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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

外国に原発を売るのを拒否しよう! 自国の誇りと他国の平和のために

2013年05月21日 | 原発ゼロ社会を目指して

 

 自分のけつも拭けない技術を、他人に売るとは何事か。

 アベノミクスの「成長戦略」と称して、中東訪問時に安倍首相は原子力協定をUAEやトルコと結んできましたが、2013年5月29日に開かれる安倍首相とシン首相との首脳会談で、協議再開の方針を共同声明に明記する方向で調整しているのだそうです。

 原子力協定とは、物質や原子力機材などを輸出入する際、平和利用に限定して軍事転用を防ぐため政府間で結ぶ協定で、政府が署名し、国会が承認して発効します。

 つまり、原子力協定を締結するのは原発を輸出するために必要不可欠な条件ということになります。

 民主党政権は原発輸出に積極的で、東日本大震災前までにベトナム、韓国など4カ国と署名し、これとあわせて政権交代前に米国、フランス、EUなど7カ国1地域とすでに締結していましたが、福島の原発事故後、安倍政権下になってUAEやトルコと署名しましたから、日本との原子力協定は現在、ロシア、中国など12カ国・地域との間で発効しているのです。

 ここでも、野田政権から安倍政権への連続性が見て取れます。

安倍自民党政権は野田民主党政権の劣化版 自爆解散は密約による政権禅譲だったのか


 はっきり言って、福島原発事故と言うチェルノブイリと並ぶ最悪の事故を起こしておいて、しかもまだ収束もしていないのに、原発を他国に輸出して儲けようという「成長戦略」とやらは、非道徳的で無責任です。

 しかも、大型連休を利用した首相のロシア、中東訪問には、財界総本山の日本経団連はじめ、大企業など112の企業・団体が同行しました。このうち、自民党の政治資金団体「国民政治協会」に献金していたのは28社にのぼり、総額2億2752万5000円です。まさに、利権行脚です。これぞ原子力ムラ=核マフィアの面目躍如です。

 さて、トルコ共和国やインドは民主国ですから買いたいというのなら仕方ないかもしれませんが(よりによって日本から買うとしたらその見識を疑いますが)、UAEは政府の意思決定に国民がほとんど参加できないのですから、本当に気の毒です。

 しかも、一基何千億円という原子炉を、インドは18基も作ると言っていますから、その額は天文学的です。その利権、そこでのリベートやキックバックも大変なものでしょう。だから、インドやトルコも買うわけです。

 結局、日本と同じで民主国と言ってもインドもトルコも、一部の政治家と財界が儲けるだけで、国民の健康と安全が危機にさらされ、犠牲にされるのです。また、原発で儲けていては他国に脱原発を訴えることもできなくなります。

中国の原子力発電所が猛スピードで建設中 歯止めをかけるにはまず日本が脱原発するしかない


 輸出する側の日本で起きた原発事故の検証結果には、いまだ不明な点も多く、原発輸出についても、安全性は不確かだけど、貴国の電力事情に貢献できるので買ってください、というずさんな話だと言えます。

 日本国憲法の前文と9条が保障する平和的生存権は、一国平和主義ではなく、全世界の諸国民が平和の裡に暮らす権利を保障したものです。諸外国の国民を犠牲にして儲けるような成長戦略は止めようではないですか。

 それより、自然再生エネルギーや省エネ技術など日本国内で必須の技術を磨きあげて、どんどん輸出することが、日本が世界に信頼される国際貢献だと思います。

東芝のLEDがルーブルを照らす 脱原発・省エネ技術で国際貢献して再び「ライジングサン」になろう!

日本に陽はまた昇る 脱原発→節電・省エネ技術でライジングサンアゲイン計画を!

震災から四ヶ月 ピンチはチャンス! 再生可能エネルギー・省エネ技術で日本経済は再びライジングサン!

 

参考ブログ

安倍政権の原発輸出 原子力外交で復活するムラ    

 

 

また全部利権だ。

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2013年5月4日 04時01分 更新

日・トルコが原子力協定で合意、三菱重工など黒海沿岸に原発建設へ

安倍晋三首相は3日、トルコのエルドアン首相と会談し、両国が原子力協定を締結することで合意した。

 計画では、黒海沿岸のシノップに4800メガワット級の原発プラントを建設。同国では2カ所目の原発となる。三菱重工業(7011.T)や伊藤忠 商事(8001.T)、仏GDFスエズ(GSZ.PA)による企業連合が受注し、見積もり費用は220億ドル。企業連合の関係者によると、三菱重工と仏ア レバAREV.PAの合弁会社アトメア製の原子炉が採用される見通し。融資の大半は日本貿易保険(NEXI)と仏コファスが受け持つ。

 2011年の東日本大震災を経て、安倍首相は日本の原子力技術の安全性を訴えているが、今回の合意はそうした取り組みの成果とみられている。  

 

  

首相、原発輸出を推進 中東に22億ドル支援表明

2013.5.1 16:54
キング・アブドルアジズ大で講演する安倍首相=1日、サウジアラビア・ジッダ(共同)

キング・アブドルアジズ大で講演する安倍首相=1日、サウジアラビア・ジッダ(共同)

 安倍晋三首相は1日午前(日本時間同日夕)、サウジアラビアのキング・アブドルアジズ大で講演し、中東諸国への原発輸出など経済外交の推進を表明 した。政治・安全保障面でも関係強化に乗り出す考えも示した。テロ対策ではアルジェリア人質事件を受け、中東・北アフリカ地域の安定化に取り組む考えを打 ち出し「今後、22億ドル(約2140億円)規模の支援を行う」などと強調した。

 講演で首相は「中東との全く新しい関係、今までと異なる次元の結びつきをつくりたい」と訴え、「首脳同士、安全保障を担うハイレベルの当局者同士の間で不断の協働を図る」とした。

 中東歴訪中、原発輸出を可能にする原子力協定をアラブ首長国連邦(UAE)やトルコと締結することを念頭に「日本は再生可能エネルギーや、世界一安全な原発技術を提供できる」と主張した。(共同)

 

 日本とインドの両政府が原子力協定締結に向けた公式協議を再開する見通しとなった。協議は東京電力福島第一原子力発電所事故を機に止まっていたが、日本製原発の輸出へ加速させる。29日に東京で開かれる安倍晋三首相とシン首相との首脳会談で、協議再開の方針を共同声明に明記する方向で調整している。

 共同声明には「原子力協定の早期締結」といった表現を盛り込むことも検討。協定が締結されれば、インドに日本企業が原発関連の技術・物資を輸出できるようになる。

 協定に関する公式協議は2010年から3回開かれたが、11年3月の福島の原発事故で中断。日本の技術力に期待するインド側の要請で、民主党の野田政権当時の11年12月の首脳会談では協定締結に向けた努力を確認したが、協議は非公式にとどまっていた。

 日本の産業界も強みの原発輸出ができないダメージが大きいとして政府に協定締結を働きかけてきた。世界原子力協会によると、インドの原発は建設中が5基、計画が18基ある。インドとの関係と産業活性化を重視する安倍首相は締結に前向きに取り組む考えだ。

 核不拡散条約(NPT)未加盟のインドとの協定締結には、被爆者団体などに反対が根強い。民主党政権当時の10年には岡田克也外相が、インドが核実験をすれば「協力を停止する」と表明。協定締結の前提として、包括的核実験禁止条約CTBT)の早期批准などインドの核軍縮・不拡散の姿勢を重視する考えを示している。

     ◇

 〈原子力協定〉 核物質や原子力機材などを輸出入する際に、平和利用に限定して軍事転用を防ぐため政府間で結ぶ協定。政府が署名し、国会が承認して発効する。日本は米国やロシア、欧州連合(EU)、中国など12カ国・地域との間で発効。福島の原発事故後、安倍政権下になってUAEやトルコと署名した。 

朝日新聞 2013年5月18日

 

 共同通信の世論調査で、停止中の原発の再稼働の反対が賛成を大きく上回ったのに対し、政府の原発輸出の方針は「賛成」が41・0%、「反対」が46・2%で賛否が並んだ。

 国内の原発は福井県の大飯原発3、4号機を除き停止中だが、日常生活に大きな混乱はなく、現状維持を求める声が多いとみられる。一方、原発の機材や技術の輸出は、安倍晋三首相が大型連休中にトルコなどでトップセールスを展開したことで、一定の支持が広がったようだ。

 再稼働の「反対」は昨年5月の調査で56・3%、同年7月の調査で51・9%とほぼ同水準で、依然として反対が根強い。

 再稼働に反対との回答のうち約20%が輸出に賛成としており、再稼働に比べて輸出への賛否の差が縮まった。

 再稼働について支持政党別にみると、日本維新の会支持層は賛成が50・5%で反対の38・5%を大きく上回ったが、自民党支持層は賛成47・ 6%、反対42・8%、公明党支持層は賛成43・2%、反対44・3%で賛否が二分。民主党支持層では60・8%が反対、賛成は39・2%だった。

 男女別では男性が反対49・7%、賛成46・4%、女性はそれぞれ58・6%、28・7%だった。(共同)

 [2013年5月19日19時48分]

 

 

首相トップセールス同行企業

自民に献金2億3000万円

 安倍晋三首相のロシア、中東への「トップセールス」に同行した企業が、2011年の1年間に、約2億3000万円もの献金を自民党にしていたことが本紙の調べでわかりました。公表されている最新(11年分)の政治資金収支報告書で調べたもの。


三菱重は2兆円規模の原発受注

 大型連休を利用した首相のロシア、中東訪問には、財界総本山の日本経団連はじめ、大企業など112の企業・団体が同行しました。このなかには、財団法人や社団法人、農事組合法人なども含まれていますが、大半が営利企業です。

 このうち、自民党の政治資金団体「国民政治協会」に献金していたのは、判明しただけで、28社にのぼり、総額2億2752万5000円。(表参照)

 1000万円の献金をしていた三菱重工業は、トルコの黒海沿岸シノプに、フランス企業、アルバとの合弁企業で総事業費2兆円規模の原発を受注することに成功しました。その後、伊藤忠商事は、このトルコ原発の売電事業に700億円を出資して参画することになりました。

 安倍首相は、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイでは、中東初の無人鉄道運転システム「ドバイ・メトロ」を視察し、「日本製はスムーズな乗り心地だ」と日本の鉄道技術をアピール、インフラ輸出を後押ししました。

 このドバイ・メトロは、三菱重工業、三菱商事、大林組などの企業連合が請け負い、2009年に一部開通したものですが、献金企業では、三菱商事、大林組が首相に同行しています。

 首相は、ロシアでは、プーチン大統領との首脳会談で、シベリア鉄道や石油・ガス開発などで協力を確認しました。すでに液化天然ガス(LNG)基地 建設やガスパイプライン敷設などに関与している双日、伊藤忠商事、丸紅、三井物産といった大手商社や東芝、川崎重工業の幹部が同行しました。いずれも献金 企業です。

 首相のトップセールスは原発輸出などエネルギーにとどまらず、サウジアラビアやUAEでは、「農産物や医療分野でも貢献できる」としましたが、味の素、大塚製薬、キッコーマン、日清食品ホールディングスなどの献金企業が同行しています。

 自民党への献金企業が首相のトップセールスに同行して、利益をあげる―。財界・大企業との癒着の根深さを物語っています。

図

 

安倍首相、中東「原発売り込み」外交の成果は

2013年05月17日(金)14時08分 酒井啓子

 今月始め、安倍首相はサウディアラビア、UAE、トルコを歴訪した。首相の中東訪問は、安倍氏が最初に首相となった時以来の、6年ぶりだ。民主党時代には、外務大臣クラスの歴訪だけだったので、久々の首相外交になる。

 今回ほど経済外交の色彩がはっきりしているのは、珍しい。二年前には韓国の李明博大統領(当時)が、大量のビジネスマンを引き連れて湾岸産油国か らトルコなど各国を訪れ、建設事業から韓流ドラマまで、大々的な韓国製品の売り込みを行った。そのとき巻き返せなかった鬱憤が、ここに噴出したのかもしれ ない。

 日本製品、企業は中東で圧倒的な知名度と信頼を維持しているので、日本の対中東経済外交の復活は、現地の人々も歓迎するところだろう。遅ればせながら戦後復興ビジネスに参入が活発化しているイラクからは、「ようやく日本が戻ってきた」と、期待を寄せる声が聞こえてくる。

 だが、経済外交の目玉が原発というのは、なんともしっくりこない。原発自体の問題はさておき、原発は果たして中東社会が期待する「これぞ日本」と 言う製品なのだろうか。(ちなみに、原発輸出と聞いて、かつて80年代後半にイラクで囁かれていた噂を思い出した。突然東欧製の食品類が市場に安く出回る ようになったのだが、それはチェルノブイリで汚染されて先進国で売れない商品を、イランとの戦争で外貨のなくなったイラクに安く売りつけているからだ、と いうものだ。)

 70年代後半以降、中東のマーケットを席捲した日本製品は、車や家電から建設プラントまで、ありとあらゆる範囲に及んでいた。久々の売り込みでの 目玉商品が、そうした過去に知名度の高い製品じゃない、というのは、逆に心もとない。UAEで合意した原発建設計画も、韓国企業がすでに受注した大規模事 業の一部を任されるだけだ。経済外交完全復活とは、ほど遠い。

 さらにしっくりこないのは、日本の中東外交のもうひとつの柱だった仲介外交が、どこかに消えていることだ。前回安倍首相が中東歴訪した国で、今回 行かなかったのは、エジプトである。その前の小泉首相は、湾岸産油国も回ったが、イスラエル、パレスチナ、ヨルダンにも行った。つまり今回の中東訪問は、 中東和平問題を始めとする政治案件が抜けているのだ。

 かつて日本の対中東外交は、米国が仲介者として機能できないような対立関係において、陰に陽に仲介の役割を果たすことに、意義を見出していた。 80年代、米国と直接のパイプをもたないパレスチナの代表を日本に呼んで、米国との話し合いの道筋を模索したこともある。イランのハータミー首相を日本に 呼んだときも、米国が表立って動きにくい交渉事を引き受ける役割を持っていた。

 その意味での日本の役割は、残念ながら薄らいでいる。他方、そのような役回りを果たすのが、中国だ。安倍首相の中東歴訪の一週間後に、中国はイスラエルからネタニヤフ首相、パレスチナからアッバース議長を招聘して、中東和平交渉を積極的に主導しようとしている。

 「米国以外じゃないと果たせない」役割が、中東政治には多々ある。中東和平しかり、対イラン交渉しかりである。かつてはそれは日本に期待されてい た。いまや中国にお株を奪われ、経済進出では韓国の後塵を拝している。原発輸出以外の、日本にしか果たせない役割というのはまだちゃんとあって、中東社会 もそれ――つまり平和外交だ――を期待していると思うのだが。

 

 

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4 コメント

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国益よりも党益 (時々拝見)
2013-06-01 19:44:41
原子炉で…プルトニウムができるので、欧米各国から、非難ごうごう…国益に反するけど、党益の方が大事だから、まあいいか。
原子炉で…ウランの国際価格が上って国益に反するけど、、党益の方が大事だから、まあいいか。どうせ、国内の原発なんて、ほとんど稼動しないことは誰でもわかるし。

イスラム諸国との橋渡し、アメリカ外交にとっても日本は貴重な存在でした。
発電機つき湯沸かし器(文字化け防止のためカナ書き:アトミックボイラーウィズエレクトリックジェネレイター=ABE)の輸出やめませんか?国益のために。
返信する
むしろ輸出していくべき。 (でこぽん)
2013-05-24 20:33:14
相手国は原発の危険性を理解し、其の上で日本の原発を買おうと言っている。それを否定するのはある意味相手国
首脳への侮辱にあたる。彼らは原発の危険性を十分理解しているし、韓国と違って日本は保証もしていない。
だから日本に火の粉が降りかかることはないし、事故が起こっても責任は彼ら首脳にある。日本が強制的に海外に
原発を設置していたなら話は別だが、そうでもないのに他国での原発事故について日本に責任を求めるのはオカシイ。
第一国際的にも其のような場合日本に責任は振りかかってこない。契約書にもその旨がきちんと記載される。

相手は求め、日本がそれを与える。まさにWIN-WINの関係です。ココで取りやめれば彼らは日本に失望しそれらの国
からの信用を失うでしょう。そして彼らは日本よりも信頼度の低い国から原発を買わざるを得なくなり、却って其の国を
危険に晒すことになる。相手の安全を考えるなら日本はむしろここで堂々と輸出しておくべき。
返信する
止めた方が良い。 (ケイ)
2013-05-24 13:41:33
おそらく日本の原発の技術は世界一なんでしょう。
しかし原発は事故が起きると制御できないのは
福島の事故で明らかです。
万が一事故が起きそれが運転ミスだとしても
日本の責任となります。
わざわざリスクを背負うことはありません。
返信する
中立と言う名の欺瞞 (くろねこ)
2013-05-22 23:30:02
本文とは少し離れたコメントで有ること理解しています。
ただ、このことが全ての問題と考えコメントします。

中立。
聞こえは良いけれど其れは欺瞞です。
国策として原子力発電を容認している以上、NOと言わねばYESとなってしまう。

社会現象を理解するには日常に置き換えるのが最も容易いでしょう。

例えばクラスにイジメがあると仮定します。
イジメられている個とイジメている個群。その他はその事象に不干渉ゆえ中立と言えるかも知れません。
しかし、誰かが「イジメを止めろ」と言わない限りイジメという事象は続きます。

中立は無自覚な現実の肯定。
NOと言わない限りYESとなる。
その事に目覚めて欲しい、と切に願います。
自分を普通だとか常識だと言う人々に。
返信する

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