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グローカルイースト視点
アジアQZS/IGSO軌道モニタ
高橋冨士信 fj鷹@gmail.com

2018 12/30 Mate20pro含むMate20系のRawdata, L5サポート確認

2018年12月30日 | QZSS Raw data技術byスマホ
2018 12/30 https://developer.android.com/guide/topics/sensors/gnssによりますと、
Mate20pro含むMate20系のスマホのRawdata対応, 2周波GNSS受信L1+L5サポートが確認されました。



この表ではMate20pro対応宇宙系には、まだQZSS受信確認が入っていません。日本では発売されていないMate20Xだけが、おかしな話ですがQZSS対応が明記されています。

当方のMate20Proでの実績ではGNSSLoggerによるRawdata QZSS受信は2周波でも、以下のURLのブログ記事から解りますが、できています。
https://blog.goo.ne.jp/qzss/e/c71478271b83003e28fa94a6c77b9c81

細かい出力Logの分析・解析までは、当方は手が回っていませんが。

従いまして、この表でのMate20ProがQZSS未対応の意味は、単に速報による限界によるものか、あるいは2周波GNSS受信L1+L5サポートの完全動作確認ができていないということかもしれません。

とにかく2周波受信でRawdata出力可能なスマホ群が強化されてきているという事実は重要です。今のところはXiaomiと合わせて、いずれも中国内製のスマホ達です。

このように最も大衆的なところで、オープンソース開発による最も高精度な測位機能のスマホが中国製に限られていることは、より高度でかつオープンな宇宙測位・自動運転・時空計測アプリ開発においても、今後は中国の独走を許してしまうことになります。

かつて、最も大衆的な製品に最も高度の技術を盛り込むことにより、80年代前後の日本工業製品の国際競争力は圧倒的でした。

日本陣営や欧米先進国が油断していると、かつての80年代の日本から学んだ同様なことが、すでに東アジア規模で、より大規模に起きつつあるといえるかもしれません。

2018 12/06 【速報】ファーウェイMate20ProとMate9のGNSSLogger出力画像の比較

2018年12月06日 | QZSS Raw data技術byスマホ
ファーウェイMate20ProとMate9のGNSSLoggerの出力画像の比較です。
一番下に2台を並べてサイズ比較したものも付けてます(汚いですが)。Mate20Proはスリムです。しかし実感するパワー比は数倍以上ですね。2年間でこれだけ急ピッチ進化したことが分かります。重さも軽いので、内ポケットに軽く入ってしまって使えるという感想を持ちました。

一番上の図はGNSSLoggerをALLにして屋外でPLOTしたものです。Mate9は各受信衛星のトレースを追えます。しかしMate20Proの爆発的ALLの出力図を見て最初は何だろうと驚きました。

2番目の図はQZSSのみを選択したものです。Mate9では3機の衛星のトレースが軽く追えます。しかしMate20Proではギザギザがひどいです。これは3衛星のL1とL5の2周波受信の出力を交互に連続PLOTしているから理解しました。Mate20Proでは2周波出力を1秒間隔で得ることが出来るようです。早くQZS-3(GEO)もパワフルスマホで受信できるようにしないともったいないです。



以上速報です。

カメラ性能・機能が15分間の星空撮影や超広角撮影やマクロ撮影など凄いので、GNSS Rawdataモニタリングには、しばらくはもったいなくて使用しません。時々は報告しますが。

ちょっとした一眼レフカメラを3本の交換レンズとともに、内ポケットに軽くいれているようなものですね。外出・旅行の写真として十分撮れますね。SIMを入れるところなどの全体の防水の仕組みがしっかりしてます。今日のような小雨なら十分使えそうです。


以下は2日前の記事を少し加筆したものです;

入手したばかりのファーウェイMate20Pro(アンドロイド9機)によるAndroiTSのレベルプロットを記録します。


QZSSはQZS-3(GEO)を除く3機はしっかり受信できています。ガリレオの姿はありませんが、AndroiTS.apkはどうも開発が止まっているようです。ガリレオは受信できなくても合計31機受かっています。感度は高いようです。
別のアプリでガリレオは受信できています。

また既に2周波系統でのRawData受信をQZS3機などについても確認しています。現在グーグル謹製のGNSSLoggerの最新版と格闘中です。Raw data対応のアプリは2周波への移行は既に済んでいるものが多いようです。PLAY STOREでGNSS Dual Frequencyとして検索すると主要アプリがでてきます。

この半年のGNSSRaw data関係は当方のブランク期間のあいだに米国・中国・欧州で大きく進展しています。日本では立命館アプリRitzの2周波化で一矢を報いて頂いています。



Huawei Mate20 Pro とGoogle Pixel3いずれも悩ましい!

2018年11月29日 | QZSS Raw data技術byスマホ
イロイロと話題の多いHuawei Mate20 Pro が以下の記事ではSIM Free版が明日11/30から日本国内正規発売を開始とのことです。トランプ政権はファーウェイ製品を購入しないように関係国に求めていますので、圧力に負けて日本政府がこれを飲んでしまうと正規販売が止めになる可能性もありえますから、購入希望の人は迅速な判断が求められます。

https://japanese.engadget.com/2018/11/27/huawei-mate-20-pro-30-3-ai-sim/

の記事が詳しいですが、GNSS/QZSSにかかわる部分の一部だけお借りしてします。



いわゆるL1+L5などの2周波衛星受信はQZSS始め全てのGNSSにおいてカバーしているようです。Google謹製アプリであるGNSSLoggerで2周波それぞれがRawdata出力するものかどうかは、ネットで検索しているところでははっきりしません。

L1+L5による電離層補正を効かせてナビやPositionなどのPNTアプリが動くように、ファーウェイOSが出来あがっているとすれば素晴らしいですが、おそらくはそこまでは行っていないでしょうから、2周波それぞれがRawdata出力するものかどうかは非常に興味深いところです。

さてどうするか!値段が値段だけに、この週末は悩ましいところです。


またPixel 3のQZSS対応ですが、いつもの以下のdeveloper.androidサイトの表ではQZSSは入っていないようです。
https://developer.android.com/guide/topics/sensors/gnss



日本では販売されなかったPixel2ではQZSS対応(表の真ん中あたり)だっただけに非常に残念です。

すでに日本で正規販売しているようですが、内閣府のQZSS対応スマホ欄や、価格ドットコムのPixel3の記事を検索して見ていますが、みちびきQZSSがPixel3で受信できるというような記事は出ていません。

検索不十分なら良いのですが。これは日本勢として悩ましいところです。

窓際AndroidPie スマホで屋外・屋内シームレス測位テザリングできるだろうか

2018年07月11日 | QZSS Raw data技術byスマホ
2日前の本ブログでご紹介しましたように:
How to achieve 1-meter accuracy in Android
http://gpsworld.com/how-to-achieve-1-meter-accuracy-in-android/
の記事で、この秋に出ますAndroidの新OS Pie(お菓子のパイ)スマートフォン(以下 PieスマホまたはPスマホ)は屋内測位向けのWiFi RTT機能を提供します。
2年前の秋に公開されたAndroid Nスマートフォン(以下 Nスマホ)がGNSS受信Raw Data機能を提供しましたが、この秋公開されるAndroid Pieスマホはさらに屋内測位向けのWiFi RTT機能を提供します。すでにベータ3段階に入ってテストがしっかりされていますので、確実に盛り込まれるでしょう。

このPスマホの新機能は、当ブログが3年間継続してモニタリング結果を公開してきました、窓際スマホに近い将来、革新的な屋外・屋内シームレス測位テザリング機能を与えることになると予想します。あくまで努力が必要なものですが、こういうアイデアがブレークスルーを生み出すものと思います。

上記URLの記事からRTT機能概要説明図をお借りします。


この記事の説明の中での屋内アクセスポイントは、これまでのWiFiルータでは無理のようでIEEE 802.11mcに対応している必要があります。ただ手軽に購入・普及するものでは無いようで、ネットの上ではLinuxサーバに実装した例があります。日本語での貴重な情報は
https://qiita.com/eggman/items/87b59f8ebc24a0d5c184

にあります。

しかし考えてみればAndroidスマホはLinuxカーネルで動いています。そして標準でテザリングが可能です。ハイパワーのアクセスポイント化は無理ですが、10m規模の距離であれば実用で皆さんお世話になっていると思います。

またもちろんスマホ自身でGNSS測位が可能です。窓際にスマホを置けば屋内外リンクのアスセスポイントとしての基本条件は満たしています。

IEEE 802.11mcとRTT時刻同期は日本が得意とするところであるはずです。WiFiーRTTの測位テザリングの最低限の基本機能に抑えたアプリを作ってしまえば良いのでは、ということになるわけです。

屋内測位は日本勢のIMESなど、国内外でいろいろな方式があります。屋内・屋外シームレスのプロ用の機器はいずれにしてもなかなか高価です。

Android PスマホのPは偶然にPositioningのPともいえます。窓際のAndroid Pスマホ自身がWiFi RTTのアクセスポイントとして、ローコストのIEEE 802.11mc測位テザリング機として変身するのではと期待してしまいます。

変身すればIoT時代の屋内外シームレス測位の大きなブレークスルーにつながることは間違いないでしょう。日本が是非とも主導権をとりたい課題です。


Xaomi社はBroadcom BCM47755 chip搭載2周波GNSS測位機能のスマホXiaomi Mi8の出荷

2018年06月13日 | QZSS Raw data技術byスマホ
以下のGPS World WEB誌の最新号URLによりますと、
http://gpsworld.com/dual-frequency-gnss-smartphone-hits-the-market/

Xaomi社はBroadcom BCM47755 chipを載せた2周波GNSS測位機能のスマホXiaomi Mi8の出荷をAliexpressなどで始めたようです。受信周波数はE1/L1 + E5/L5 GNSS chipでありデシメータの測位精度を可能としているようです。日本円で4万円台からのようです。

本ブログでも注視してきた巨大なインド市場でインドのIRNSS(Navic)測位衛星群を直接受信できるスマホがありませんでしたので、まずはインド市場向けの高級機として打ち出しているようですが、Rawdataもしっかり出せるとのことで、グローバルにはAliexpressでの出荷を開始し始めたようです。事前販売の意味がよく判りませんが。

GPSWorld Web誌のトップ画面の一部をお借りします。


以前の記事では来年2019年にはインド市場向けNavic対応スマホがでるという非公式情報を書きましたが、本年4月のNavic-IGSO-1Iの打上げ成功と受信性能を確認して、国際市場に出してきたといえるでしょう。

当方も食指が動きますが、事前販売と書かれており、技適の問題もあり、さらには当方は現状でのブログ発行で目一杯でもあり、意欲的な国内外の方々の挑戦を見守りたいと思います。

英文では既にかなりの数の検索が掛かりますので、今後の他社の動向やQZSS対応を見守りたいと思います。

予想されたこととはいえ、スマホでE1/L1 + E5/L5の2周波対応測位可能機が中国機として登場したことと、巨大なインド市場を狙っているということが現実になったことには驚きます。

当ブログのNavic IGSOを含んだ軌道アニメGIFへのインドからのアクセスは今後一層増大してゆくことが予想されます。

(そもそも太陽合の2連並列同期の面白さに早期に気づかせてくれたのはインドNavicでした。)

GPSWorld WebからBroadcomがスマホ用の 30-cm positioningチップ開発

2017年12月27日 | QZSS Raw data技術byスマホ
GPSWorld Web最新版記事によりますとBroadcomがスマホ用の 30-cm positioningチップ開発したとの、かなり詳しい記事です。QZSSにとっても大きなクリスマスサプライズニュースでしょう。
Big news from Broadcom: 30-cm positioning for consumers

スマホ測位チップセットとしては大ニュースと思いますが、その記事のヘッダー重要部分をお借りします:
Well, Broadcom has just announced a new L1/L5 GNSS chip aimed at the mass market for cellphones. The chip incorporates a complete RF-to-pseudorange receiver and dual-core processing engine that currently produces data for positions and velocities, and generates ionospheric corrections from L1/L5 GPS and E1/E5a Galileo.

BCM47755が新GNSS測位チップセットの名称です。記事では大衆的スマホ測位におけるブレークスルーであるとしています。
BCM47755 uses two different frequency signals from each satellite. (Image: Broadcom)


以下の図によりますと、QZSSも対象宇宙セグメントに入っているようです。QZSSが次のスマホGNSSブレークスルーに間に合ったこと自体は良かったと思います。


当然スマホから入って、IoTスマートデバイス、特に自動運転用に組込むことを狙っているのでしょう。他社Q-COMなどもここを同様に狙ってくるでしょう。来年もスマホGNSS技術の進化から目が離せなくなりそうです。

GPS Worldの記事の抜き出しだけでなく、当方の作成コンテンツも載せておきましょう。

以下は定例の12月26日JSTの24時間QZSS軌道アニメGIFです。


いよいよ来年からは、このわが国のQZSS宇宙セグメントが東アジア地域からオセアニアにかけての大衆向けスマートデバイスGNSSマーケットで重要な役割を果すこととなるでしょう。







たくましいG-RitZ Logger開発が動き出しました。

2017年11月30日 | QZSS Raw data技術byスマホ
少し遅れましたが、測位技術振興会さんの以下のサイトから
http://jsapt.net/ja/post/17110001

G-RitZ Loggerをダウンロードして、当方のファーウエイMate9にインストールしてみました。

https://play.google.com/store/apps/details?id=com.kubolab.gnss.gnssloggerR&hl=ja

からダウンロードさせていただきました。

G-RitZ Loggerは格好良いアプリロゴになっていますね。


GooglePlayサイトでの追加実例データと思われるものの画像2件をお借りしました。


キャリア位相まで含めて、なかなか素晴らしいデータ取得状況ですね。是非とも使用された受信スマホのメーカや型番を入れられたほうが良いです。このメーカ・型番指定でスマホを購入される方が多いと思います。

当方所有のファーウエイMate9でのアプリ実行時のGNSS受信環境で、G-RitZのSkyplotを挟んでいますが、以下のとおりです。QZSは193(J01)のみ見えている今朝8時前の時間帯です。

G-RitZのSkyplotのAzがAndroiTSのAzとは180°の象限問題でしょうか、私も以前これはよくやりましたが、ご確認ください。


Mate9実行時の設定とデータ取得状況は以下のようです。


詳細はこれからログを見たいと思いますが、GPS達と並んで、J01はキャリア位相も一応取れているようです。

今後の開発進展には大いに期待させて頂きます。

雷神さまGNSSLogger J機 No, これまでの3スマホ+αの整理

2017年11月12日 | QZSS Raw data技術byスマホ
当方所有のAndroid7スマホでのGNSSLoggerのPlot機能のQZSS対応成否をSoCとともに整理します。

1. Raijin(雷神): MediaTeK MT6750T, Plot J機 No! AndroiTSのレベルプロットではQ(J)は2機受かっているけれども、どうもMediaTekはGNSSLoggerでのJ機対応は駄目ですね。


2. Covia Que: MediaTek MT6735A, Plot J機 No! AndroiTSのレベルプロットではQ(J)は2機受かっているけれども、MediaTek SoCはGNSSLoggerでのJ機対応は駄目のようですね。


3. Huawei Mate9 Kirin 960, Plot J194 only Yes! Huawei KirinはJ機がGNSSLogger V2行けそうですね。


4. Nexus9(LTE版) Tegra K, Android7.1にアップグレードしてもGNSSLogger Raw data動作せず。Nexus9の中古入手ならWiFi版に限りますね。WiFi版ならGNSSLoggerの動作は行けそうと予想しますが、しかしそもそもJ(Q)機が受信できていないです。



GPSWorld誌WEBページにRaw Data Project成果記事

2017年06月28日 | QZSS Raw data技術byスマホ
GPSWorld誌の以下のURLの最新WEBページに GNSS Raw Data Projectの1年間の成果のまとめ記事が記載されています。
http://gpsworld.com/location-and-context-advances-in-android/

昨年2016年の夏にGoogleがAndroid7とともに、GNSS Raw data取得のコードやAPIを完全公開し、有力なSoCメーカやスマホメーカがその対応を行ってきた1年間でした。当ブログもできるだけの情報を迅速に紹介してきました。

宇宙セグメントとしてのGNSS衛星系とユーザ・地上系セグメントとしてのスマホがナビの時代を超えて、より高精度な時空ユビキタス・デバイスとしてのスマホに進化してきた1年だったと思います。

前世紀に日本勢が圧倒的だった「【PDA電子手帳】にGPSを内蔵させLTEまで内蔵したものがスマホなのだ」という愚痴っぽい言いわけの通る段階をGNSSに関しては凌駕したといえるでしょう。



これまではコマンドラインでの作業が多かったRaw data Projectは専用の上図のようなAndroid Studioコントロールパネルによって開発作業を迅速化できるところまできました。日本勢にとって唯一の救いはQZSというボタンがあり、今後、使用可能となることです。

日本メーカ・技術開発機関・パワーユーザが頑張って、このQZSボタンが有効に使用されてQZSSが21世紀にふさわしくスマホ・タブレット・その他のスマートデバイスにおいて高精度に活用されるアプリ開発が進むことを期待しましょう。

しかし日本でのスマホシェア7割以上がクローズなiPhone系、日本の理系学生も8割がiPhone系を使用しているという統計ニュースを見聞きするたびに、つくづくQZSSは過酷な運命のもとに置かれていると思っていまいます。世界とは全く逆のスマホシェアになっています。

この逆シェア比率を逆に考えれば、この分野は将来、日本国内外においてレアな貴重な戦力になれるわけで、若い人がやりがいのある評価される課題、任務ともいえます。そうした環境を当方などは少しでも準備、支援をしておくべきでしょう。

雷神さまでGPS rawdata可能とのこと<価格.com

2017年02月08日 | QZSS Raw data技術byスマホ
kakaku.com にて雷神さまでGPS rawdata可能とのこと


確かに取れているようだ。QZSは駄目そうである。
スナドラ835機を待つべきか

続く