ずっと前の日記に、なんとなくテレビで観ることが多くて乃木坂46の彼女たちの顔と名前がほとんど一致するようになってしまった話を書いたと思う。(でも特にファンというのではないのかなとは思う。別に彼女たちを生で見たいとは思わないので。でもそれぞれに個性があって非常におもしろい女の子たちだと思う。)
その時に、すでに卒業した生田絵梨花さんがレ・ミゼラブルでヒロインのコゼットを演っているうちに観に行こうと思っていたら、コゼット役を終えてエポニーヌ役(意地悪テナルディエ夫妻の娘。ガンダムのミハル、銀河鉄道999のメタルメナ的な役どころ。母親のテナルディエの女将役は森公美子さんの当たり役)に替わってしまったということも書いたような気がするのだが、さっきなんとなく出てきたニュースを見ていたらすでにエポニーヌ役も終えて、今はファンティーヌ役を演っているそう。
これはもうそろそろ真剣に観に行かないと、完全に卒業してしまいそうだ。それに、ファンティーヌ役と言うことはあの有名な「I dreamed a dream. (夢破れて)」を彼女が歌うということで、それは是非聴きに行きたいわけで。
ファンティーヌはコゼットの母親で(新調社版の訳本ではたしかフォンチーヌみたいな表記になってたと思う)、ミュージカルや映画ではあまり描写がないがこのオペラで言うところのアリアのような歌を歌うまでの人生が、原作を読むと壮絶でぐいぐい引き込まれるのである。そんなタイミングで「I dreamed a dream. (夢破れて)」なんかを歌われたら、もう涙無くしては観られない。
まだレ・ミゼラブルを観ていない方でこれから観ようと思っていると話す方がいると、僕はいつも原作を読んでから観ることを強くお勧めしている。(それにしてもレ・ミゼラブルと言えば「たった一片のパンを盗んだだけで何年にも渡って投獄された男の物語」と形容されるが、原作を読んでみるとそこは全然本題じゃない、といつも思う(笑)。)
文庫本では5巻(6巻だったっけ)ほどの超長編を2時間ほどに縮めているので、物語を彩る数々のエピソードや描写がミュージカルや映画ではほとんど端折られている。しかし、端折り方が絶秒で原作の特定の場面を掘り下げるのではなく、原作の流れは最初から最後までなぞってあるので、原作を読んでおくと端折ってある全ての物語が脳内で埋められて、ミュージカルや映画を観ていてもすさまじいほどの充実感を得られる。原作を読んでいないと、そういう充実感はフルには味わえず、軽めの物語として映る危険性がある。
原作の中で特に好きな場面は、ミュージカルでは端折られていても描写があったかのような錯覚に陥ったりする。
ミュージカルは10年以上前に仕事で行ったロンドンで一度観たきりなので日本語では見たことはないが、キャスト陣を見ると巧い人ばかりなので期待できるのではないかと思う。
ファンティーヌ役は映画ではアン・ハザウェイさんが演じていましたね。できれば生田絵梨花さんにはI dreamed a dream.を英語で歌ってほしいんですけど、それは無理でしょうね(笑)。
とにかくほんとにチケット取って観に行かないと。完全に卒業しちゃうでしょうね。
ところでI dreamed a dream.と聞くと、思い出すことがある。
去年シンガポールでコンラッドに泊まったのですが、その時にルームメイクの方がカードを残してくれたんですね。そんなにきれいな字ではなかったんだけど、そこに、
「I hope all your hopes have hope.」
って一文があって、英語表現として正しいかどうかはわからないけれど、いい表現だなとお気に入りになりました。
そのカードは持って帰ってきて、今も冷蔵庫にマグネットで貼って折に触れて見返して、僕の「Hopes」を再確認しています。