心理士の子ども発達支援

発達や療育、教材の紹介

ウレタンパズルで落ち着いて集中

2017-03-08 03:26:45 | 発達:はめ込み遊び

落ち着きがなく、1つのことになかなか集中出来なかったり、

手先が不器用で力加減のコントロールも苦手なお子さんにおすすめしたい

ウレタンパズル(勝手に名付けている)をご紹介します。


↑九九が書かれていて、楕円のピースが答えです。

九九練習用ですが、ここでは全く関係ありません。

100均で購入出来ます。

 

型はめがまだ難しいお子さんにも使えます。


↑ピースを全部抜いて入れるのが大変と思われる場合は、虫食いにしたり

1列だけにしたりと慣れるまで工夫して下さい。

 

ピースを入れたら出したくなるようで、ピースを外すのも課題の1つとなります。

指でポツンポツンと押し出して外します。

押し出すときの刺激が心地良いのか集中します。

外せたら、ピースは、支援者が預かり、1つずつ

リズムよくピースを子どもの利き手側に置きます。

ピースを全部お子さんに渡してしまうとわしづかみにして投げたり、

机から払い落としたりと落ち着かなくなってしまいます。

また、1つずつ渡すことで、その1つを見て手に取るので

落ち着いて、キュッ、キュッとはめ込んでいきます。

柔らかいですが、きちんと入れないと

気持ち良くキュッとはまらないせいか、真剣に見つめて取り組みます。


年齢によって色をマッチングする子、数字を小さい順に入れる子、

数字も色も向きも関係なく入れることに没頭する子と様々ですが、

どのお子さんも1つ1つ一生懸命に入れる姿が見られます。


落ち着いて集中すること、着席することは、

少しずつでもその体験を重ね、体が覚えることが大切だと思います。

以前の記事「まずは着席。じっと見る。」をして、着席効果があるうちに

続けてこのウレタンパズルをするといいと思います。

「まずは着席。じっと見る。」は、楽しい、もっと見たいという気持を引き出します。

ウレタンパズルは、外すときと入れるときの心地良い感覚や

出来たという達成感や自信が落ち着きを導き出しているようです。

 

ウレタンパズルが上手に出来るようになって来たら、

丸、三角、四角のような図形のパズルに

ステップアップするといいと思います。


たまごパズルで落ち着いて集中

2017-03-03 12:46:40 | 発達:目と手の協応

たまごは幼児の人気物です。

なぜでしょう?

動きの速いお子さんの注意を引くおすすめ教材です。



↑割れていないたまごを1つ「ほら!たまご!」と言って見せると

多くの子どもは、ハッとなり注目します。

「トントン、パカン」と言いながら、本物のたまごを割るようにたまごパズルを割ります。

子どもは、またまたハッとしてニコッとします。

形の名前を言い、「たまごぴったんこして!」と渡します。

「よ~く見ながらしてね」と声掛けすると

たまごに集中しているので見ようとする努力が現れます。

もちろん、1つずつ出して見せて渡すようにします。

まずは、わかりやすく失敗の少ない丸や四角、-(横棒)と言った形から入るといいと思います。

渡す1個以外はお子さんに見えないように工夫し、取られないように気を付けます。

興味を持てて、やってみたいので、1個もらえることを待つことが出来ます。

いつもの早い動きよりは、落ち着きますが、そう何回も使えるわけではありません。

お子さんの年齢やその他の特徴にもよりますが、4、5回ほど療育で使えたらよい方でしょうか!?

しかし、ほんの4、5回でも確実に支援者を見るようになり、

1回1回、次が出て来るのを待てるようになります。

もらったたまごをしっかり見るようになります。

パズルをする動作もゆっくりになります。

少し待ったり、面白いな、楽しいなという気持ちや支援者とのやり取りに意味があり、

そんな4、5回の積み重ねが大切だと思います。



↑本物のたまごの空き容器にピッタリ



★たまごパズルは、10年ほど前に100均で購入しました。

当時は何と10個100円でした

現在はどうなんでしょう?4個100円?2個100円?

 

 


「見ているだけでいいよ!」の効果

2017-03-01 13:05:51 | 子どもの心理

新しい課題や苦手な課題を見た瞬間、「難しそう」、「出来ない」と察するのが上手なお子さんたち。

素早く離席、耳をふさいでしな~いと叫ぶ、机の上の教材を払い落す、

プリントだとくしゃくしゃに丸めたり、鉛筆でぐちゃぐちゃと殴り書き、

不機嫌に行動するお子さんもいれば、同じ行動でもニコニコとするお子さんもいます。

多弁になり止まらない、寝っころがってゴロゴロしたり、眠たいと言ったり、

不安反応は様々ですが、ほぼ、どのお子さんにも有効な言葉があります。

「見ているだけでいいよ!」です。

不安反応が出たら「見ているだけでいいよ!先生がするからね!」と言うと、

離席していた子も戻って来ます。叫んでいた子も荒れていた子も落ち着きます。

支援者が課題をしている姿を見て、自分にも出来そう、何だそういうことか…と安心すると、

支援者から課題を取り上げて自らやり始めます。


不思議です。

なぜ離席していても戻って来るのか!?(着席を要求していないのに)

なぜ見るのか!?

「見ているだけでいい」がどういうことかが、どの子にも理解出来ることも不思議です。

「見ているだけ」という表現がポイントのように思います。

「見て!」や「見てて!」では効果がないようです。


「見ているだけでいいよ!」でその都度、不安を解消していると、

やがて離席せず、叫ばず、乱暴なこともせず、

新しい課題や難しそうに見える課題にも向き合い、支援者の話を取りあえずは聞こうとする姿に変わります。

こんな時は、「あ~成長したなぁ。すごいなぁ」と感動し沢山ほめます。


そんなに不安がらなくてもほとんどのことは大丈夫なんだとお子さんが気付けたときに

チャレンジしてみようという強さとやる気と自信が芽生えます。根気強さも芽生えます。

こうして、心が育つことが子どもたちに大切であり、これからの強みとなると思います。




↓もうすぐ「ひなまつり」毎年、教室に出している陶びなです!






山口県在住の上田達生さんの作品です。

陶びなの下のお皿は、石川県の九谷焼です。

 

 

 


まねっこ。「おべんとう遊び」

2017-02-24 13:55:20 | 発達:社会性



↑人気の絵本です。

療育を受けるお子さんには、偏食や少食、食への興味が薄いことがよくあります。

しかし、絵本やおもちゃの食べ物、ままごとだと、とても好きなお子さんが多いです。




絵本を開いてニコニコで楽しんでいます。

「あむっ!」と絵本のページに口をつけに来る子やペロンとなめる子もいます。



子どもたちが大好きなこの絵本を使って何か出来ることはないか?

そうだ!同じお弁当を作ろう!



あつあつごはん、ミートボール、たこさんウインナー、たまご焼き、

ブロッコリー、にんじん、ポテトサラダ、いちご。

フェルトで作ってみました。



絵本1ページずつめくりながら、同じ具材をおべんとう箱に詰めておべんとうの完成!



★初めは、同じものを作るということがピンとこない子もいますが

実演すると、すぐにわかるようになり、子どもたちは、楽しんでくれます。

何度も何度も繰り返す子もいます。美味しそうに食べるまねをします。

食べ物遊びが好きなお子さんにとって、嬉しい、楽しい、出来た!という

満足な気持ちの経験をして欲しいと思って考えついた教材(!?)です。

もちろん、支援者とのやり取りも沢山生まれます。

何人ものお子さんに何回も遊んでもらっています。


★ハンバーガーやサンドイッチも本人は、食べないけど、

模型や写真が好きなお子さんが多いです。

「おべんとう遊び」でいい気になって作りました。

組み合わせ自由で楽しく遊んでいます。↓








 

 


数字パズルで落ち着いて集中

2017-02-22 18:17:18 | 発達:目と手の協応

着席が出来るようになったものの

課題となると、まだまだ動きが多くて速いお子さんがいます。

少しでもゆっくりな動作を導きたい・・・

穴落としやペグ差し、型はめなどなど、どれもゆっくりは難しい・・・

ピース等を1つずつ渡していることはもちろんですが、

もらった瞬間、手元をチラッと一瞬見てねじ込みながら

視線は、こちらの次のピース等を見ています。

目と手が連携しておらず、指先を上手に使うことが難しく、

ピース等もわしづかみにすることも多いです。

難しい課題を選ぶわけにもいかず、このようなお子さんは、

どうすれば、ゆっくり落ち着いて出来るようになるのでしょうか?

見なくては出来ないことならゆっくりになるのでしょうか?




↑木製の数字パズル

わしづかみになるお子さんも、数字ピースは上からつまんでいます。

ピースは1つずつ支援者の手のひらの上に乗せて差し出しますが

ピースの形や素材などが、つままざるを得ない状況を作るのでしょうか?

型(土台)の数字と数字の間隔が狭いせいか、場所と形を見て、

少しですがゆっくり入れることが出来ます。

ゆっくり落ち着いて、指先を使う、しっかり見るという

目と手の連携を目標にしたい場合、なかなか良いパズルではないかと思います。

ピッタリくるお子さんもいるのではないでしょうか!

落ち着くことも体が体験することが大切かと思います。


★このパズルは、数字が好きなお子さんにも人気で、

向かい合って座り、上2段を支援者、下2段をお子さんとして、

支援者と同じ数字を入れるように求めたり、

どちらが早く入れ終わるかを競争するなどして楽しんでいます