130人以上が亡くなったパリの同時多発テロ。
その中でも最大の犠牲者を出したバタクラン劇場で妻を失ったAntoine Leiris(アントワーヌ・レリス)さんがFacebookに投稿した手紙が共感を呼んでいるという記事。
涙が出ました。
Facebookでのシェアは、現在22万以上に及んでいます。
テロ実行犯に、「君」と呼びかけた手紙。
「金曜の夜、君はかけがえのない命を奪った。私の人生最愛の人であり、私の息子の母の命を。」
金曜の夜、君たちは素晴らしい人の命を奪った。私の最愛の人であり、息子の母親だった。でも君たちを憎むつもりはない。君たちが誰かも知らないし、知りたくもない。君たちは死んだ魂だ。君たちは、神の名において無差別な殺戮(さつりく)をした。もし神が自らの姿に似せて我々人間をつくったのだとしたら、妻の体に撃ち込まれた銃弾の一つ一つは神の心の傷となっているだろう。
だから、決して君たちに憎しみという贈り物はあげない。君たちの望み通りに怒りで応じることは、君たちと同じ無知に屈することになる。君たちは、私が恐れ、隣人を疑いの目で見つめ、安全のために自由を犠牲にすることを望んだ。だが君たちの負けだ。(私という)プレーヤーはまだここにいる。
今朝、ついに妻と再会した。何日も待ち続けた末に。彼女は金曜の夜に出かけた時のまま、そして私が恋に落ちた12年以上前と同じように美しかった。もちろん悲しみに打ちのめされている。君たちの小さな勝利を認めよう。でもそれはごくわずかな時間だけだ。妻はいつも私たちとともにあり、再び巡り合うだろう。君たちが決してたどり着けない自由な魂たちの天国で。
私と息子は2人になった。でも世界中の軍隊よりも強い。そして君たちのために割く時間はこれ以上ない。昼寝から目覚めたメルビルのところに行かなければいけない。彼は生後17カ月で、いつものようにおやつを食べ、私たちはいつものように遊ぶ。そして幼い彼の人生が幸せで自由であり続けることが君たちを辱めるだろう。彼の憎しみを勝ち取ることもないのだから。
“Vous n’aurez pas ma haine”
Vendredi soir vous avez volé la vie d’un être d’exception, l’amour de ma vie, la mère de mon fils mais vous n’aurez pas ma haine. Je ne sais pas qui vous êtes et je ne veux pas le savoir, vous êtes des âmes mortes. Si ce Dieu pour lequel vous tuez aveuglément nous a fait à son image, chaque balle dans le corps de ma femme aura été une blessure dans son coeur.
Alors non je ne vous ferai pas ce cadeau de vous haïr. Vous l’avez bien cherché pourtant mais répondre à la haine par la colère ce serait céder à la même ignorance qui a fait de vous ce que vous êtes. Vous voulez que j’ai peur, que je regarde mes concitoyens avec un oeil méfiant, que je sacrifie ma liberté pour la sécurité. Perdu. Même joueur joue encore.
Je l’ai vue ce matin. Enfin, après des nuits et des jours d’attente. Elle était aussi belle que lorsqu’elle est partie ce vendredi soir, aussi belle que lorsque j’en suis tombé éperdument amoureux il y a plus de 12 ans. Bien sûr je suis dévasté par le chagrin, je vous concède cette petite victoire, mais elle sera de courte durée. Je sais qu’elle nous accompagnera chaque jour et que nous nous retrouverons dans ce paradis des âmes libres auquel vous n’aurez jamais accès.
Nous sommes deux, mon fils et moi, mais nous sommes plus fort que toutes les armées du monde. Je n’ai d’ailleurs pas plus de temps à vous consacrer, je dois rejoindre Melvil qui se réveille de sa sieste. Il a 17 mois à peine, il va manger son goûter comme tous les jours, puis nous allons jouer comme tous les jours et toute sa vie ce petit garçon vous fera l’affront d’être heureux et libre. Car non, vous n’aurez pas sa haine non plus.
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でも、もうなんだかとても悲しくて、今日は記事をこれ以上書けません。
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パリ同時テロ 遺族の手紙に共感広がる
そして、手紙の最後には、
2015.11.20 06:15 産経新聞
【パリ同時多発テロ】
「君の負けだ」 犠牲者遺族のメッセージ、共感呼ぶ
【パリ=森浩】パリ同時多発テロをめぐり、被害者家族や事件に遭遇した関係者の悲しみは癒えないが、約90人が死亡したバタクラン劇場で妻を失った男性のメッセージが共感を呼んでいる。妻への変わらぬ愛を打ち明けた上で、テロリストが望むであろう憎しみを抱いていないとあえて言及し、テロリストの負けであることを宣告している。当事者はテロへの怒りを抱きつつ、立ち上がろうとしている。
「金曜の夜、君はかけがえのない命を奪った。私の人生最愛の人であり、私の息子の母の命を」
フェイスブックでテロリストへの手紙という形でメッセージを発信したのはアントワーヌ・レリスさん。バタクラン劇場で妻のエレーヌさんをテロリストに射殺された。
13日に自宅からバタクラン劇場へと見送ったが、数日後、エレーヌさんは無言の帰宅となった。
「今朝、何日も何日も待った末にようやく彼女に会えた。彼女はいつも通り美しかった。金曜の夜に去ったときと同じように。どうしようもなく恋に落ちてしまった12年前のように」
愛する人の命を奪ったテロリストたちには「もちろん、私は痛みに打ちのめされている。君に小さな勝ちを譲ろう」とした上で、こう呼びかけた。「私は君に憎しみを贈りはしない。君はそれを望んでいるだろう。君が僕がおびえることを、安全のため自由を犠牲にすることを、期待していただろう。君の負けだ」
エレーヌさんが死亡したバタクラン劇場で、事件発生時に公演していた米ロックバンド「イーグルス・オブ・デスメタル」も18日、初めてバンドとしての公式のメッセージを発表。「愛は憎しみに打ち勝つ」とした上で、「テロリズムに脅かされる全ての皆様と悲嘆を共有する。ベストを尽くし助け合うことで愛が邪悪に勝つことができる」と訴えた。
バタクラン劇場で友人を失ったウーゴ・タマスさん(30)は、産経新聞の取材に「怒って被害者が帰ってきたらいいがそうではない。われわれは耐えて、立ち上がっていかなくてはならない」と話した。
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私たちはノルウェーでも彼らに出会いました。
ノルウェー連続テロ事件生存者「私たちが共にどれだけ大きな愛をみせることができるか考えてみてください」http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/ebdb72dc2b24069d9844d4360f20ce9f
単に彼らが立派だということではありません。吸血鬼が太陽の光で灰になってしまうように”テロリスト"は、”恐怖”に負けることなく見返りを求めない愛を持って振舞うものが最も恐ろしいのです。彼らが求めているのは恐怖や欲得で激昂し、見境のない暴力を振るい醜さとご都合主義を振り回させることです。それこそが、”テロリスト"の求めることであり力の源泉であります。
ま、スピルバーグがSWでジェダイの騎士と暗黒卿に言わせたことですな。
恐れはダークサイドに通じる。恐れは怒りに、怒りは憎しみに、憎しみは苦痛へ。
May the FORCE be with You!
で、具体的には、みかこ姐さんの
元人質が語る「ISが空爆より怖がるもの」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/bradymikako/20151119-00051589/
>敵の欲しがるものは与えないのが戦いの鉄則だ
>ドイツの人々が移民を歓迎している写真は彼らを大いに悩ませた。連帯、寛容、・・・・それは彼らが見たいものではない。
パリ同時多発テロ:レトリックと復讐。その反復の泥沼
http://bylines.news.yahoo.co.jp/bradymikako/20151117-00051521/
>、実際にISの人質となってジハーディ・ジョンから命を奪われた犠牲者の遺族も、「彼を殺さないでほしかった」と発言しており、ヒッチェンズもそうした家族の一例をあげて書いている。
エムワジの犠牲者の1人、ジェームズ・フォーリーの母親の言葉を聞いてみるといい。彼女の言葉は、我々の市民文明とそれを破壊しようとする者たちの違いを具現している。
「ここアメリカでは、この精神を病んだ、哀れな若い男性の死を祝福していますが、私はそれに悲しみを感じます。ジェームズなら、彼の友人になり、助けようとしていたでしょうから」
彼女は、我々市民を守り、弱者を救うためではなく、復讐のためにリソースが集中投入されていることを無念に思っているのだ。
「息子がいたらこの状況全体に失望しているでしょう。彼はピースメーカーでした。こういうことが起きている理由をどうすれば私たちが理解することができるのか、息子はそれが知りたかったのです」
海辺のジハーディスト
一年前に書いた 記事ですが、再掲。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/bradymikako/20141014-00039947/
を読んで考えたらいいと思います。
私としては、 カナダ人のように、あるいはイラク戦争のときのスペイン人のように、まずは為政者を替えて戦争から手を引けばいいと思っています。
話が通じないなどとテロリスト以下の戯けたことを言う向きもいますが、ダーイシュは、日本を標的とするのは安倍の敵対する振る舞いのせいだとちゃんと説明しています。後藤さんの件に見られるように交渉もしますしね。話が通じない、交渉にならない・しない、まともな説明もしないのは安倍一派とネトウヨのことですよ。
自分の立場だったら...できないことです。
忘れられない四人の死刑囚 ( 日本人 ) のことを思い出します。
悲惨な境遇、社会の無関心・差別などを原因・遠因として、殺人を犯した者たち。
死刑執行で解決するのか。
でも自分が遺族だったら、死刑を望むだろう。
矛盾。空想の中だから、心が引き裂かれることはないけれど。
森達也さんは死刑廃止運動にも関わっています。森さんは死刑派によく問われる、「あんたの子供が殺されても犯人を死刑にしたいとは思わないのか!」と。森さんは彼らに答える、「もちろん犯人をこの手で殺してやりたいと思うだろう。司法が警察がどうであろうとも」。
森さんは続けて死刑派に問う。「では、あなたの家族が殺されたのですか?。そうではないですよね?」。死刑派は「自分の家族が殺されたわけではないが、殺人による遺族の心を思いやってのことだ(怒)」。森さんは「なるほど。あなたはいったい何人の遺族の方のお話を聞いたのですか?あなたは自分の気分や考えを、世間で言う遺族のイメージをダシにして言っているように見えます。殺人事件の半分は家族内で起きています。生き残った家族が家族である犯人の死刑をどれほど望むとお思いですか?死刑にしたらその家族は何人生き残ると思いますか?それはかえって家族にとって辛いことだと思いませんか?家族を更に死刑にすることで遺族の傷ついた心は納まるとお思いですか?現実の姿を見つめれば死刑制度の矛盾が見えてきますよ。私も家族を殺されたら激昂するでしょう。しかし、今、私は遺族ではないから感情的にならずに冷静に考える事ができます。あなたも遺族ではない、赤の他人なのですから感情的にならずに冷静に考える事ができるはずです。少なくとも、あなたは遺族をダシにすることなく自分の考え気持ちを言うべきです。それとも、自分の考えを自分の考えそのものとしてストレートに言うことに何か疚しさでもあるのですか?死刑制度の問題は全員の問題ですが、遺族ではない圧倒的多数の、私やあなたのような人間が遺族をダシにすることなく実態を見つめて冷静に考えるべきではないですか。赤の他人が、直接知りもしない人たちの自分の頭にある気持ちをダシにして、国民とかわれわれといった大きな主語を持ち出して好戦的なことを言うと必ず道を誤りますよ。」
今回の件でも同じ。6600万のフランス人の130人余りがなくなった。生き残ったのは、99、99998%程度。知り合いを考慮に含めてもほぼ全員が、亡くなった方の赤の他人だ。フランスの死亡率は1.5%弱というから年に約100万人がなくなる。つまり、今回の死者は概ね1万分の1。死亡統計で言えば毎年の変動よりも2桁くらい小さいだろう。
嫌な話をすればね。
これで激昂して、シリアの政府の許可もなくその領土領空を侵し、つまり国際法違反の先制攻撃であり侵略だ、巻き添えで主権なき異人種の貧民が死んでもかまわないとダーイシュもろとも爆撃しているのがフランスであり、それをフランス人が支持している。火星人の判事がICJで裁いたら、オランド以下は最高刑だろう。まあ、死刑はないから奴らは平気だろうがね。
想田和弘さんが
>強烈な皮肉を紹介する。
「テロ犯人がパリに潜伏してるなら、パリを空爆すればいいじゃん。いつもならそうするじゃん」
ギョッとするツイートだが、問題の本質を鋭く突いている。イラクやシリアやアフガニスタンやパキスタンなどで、米軍らは実際、そういう対応を平気で行っているのである。http://www.magazine9.jp/article/soda/24081/
と書いていたけど、ほとんどのフランス人も日本人も遺族ではない以上、爆撃する側、殺す側の論理の醜悪さ・身勝手さを冷静に見つめられるはずなんだけどね。
が、しかしそうでないのが悲しいかな現実なのですね。今日、ラジオで東浩紀と宮台真司がこう言ってました。
「政治家はどうしても空爆をする。と言わなければ社会が腐ってしまうのです。大多数の大衆・国民はリベンジを望んでしまう。」
考えれば、私たちの深層心理には必ず、やられたらやり返したい。という心理が必ずあります。
悲しいかな、国民、言い換えれば大多数の一般大衆は、ここに来られている皆さんの様な方達ばかりではないのではないでしょうか・・
法治国家では、個人の復讐を認めていません。
代わりに「法」が罰を与えています。
それが無ければ、人々は「安堵」しないのです。
みたいな事を言っていました。
一概に否定できないと思います。
もちろん、それが何の解決にもならない事も同時に言ってました。
難しいですね。奇しくもバードさんも「自分の立場だったら・・」と仰っているように、もし東京で同じ事が起こった時、日本の空気は「リベンジ」の空気に染まる確率が高いでしょう。
そして、政治家は何らかの形で「対抗」する政策を取らざるをえない・・。
自由・平等・博愛を国旗に掲げるフランスで、なぜ移民差別が横行し、貧富が生まれ、フランス国籍の人間がそれを憎み、ISに惹かれテロを起こしたのか。これが今回のテロの原点。完全平等で、全員が同じ報酬を得、同等の住居を持ち同等の幸せを享受できる社会・・理想郷ですね。それが実現しなければ、たとえ現在のISを根絶しても、これからも、テロリストは、生まれるでしょう。
頭の中が、混乱しました。この辺でやめときます・・まとまりの無い文章で申し訳ありません。
もちろん、この記事中のレリスさんの様な思想が、全世界を覆えば、それに越した事はないのですが・・
かつてアメリカ・ペンシルベニア州のアーミッシュの集落で銃の乱射による殺人事件が起き、直後に犯人は自殺した。その直後、被害者とその遺族を含む集落全体が犯人とその家族を赦すと声明を出し、世界に大きな衝撃を与えた。
我々人類は、悩みに悩みつつ、迷いに迷いつつ、結局はアントワーヌさんやアーミッシュのようにあることを目指さなくてはならないのかもしれない。
少なくとも、報復は次の報復を呼び、決して終わらない。それだけは疑う余地がない。
おお、私も日本の善男善女の一人だった?
地獄への道は善意の絨毯で敷き詰められている、と言うが。
偽善者と言われても、テロ犠牲者の家族の話を聞いて涙する。一方で無差別爆撃に巻き込まれた一般人の死に怒り、テロリストがなぜテロに加担するようになったか、考える。
結論。戦争で儲けている奴がいる。
そこが見えないのが問題。
それを知らせるのが、マスコミの仕事なんだけど。
その方に何の恨みも無いが、そのリンクを開くのには、ウィルス感染のリスクを感じ躊躇してしまう。
投稿本文が日本語なので、尚更、アラビア文字を使われるとちょっと不気味。
参考URLをやたら開けると、ウィルス感染するのですか?
1。どんなURLが怪しいのか、見分け方。
2。ウィルス感染したかどうか、どうやって分かるのか。
ぜひお教え下さいませ。
(いろんなの開けて見てるから、ぞわぞわゾクゾクします)
よろしくお願いします。
なおこのコメントの主ですが、このエントリではタカニシさんのコメントを丸写ししただけ。他エントリでは「ありがとうございました」の一言だけ。いずれもまともな意図があるとは思われません。私は削除して構わないと考えます。>rayさん