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ヌード NUDE - 英国テート・コレクションより

2018-03-25 18:28:01 | 美術[な]
「ヌード NUDE - 英国テート・コレクションより」@横浜美術館
 
 先週は人間の内臓の神秘に迫る展覧会に行ったが、今週は人間の外皮の神秘を集めた展覧会に行った。医学的な神秘に満ちた内臓と比べると、表皮が秘める神秘は皮膚病とか肌荒れとか言うことではなくて、精神的な神秘とでも言えばいいのかな。誰もが持っている裸体なのにちょっとポーズを変えただけで、それを見る者の心臓やら呼吸器、血管、瞳孔、生殖器、皮膚そのものにまで何らかの変化を及ぼすほどのパワーを持つ人間の外皮。丸見えなのに神秘的という、内臓とは一線を画すその能力は、人間社会の形成に多大なる影響を与えている。それが原因で、病気でもないのに死んだり殺されたり捕まったりする人もたくさんいるようだ。でも裸体に夢中の人を「ほとんど病気」と言ったりするので、これのせいで死ぬのも病死ということでいいかもしれない。

 そんな裸体をテートから130点ほど集めたこの展覧会の目玉は、オーギュスト・ロダンの大理石彫刻《接吻》、日本初公開だそうで、この彫刻のみ写真撮影OKとなっていて、ぐるりと回ってじっくり鑑賞できる。大理石のツルツル感と座っている岩のゴツゴツ感がいい感じにミックスされて気持ち良い。「ロダン彫刻でいちばんエロチック」と書いてあるけれど、そんなにエロくは感じない。エロさより美しさが際立っている。それでも昔は破廉恥だと罵られ布で覆われたという黒歴史もあるらしい。まぁ、ピカソの《首飾りをした裸婦》と比べれば百倍エロチックかもしれないが、ポール・デルヴォーの《眠るヴィーナス》のほうが、そこはかとなくプチエロス。

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