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円空展

2013-01-28 23:51:20 | 美術[あ]
「飛騨の円空 -千光寺とその周辺の足跡-」@東京国立博物館


 円空仏を初めて認識したのは、2006年東博の仏像展だった。「一木オールスター。百四十余躯 東京に集結!!」迫力満点の仏像たちの終盤に突如現れたワイルドなトーテムポールみたいな奴。触るとトゲが刺さりそうな荒削りな現代アートのような佇まいは印象深いが、他の仏像のような厳かなイメージと違って、どちらかというとお笑い芸人のような気安さを感じる。だからツッコミ所満載。仏様にツッコミを入れるとは罰あたりな!!!とはいえ仏像界でも微妙な立ち位置に君臨するツッコミキャラの円空仏は、拝まれるよりツッコまれるほうが喜びそうな雰囲気。上手にボケて上手にツッコっまれる、絶妙なバランスの上に成り立っているタレントさんです。

 円空は旅をしながら生涯で12万体の仏像を彫ったと言われているが、そのうち5000体くらいしか知られてない。伝記には12万体を彫る願を立てたとされているが、ホントに彫ったのだろうか。今回の展示品の中には5cmくらいの極小仏も展示されていた。もしや残りの11万5000体は、みんなちっこい仏像だったのではないかといぶかったりして。ちっこいからいつのまにかどっか行っちゃったのかな。

 秘仏 《歓喜天》 を見て「ゾウというよりウマみたい」と思ったり、《宇賀神》 を見て「ヘビというより●●●みたい」と思ったり、《迦楼羅》 を見て「カラスというよりペンギンみたい」と思ったり、《三十三観音》 を見て「顔のパーツがVery Easy!」と思ったり、《千手観音》 を見て「足元の小坊主は誰だ?」と思ったりできる、小規模ながらも面白い展覧会である。

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