南十字星からアジアQZSS(日)/IGSO(中・印)を眺める

グローカルイースト視点
アジアQZS/IGSO軌道モニタ
高橋冨士信 fj鷹@gmail.com

2019 12/24 寒風Xmasイブ BD-IGSOペア(近々三姉妹?)北上中 続いて印NavIC東輪1C南下中

2019年12月24日 | アジアンQZSS(日)/IGSO(中印)軌道
2019 12/24 暖冬気味といわれる中で、本日の関東は寒風の中でのクリスマス・イブの一日になっています。

北上しているBD-IGSOペア(東輪2,西輪5,近々三姉妹?)は、スローペースで南回帰線(冬至の太陽軌道)に近づいてきています。なおこのIGSOペアに新IGSOの中輪3-3が、ややズレて合流して新三姉妹になる見通しです。引き続く合対象のインドNavIC東輪1Cは南下してきています。

以下のグラフはBD北上ペア(東輪2,西輪5,近々三姉妹?)+単独北上BD-I2-S+BD南下三姉妹(東輪3,中輪3-1,西輪6)に、引き続く合候補衛星である南下Navic東輪1Cを加えた太陽合の時系列総括図です。


次のNavic IGSOは東西同期太陽合にはならないので、先行する東輪1Cで冬至頃から合角距離の変化を把握しながら、新年からでも西輪1Iを追加する予定です。つまり上記の時系列総括図は、12月1日以降についての南下BD-IGSO三姉妹太陽合と、12月9日以降について北上BD-I2-S太陽合そして12月16日以降には、近々三姉妹へ移行する北上ペア(東輪2,西輪5)を、さらには12月20日からは南下Navic東輪1Cを絡ませてプロットしています。

これまでアニメGifを一時停止させるツールやブラウザアドオンだけでは確認しづらかった、本ブログのピークの記述も、この時系列総括図を対照してご覧いただければ宜しいかと思います。

年内に北上中の近々三姉妹へ移行するBD-IGSOペア(東輪2と西輪5)が、準太陽合に入るかどうかはお楽しみというところですが、グラフから見る限りでは太陽接近ペースがやや減速しているので、おそらく年を越すであろうと予想します。

12月のBD-IGSO三姉妹(東輪3,中輪3-1,西輪6)の三機編隊南下は見事な同期太陽合を見せてくれましたので、12月中はグラフに記録しておく予定です。この三姉妹が半年後6月に見せるであろう三機編隊北上の同期太陽合の生起が楽しみです。

もうひとつの春4月と秋10月にやはり見事な三機編隊同期太陽合を見せるIGSO三姉妹(東輪1,中輪7,西輪4)とともに、アニメGifにおいて一番見応えのあるところです。一方、1月と7月の太陽合のIGSOペアも、最近軌道編入された新中輪3-3を加えて三姉妹での準太陽同期合を生起するようです。

今後の北斗IGSO系は、トリプル三姉妹が(準)同期太陽合編隊飛翔を、半年ごとに北上と南下を交互に切り替えて計6回、生起することになるでしょう。

横軸は日付です。縦軸は軌道に沿った角距離で、単位はピクセル数です。ピクセル数から角度(Deg)への換算率は0.13です。

冬至や夏至前後は太陽赤緯はほぼ一定の-/+23.5度を維持しますから、太陽合角距離の日変化は、主に衛星の軌道運動の日変化により生じます。夏至や冬至期の太陽合データの蓄積は、衛星軌道運動の特徴抽出にとって貴重と思います。一方、春分や秋分前後の太陽合角距離変化には、太陽赤緯の北上や南下の角速度が最大限に含まれます。つまり衛星太陽合モニタリングは、各衛星の軌道要素パラメータの季節特徴を把握するにも適しているといえるでしょう。

以下のQZS/IGSO軌道描画フォームにアニメGIFを記録します。
2019 12/24 QZS/IGSO軌道の2倍拡大アニメGIFを記録します。


2019 12/24 QZS/IGSO軌道の4倍拡大アニメGIFを記録します。


昨年と比較しての同期差のズレの変化が、インドペアや中国三姉妹やペア、日本QZSS各機においてどうなってゆくのかが興味深いところです。IGSO/QZSSの軌道運動位相差を太陽系慣性座標規模で捉える基準として、太陽合同期状態の分析が効果的といえるでしょう。まずはしっかりとした2年目のデータを揃えることを目標とします。

インド・太平洋宇宙連携の中核となる大国インドの宇宙大国化動向などユーラシア上空のQZSS/IGSO軌道運動を、測位衛星と太陽との天体エベントに注目して頂くことができればと思います。


平成期の日本宇宙陣は欧米のMEO重視の壁を乗り越えて、先駆的RNSSとして脱MEOという大胆なQZS計画実現を頑張りぬきました。これが、アジアのGNSS情勢のMEOからの脱皮、端的にBDSS-IGEO/IGSOの充実を産み出しました。日本はQZSSを月面探査日印協力を基盤に軌道運動・測位へ活用展開を目指すべきでしょう。

中国側は日本QZSSの自立した踏ん張りを見守りながら、将来のIGSOエコシステム構築の展望を描いているでしょう。これがインドのIRNSS NavICや、ロシアが計画中のポストGlonassたる高々度亜QZSS型衛星軌道セグメントの実現にも大きな影響を与えるでしょう。
この記事についてブログを書く
« 2019 12/24 恒例のクリスマス... | トップ | 2019 12/25 Googleサンタアニ... »

アジアンQZSS(日)/IGSO(中印)軌道」カテゴリの最新記事