発毛関連会社のホームページに
「このまま悪くなるようなら、俺の通っているサロンの皆さんを殺しますから」
とした内容のメールを送信し、同社の業務を妨害した疑いで、32歳の飲食店店員の男性が逮捕されました。
この容疑者は
「この会社の発毛剤を使ったが、効果がないことに腹が立った」
と話しているそうです。
「このまま悪くなるなら」・・・という言葉に、切迫感というか哀愁を感じますね。「殺しますから」・・・・怖いなあ。「真剣」と書いてマジという気がする。
毛の恨みはげに恐ろしい。。。。
しかし、「サロンの皆さん」ってまさかお客さんも殺すのか!?髪の毛が増えた奴は余計許さんってか?それはアカンでホンマ。
とにかく、こりゃ、効果が無いことに思い当たる節もある会社としては業務が大いに妨害されるでしょうな(以上、もちろん、推定無罪)。
(物凄い効果のような、それでも薄毛のような・・・・)
さて、この事件で思い出したのが、初めて独立して事務所を作った時に受けた、〇〇〇増毛法事件です。
ある日、飛び込みでご相談に来られたこの男性は、確かにかなり頭部が寂しくなっておられました。
そして、なんと手にはご自分の抜けた髪の毛を多量に握りしめておられたのです(!)
この男性が一縷の望みを託して契約した会社は、植毛ではなくて増毛。もともとの地毛1本に3本の人工毛をくくりつけて増毛するという技法を売り物にしていました。
お客さんは増毛する人工毛を買い取るのですが、この男性は将来の予備分を含めて、なんと10万本を100万円!で購入したのです。
その一部を地毛にくくりつけ、ごっつ髪の毛増えて見えるでえ!と喜び勇んで自宅に帰られ、家でお風呂に入ってシャワーを浴びたら、ごっそ~~~っと髪の毛がとれて、排水溝に流れてく!
それを必死でかき集め、握りしめ、そのままうちの事務所に駆け込んでこられたのでした。
なんや、もう、可哀想なような、可笑しいそうな。まさに落魄の、いろんな意味で落ち武者的な相談者の方。これほど切実で、お気の毒な事件もある意味少ないです。もう、わたくし、張り切って強烈な内容証明を相手の会社に送りつけて、満額+慰藉料+弁護士費用も勝ち取って差し上げました。
(これはかえって増えすぎでは!?白髪まで治ってるし)
と、ここまで書いて思い出しましたが、そういえば女性の依頼者で、なんぼ脱毛してもむだ毛が生えまくってくるがな~~!という×××脱毛法事件もあったぞ、そういえば!
これもお気の毒に、めっちゃ痛い、電気の焼きゴテで毛穴を焼くとか言う、凄まじい永久脱毛法を何度もやったのに、この剛毛が薄くもならんわ!という、ある意味、さっきの男性の頭部に移植したい的な事件でした。
これも100万円以上を取り返したなあ。しかし、エステって高いところは本当に高いのですね。
本当は、あるがままの現実を受け入れられたら良いんだけれど、薄いと言っては笑い、肥えていると言ってはからかうのがこの社会の常ですからねえ。世にエステと弁護士の仕事の種は尽きまじ、といったところでしょうか。
でも、変えられないものはあるがまま受け入れると楽ですよ、ほんと。
(「40歳の童貞男」で、日系エステティシャンのガムテープを貼り付けては胸毛や腹毛をはぎ取るという荒っぽいエステで激痛に絶叫するスティーブ・カレル)
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毎日新聞 2012年05月29日 20時20分(最終更新 05月29日 20時38分)
発毛関連会社に「社員を殺す」との電子メールを送ったとして、愛知県警中署は29日、長野県安曇野市三 郷小倉、飲食店店員、栗田達也容疑者(32)を威力業務妨害の疑いで逮捕した。栗田容疑者は「この会社の発毛剤を使ったが、効果がないことに腹が立った」 と供述しているという。
容疑は4月25日午前1時ごろ、名古屋市中区に本社がある発毛関連会社のホームページに「このまま悪く なるようなら、俺の通っている(同社運営の)サロンの皆さんを殺しますから」などと書いた匿名のメールを送り、業務を妨害したとしている。同社は全国の支 店関係者の安否確認などをしたという。
中署によると、栗田容疑者は10年7月ごろに同社の顧客になり、長野県松本市のサロンで発毛のケアを受け、発毛・育毛商品を購入していた。4月ごろにも同様のメールがこの会社に送られており、同署が関連を調べている。