまいました。

そこでYに払った尊銭は連庄していたので4倍の8点!

そして、さらに打ち出し権を得たYが出したのが、なんと武牌の至尊!
ここでもYに尊銭を連庄の4倍=8点払うハメに…

さらに勢いに乗るYは最強の牌である「天」を出して続けてトリックを取ると、「梅花」の対子を出し「七支結(7トリック連続取ると2倍の勝ちが確定する)」を決めてしまいました。

七支結で勝ちが確定したら、後は「八支結」になるかどうかの消化試合を残り1枚の手牌で行います。
ここで勝つと、4倍の勝ち点が貰える八支結となるのですが…

なんと、Yの出した牌は「武牌」の中で2番目に弱い「雑五」!

これなら誰かが勝てると思いきや、誰も出せずに「墊牌(ディエンパイ・勝てない牌を出すとき、裏返して出すこと)」ばかり。
雑八と雑七を手に持っていたワタシも、途中で出してしまったので勝つことが出来ず、結局Yは八支結を確定させてしまいました。

1トリックも取ってなく敗れたワタシは、(0トリック)-(基準点4)-1(罰則点)=5点に、連庄の4倍、そしてさらに八支結の4倍が追加され、5×4×4=80点のマイナスを払うハメになってしまいました…

結果は、

1位 Y   +109(209点)
2位 Fさん +10(110点)
3位 ワタシ -46(54点)
4位 Nさん -73(27点)

となりました。
この局でワタシが失った得点は、2回の尊銭(しかも4倍)・16と負け点・80、合計96点という、最初の手持ち(100)と変わらない額を一気に吐き出してしまいました。
オーラスで、こんな大逆転が待ち受けているとは思わなかっただけに、失望感と虚脱感に一気に見舞われてしまいました。

最後の最期でも一発大逆転が可能で、勝負の行方が判らない「天九」は、改めて面白いゲームだなと実感しました。

※天九のルール詳細は、アジアゲーム読本-第1集 中国骨牌・天九牌/韓国花札・花闘-に掲載されています。


新宿ゲームスペース柏木で「天九の会」・その1

2010年01月29日 | 中国骨牌(天九牌)

ボードゲーム・「トラッカーズ」と、カードゲーム・「バスストップ」の作者であるFさんが、天九を遊ぼうという会を企画したので、会場の新宿・ゲームスペース柏木で、天九を堪能してきました。

今回はこじんまりと遊ぼうということで、4人で天九のみを遊びました。

シンガポールの骨董屋で買ったというFさんの天九牌は、とても素晴らしい逸品でした。
手牌を縦に8枚立てて使うので、立ちやすい厚めの造りになっており、牌をかき混ぜやすくするために、牌面が滑りやすくなっていて、とても使い易かったです。

参加者はFさんの他、何度か一緒に天九を楽しんだことのあるNさん、Y、ワタシの4人です。
ルールは、東・南・西・北の全荘戦で、庄(親)が勝った場合はその場風のまま連庄しするというものです。

各自300点を持ち、早速競技開始です!

皆、天九に慣れており、Nさんは澳門で牌九(パイガウ)の経験もあるので、牌の強さはバッチリ把握しており、スムーズに場が進行していきました。

東・南・西・北の全庄の1局は、大体2時間15~20分ほどでした。

結果は、
1位・Fさん +41点(341点)
2位・ワタシ +11点(311点)
3位・Y   -38点(262点)
4位・Nさん -44点(256点)

となりました。各自の点数を差し引きして合計が合いませんが、まあそうなってしまったので、そのままという感じです。

しばらく休憩と雑談を挟み、今度は手持ちを100にして半荘戦の開始したのですが、ここでは天九の連庄ルールが持つ、何とも恐ろしく劇的な展開が待ち受けていたのです…(続く)


遊戯史学会で天九牌について講演

2009年11月29日 | 中国骨牌(天九牌)

講演することに慣れていないので、段取りが悪く、かなりテンパった講演となってしまい、反省することしきりであります。

また、骨牌に素養のない人には、少々マニアックな話をしてしまい、解らなかった面もあると思いますので、申し訳なく思っております。

今回、告知をして下さった方、わざわざお越し頂いた方々、実演をお手伝い頂いた方々に、この場を借りてお礼申し上げたいと思います。

本当にどうもありがとうございました。


牌九強化合宿・その3 (二日目)

2009年09月15日 | 中国骨牌(天九牌)

合宿二日目、皆さん昨夜遅くまで牌九に熱中していたので、起床が昼頃になってしまいました。

昼食時間に朝食を食べ、軽く雑談をした後、早速牌九をしようということになりました。

昨夜は親が固定の公庄ルールで行いましたが、今回は全員が親を務める回り親方式で遊ぶことにしました。
手持ちは昨夜と同じく2400で、親は各自「東・南・西・北」4回の場を務め、風が変わるごとに、最低投入額が100ずつ増えていくということで話がまとまりました。

まず仮親がサイコロを振り、出目を反時計回りに数え、止まった位置の人が再びサイコロを振ります。
そして、出目を反時計回りに数え、止まった位置の人が最初の親(東場の東)になり、勝負開始です。

まず、子はチップを自分の前に置きます。
今回は、最低投入額が東場は100、南場は200、西場は300、北場は400となっています。

子が賭け終わったら、親の対面が牌を4段8列に組み、親が牌を取り出す位置を示す「開牌」を決め、対面の人に伝えます。
親はサイコロを振り、出目数を反時計回りに数え、止まった場所の人から開牌に従い牌を4枚ずつ取っていきます。

各自、4枚の牌を手にしたら、牌を「強い手」と「弱い手」の2組に分けて、親の2組の牌と勝負です。

今回は回り親なので、分け牌に地庄マーカーを使用しました。

牌を4段8列に組んだり、開牌を示したり、地庄マーカーの上で分け牌をしたりと、昨夜と違って各自することが増えたので、皆さん戸惑いながら勝負は進んでいきました。

勝負は、北場の南でYがチップを失い、終了となりました。

牌九・地庄戦 第一局
1位 N +2500(4900)
2位 私 +400 (2800)
3位 M -600 (1800)
4位 Y -2400(0)

やはり皆さん、今回親を務めるのが初めてなので、親の分け牌に時間が掛かり、長時間の勝負となってしまいましたが、進行するにしたがって、開牌も分け牌もスムーズになっていきました。

軽く勝負を振り返った後、今度は手持ちを2500にして、すぐさま第二局目の開始です。
二局目は、皆さん開牌も新しいものを指定したり、お互いの手を検証しあったりと、余裕が生まれてきました。
それと、分け牌が早くなり、東・南・西・北の勝負が先ほどの半分の時間で終了してしまいました。
技術も向上したようで、今回は各自が良い勝負で、途中でチップを失うことなく全荘が終了しました。

牌九・地庄戦 第二局
1位 N +1500(3900)
2位 私 +300 (2700)
3位 Y +200 (2600)
4位 M -1100(1300)

皆さん分け牌に悩みに悩んで頭を使いすぎたせいか、流石に疲れたようで、少し休憩ということで卓を離れて雑談時間になりました。

文量も考え、続きは後日ということで…

アジアゲーム読本-第1集 中国骨牌・天九牌/韓国花札・花闘-


牌九強化合宿・その2 (初日の牌九)

2009年09月14日 | 中国骨牌(天九牌)

大小の勝負が終わり、しばらく大小談義になりました。
Mさんがネットで知り合ったという人で、「大小の目はレバーで操作しているから、大小とは親との心理戦だ」と言う人がいたという話を聞き、「胴元(カジノ側)はそんなことをしなくても儲かる仕組みになっているんだから、客の信用を失うことをわざわざする訳がない」、「そんな不正カジノがあったら口コミで誰も行かなくなる」、「あまりに深夜特急の内容を真に受けすぎではないのか」などと語り合いました。

そして次はいよいよ牌九をしようということになりました。
皆さん牌九の牌の強さの序列(天>地>人>和>梅>板>長三>斧頭>紅頭十>高脚七>銅錘六)は頭に入っているので、早速実戦ということで、今回の規定について話し合いました。

遊び方は、親固定で常に子と勝負をするという公庄形式で、娯楽場(カジノ)の牌九と同じく牌を配りきり、とにかく数を繰り返すということになりました。
各自の持ちチップは、同じく2400で、1回の最低ベッド額が100と、大小の時と全く同じ設定です。

一応、今回は皆さんに練習して頂くということで、私が常に親になりました。
毎回牌を取り出す位置である「開牌」も私が決め、サイコロも私が振るという具合です。
カジノ側の庄(親)が、牌を開くときに使う「公庄のマーカー」も勿論使用します。

最初の頃は、澳門の回力娯楽場(ハイアライ)や葡京娯楽場(リスボア)で牌九の経験があるMさん以外は、牌を分けるのにかなり手間取っていましたが、回数が進むに従い、良い手や悪い手が来た場合は、問答無用という感じで即断で牌を分けられるようになっていました。

また、牌九初心者は、4つの牌を両手に並べて広げてしまう傾向があり、これだと相手(庄)に手を見られてしまう可能性があるので、牌九に馴れた中国人がやるように、片手に牌を縦に4つ重ねて持ち、もう片方の手でパチパチとこまめに開いて確認する方法を教えたところ、皆さん繰り返すうちに、段々とその様が板につくようになりました。

数えるのが面倒なほど勝負を繰り返し、Nさんがチップを失い、取りあえず今日は終了ということになりましたが、気が付くと、3時間ほどやっていたのか、時間は午前2時半を回っていました。

結果ですが、やはり経験の差を反映した結果となりました。

M 2200(-200)
N    0(-2400)
Y  800(-1400)

Mさんは牌九の実戦経験があるだけあって、悪い手が来たときの逃げ方が上手く、それが有効に働いていました。
Yは牌九の経験はありませんが、同じ骨牌(天九牌)を使う「天九」で何度も遊んで牌に馴れ親しんでおり、天九でも同じ牌のランクと牌組を使うので、それなりに勝負の中に入り込めたようです。
Nさんは、昨年一緒に打って以来の牌九だったのですが、短時間で必死に手を考え、自分なりに良い手を模索している姿が印象的でした。その甲斐あって、後半では初心者とは思えない良い分け方をしていて素晴らしく思いました。

※牌九の遊び方はアジアゲーム読本-第1集 中国骨牌・天九牌/韓国花札・花闘-
に詳しく載っています。


打天九はかなり面白い!

2008年07月14日 | 中国骨牌(天九牌)



本日日曜日、ゲーム会で一日中「天九牌」で遊んだのですが、「天九」は本当に面白く、遊んだ方々皆さん大満足でした。

今回は、皆さん天九牌で遊ぶのが初めての方々で、うち一人はあまり天九牌自体にも興味のない方だったのですが、その方もかなり「天九」に熱中しており、楽しんでおられました。

まず基本の「牌九」を遊んで牌の強弱や種類に馴れてもらい、それから「天九」という流れで進んだので、初めて天九牌で遊ぶ皆さんも、この「天九」のルールをスムーズに憶えられたようでした。

ですので、この「天九」も決して敷居が高いゲームではないと思われます。

最初にプレイした「牌九」も3時間ほど白熱し、次の「天九」ではゲーム性の高さからさらに熱くなり、気づいたらあっという間に時間が経過して、余裕で朝まで遊べる勢いでした。

この「天九」は本当に面白いゲームなので、是非とも多くの方々に遊んで頂きたく思っております。

今回は、「牌九」も「天九」も牌を最初に取り出す位置を、様々な牌組で決定する「開牌」を用いて遊んだので、かなり「天九牌」で遊んでいる雰囲気を味わえました。

ただ、「天九」で遊ぶ際に、8枚配られる手牌に「文牌」か「武牌」が7枚含まれている時に、「七支牌(チージーパイ)」といって、即座に2倍勝ちになるルールがあるのですが、この「七支牌」の役は意外と出やすいことが今回分かりましたので、この役を採用するかどうかは、事前に決めておくことをお勧めいたします。

とにかく、「天九」は本当に面白い!

詳しいルールは、「アジアゲーム読本・中国天九牌と韓国花札」に掲載されておりますので、ご覧頂けたら幸いです。


天九牌と韓国花札の本を出しました

2008年05月10日 | 中国骨牌(天九牌)


この度、(株)グランペール様より、私の書いた本が出版されましたので、お伝え致します。

タイトルは、『アジアゲーム読本-第1集 中国骨牌・天九牌/韓国花札・花闘- 』で、中国の天九牌韓国花札を紹介したものです。
ルールの詳細だけでなく、歴史的背景から、それぞれの国におけるゲーム事情や、文化的背景を綴ったコラム、実際にそれぞれのゲームを中国・韓国の人と対戦した体験記等を載せております。

ご興味のある方は、是非ともよろしくお願い致します。

Amazon.co.jp: 『アジアゲーム読本-第1集 中国骨牌・天九牌/韓国花札・花闘- 』

↑現在アマゾンで取り扱っておりますが、近々全国のゲームショップや紀伊国屋の本店にも並ぶので、そちらでもチェックして頂けたら幸いです。

どうぞよろしくお願い致します。


天九牌の普及計画

2008年01月14日 | 中国骨牌(天九牌)

今年最初に記す当ブログでありますが、今年は個人的に天九牌や、その系統の「中国系の牌遊戯」を数多く遊びたく思っております。

その為には、まずプレイ人口を増やさねばならないので、今年は天九牌の普及に力を入れようと企んでおります。

かつて、日本で「麻雀」を普及させるには、かなりの努力が必要であったと思われます。
あれだけルールや作法が複雑な上に、用語が中国語で、普及させる側にもかなりの工夫が必要であったと思われます。

「天九牌」も「麻雀」に匹敵するぐらい面白い遊びなので、麻雀のように、日本人が発音しやすい中国語で、用語や役を広めた方がよいと思いました。

明らかに間違った言葉はダメですが、発音の違いなら、麻雀のように日本式中国語になっていても問題はないと思われます。

しかし、考えてみれば、よくあの複雑な役を持つ「麻雀」というゲームが、異国の日本でここまで広まったものだと思います。

「麻雀」よりも憶えることが少ない「天九牌」ですので、普及方法を上手く考えれば、多くの人に親しまれるようになると思っております。

それには、まず天九牌の呼び名を、普通語の「ティエンジョウパイ」にするか、広東語の「ティンガウパイ」にするか、決めないといけないのかもしれません。
「牌九」も、普通語の「パイジョウ」よりも、広東語の「パイガウ」の方が浸透しているので、どちらを選ぶかというのは、悩みどころです。

※画像は、香港で葬式用具として売られている紙製の「天九牌」です。


天九牌の前身・宣和牌の誕生

2007年08月25日 | 中国骨牌(天九牌)
最近、ゲーム会などで天九牌や雀九、四色象棋牌、十五湖など、中国で調べてきたゲームをプレイする機会が多いのだが、牌の形は違えど、いずれもルールが根底で共通しており、それぞれが近い血縁関係にあることを実感している。

先日、香港で購入した中国のサイコロ遊戯が纏められている本を見ていたら、サイコロで遊ぶ牌九のルールが載っていた。

以前に、天九牌を見ていて気付いたことがあった。
それは、天九牌の目が、中国サイコロそのものであるということである。
中国のサイコロは、他国のサイコロとは異なり、1と4の目が赤く、2の目は垂直平行に並んでいる。
天九牌も目が赤いのは、1と4であり、2の目も平行に刻まれている。
ただ、天九牌の天(6-6)は、6の目に半分赤が混じっているが、これは特別な牌ゆえの唯一の例外で、他の牌の6に赤はない。

これは、天九牌がサイコロから生まれたことを示す証拠であると思う。
また、天九牌の前身である宣和牌の資料図を見ると、やはり1と4が赤く、2は平行に並んでいる。

サイコロから生まれた宣和牌、そしてそこから変化した天九牌、そこから生まれた紙牌・長牌、川牌という系統と、馬吊系の紙牌が骨牌になった麻雀、象棋の棋子が紙牌や骨牌になった四色牌と色々あるが、いずれも同じような遊び方をしていることが、とても興味深いところである。

追伸、8月28日(火曜日 午後七時半~十時)に、新宿のゲームスペース柏木で、天九牌の会を開催しまして、前回同様、私が講師を務めますので、ご興味のある方は是非ともお越し頂きたく思います。

ゲームスペース柏木


麻雀は、紙牌と骨牌の融合産物である

2007年05月31日 | 中国骨牌(天九牌)

先日、ゲーム会で、天九牌の牌九を8人でプレイし、とても楽しい時を過ごした。
遊んだ人たちも、牌九のスリリングでダイナミックな展開に満足していたように思う。 最近、中国のゲームに関して中国文献を色々と調べているのだが、その中で、天九牌の前身である宣和牌が、当時の民間人には牙牌(ヤーパイ)と呼ばれていたということが分った。
宣和牌というのは、後の人々に付けられた名称で、当時の名称は牙牌であったという。 そして、最近の中国内での新しい見解では、その牙牌が、明の時代(1368年~1644年)に骨牌に変遷し、そこから天九牌が生まれたのだという。 となると、朝鮮半島に伝わったコルペ(骨牌という漢字のハングル読み)は、牙牌という名前ではないので、牙牌が骨牌に変化した後に、朝鮮に伝わったものということになる。

朝鮮の骨牌は、現在の天九牌と違って、目数はドミノと同じ1-1から6-6まである。
ならば、現在の天九牌の天・地・人・和などの目は、明の時代の骨牌からさらに変化したものということになる。

ということは、中国に存在する天九牌と同じ目を持つ長牌(川牌)系統の紙牌は、明の時代頃か、それ以降にに生まれたことになる。

中国には、この長牌系統の他に、麻雀やトランプの起源であるといわれる銭牌系の紙牌が存在する。

この銭牌系の紙牌は、銭、紐、貫などのスートが存在し、麻雀とスートがほぼ同じである。

しかし、天九系の目数を持つ長牌(川牌)は、スートが文牌と武牌しかなく、麻雀とは別系統のものに思える。

麻雀という「骨牌」が銭牌という「紙牌」を元に生まれたのに対し、川牌系の「紙牌」は天九牌という「骨牌」から生まれている。
つまり、成立過程が真逆のものである。

銭牌スートの「紙牌を骨牌にした」ものが麻雀であり、天九スートの「骨牌を紙牌」にしたのがを川牌である。

確かに、銭牌を骨牌にして成立したということで、麻雀は、銭牌と骨牌の混合産物であると深く認識した。