ほうとう・いろは

2021-02-19 13:58:36 | 紹介
まだまだ寒い日、冷たい風が吹き下ろす日が続く甲府です。
そんな時はあったか~いものが食べたくなります。

山梨で「あったまるもの」と言えば、
信玄公も陣中で食された(???)というウワサのほうとう!
当館でも、お客さまに「ほうとうのお店を教えて。」と聞かれることしばしば。

そんな時は「ほうとうMAP」を差し上げておりますが・・・

ほうとうもお店それぞれ。
豪快に鉄鍋でぐつぐつさせながら登場するほうとうあり。
お肉なしでも、山菜野菜のおだしで満足感一杯のほうとうあり。
入ってみて、食べてみてのお楽しみ😋 

ほうとう。小麦粉に水を加えて練って、のばして、寝かさず、そのまま切っちゃいます。
調理もシンプル。生のまま、かぼちゃなどの野菜やお肉を煮込んだ鍋に投入!
そのまま投入するから、汁にとろみがついて、「あったまるぅ」感、倍増です。
ちなみに汁は味噌ベース。

でも、これだけシンプルだから、意外といるのです。お仲間が。

群馬の「おっきりこみ」(こちらは醤油ベース)
深谷(埼玉)の「武州煮ぼうとう」
秩父(埼玉)の「ほうとう」などなど。

ほうとうって、いつから甲斐を代表する郷土料理になったんでしょう。
その始まり、実は定かではないようで。
でも、遅くとも、江戸時代に全国を旅した修験者・泉光院が甲斐を訪れた文化12年(1815)には、
ほうとうは「名物ハウトウ」として認識されていたようです。

では、なぜ「ほうとう」?なぜこのネーミング?

私たちがお目にかかれる、最も古い「ほうとう」は、
6世紀の中国北魏の時代に書かれた「斉民要術」(せいみんようじゅつ)という、
世界の農学史上、最も早い農業専門書にありました。
農業や牧畜だけでなく、衣食住技術に関しても言及する、
この書の中に、「水引・餺飥(はくたく)法」として、登場します。

「餺飥」とは、生地を薄くし、指で押すという意味。
いつ、日本に持ち込まれたかは不明ながらも、
平安時代後期の記録には、餺飥に「ハウタウ」というルビが。

突然ですが、「斉民要術」流、元祖はくたくクッキング♬
① 小麦粉をふるう
② ①に肉を煮込んだ汁を加えて練る
③ 生地を指で薄くのばす。親指の幅くらいが目安です。
④ 2寸(約6センチ)ほどに切る
⑤ 煮る!

今でこそ、親しみやすい郷土食、ほうとうですが、
実は実は、古代においては、特別な日のお料理にも一役買っていたとか。
ほうとうの意外な側面、気になります。

ちょっと長くなりましたので、、本日はこの辺で。
次回もお付き合いください。お待ちしております。

こちらも参考にさせていただいております😊 
山梨県立博物館、企画展「甲州たべもの紀行」(2008年)
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特別展示室内の展示替えしてみました。

2021-02-16 17:20:49 | イベント
信玄ミュージアムは、毎週火曜日が休館日です。
そんなお休みの日でなければできないこともありまして。
今日は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う臨時休館中に行った展示替えから、
そろそろ半年が経ちますので、
特別展示室の映像点検作業と展示替えを行いました。


当館は、信玄ミュージアムを冠していますが、信玄公がお住まいだった館跡の
ご紹介がメインですので、展示物も出土品が中心です。
そのため、展示品の種類には限界があり、大きく様変わりするのは難しいのですが、
今回は、紙のものを増やしてみました。
「えっ、何が変わったの?」と思われてしまうかもしれませんが・・・(汗)
すでにいらした方が間違い探しのようにならないことを祈るばかりです。

今年の秋には信玄公生誕500年を迎えます。
歴史的にも大きな節目を迎える1年ですので、当館でも武田が用いた「すっぱ」(忍者)のごとく、
信玄公関係の資料情報を調査し、人知れず密かに、水面下で諸々の企画を考えています。
企ての一部を漏らしますと、春から各地に遺る信玄公ゆかりの宝物など、
普段お目にかかることができない品々を、少しずつ展示できるように調整しています。
また、それに合わせて、というわけではありませんが、限定御城印の配布も考えていますので、
諸々段取りが決まりましたら、随時、このブログなどでお知らせいたします。
来館される皆様が少しでも楽しんで学んでいただけるようにしたいと思いますので、
感染拡大などが落ち着きましたら、ぜひ、気軽にお立ち寄りくださいませ。

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戦国武将のバレンタイン!?

2021-02-14 17:21:07 | 紹介
本日2月14日は、言わずと知れたバレンタインデー💘

チョコレートの来日(!)は、18世紀ごろ。
長崎でオランダの方からもらったものリスト📝に記された「しよこらあと」が最初の記録とか。

信玄公の生きた戦国時代では、とても味わうことのできなかった嗜好品ですが、
それでも、甘~いものはあったはず。

山梨県立博物館が復元した、信玄公のハレの日の料理。
饗宴のめくるめくご膳の最後には、金銀美しく盛り付けられたお菓子7種も再現されました。

企画展「甲州食べもの紀行」(平成20年)

勝頼公の時には、城下町の中でも、重臣の屋敷が立ち並ぶエリアに「京饅頭屋」なる菓子屋もあったとか。
公家の娘を妻に、また和歌などの京文化も嗜んだ信玄公です。
京からわざわざ菓子屋を招いていても不思議ではありません。


・・・今どきは、バレンタインチョコの種類もどんどん増えて、
本命チョコに、義理チョコ、世話チョコ、友チョコ、自分チョコ、そして逆チョコも。
バレンタインデーは眼中にございません(!)派も。

戦国の世、バレンタインデーはなかったにしても、
お館さまも、何かと、ほうぼう気を遣ったのではないでしょうか。
儀式饗宴に、人を招けば引出物を、招待を受ければ手土産を持参するなど、
陰に陽に、いろいろな配慮があったはず。
「義理饅頭」に「世話饅頭」も、年に一度じゃ済まなかったのでは!?
現実問題、お饅頭だけってのもなかったとは思いますが、そこは置いといて💦

それに、なんといっても、戦国のストレスフルな時代です。
甘いものを欲しないはずがない!?
いやいや、武士たる者に、そんな甘っちょろいものは不要!?

でもでも、時には「自分饅頭」もあり(!)だったんじゃないですか😉 
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甲府生まれのおひなさま

2021-02-12 16:18:37 | 紹介
今年の旧正月は2月12日(新月🌚)です。
中国などでは旧暦のお正月を祝い、日本の三が日のように連休になるとか。

今日の日本では、旧暦にそった行事はあまり残っていませんが・・・
もちろん、全くなくなってしまったわけではなく、
例えば、山梨では、桃の節句は旧暦の3月3日、
ひと月遅れの4月3日にお祝いします。
農作業や養蚕業との兼ね合いからとも、桃の花の見ごろに合わせてともいわれます。


今年、旧堀田古城園では、甲府市民俗資料館※からお借りした
2種類のおひなさまを展示しております。
※甲府市民俗資料館は、現在、見学の受け入れを中止しております。ご了承ください。

ひとつは、押絵雛(おしえびな)

江戸時代、信州・東北を中心に作られたおひなさま。
江戸末期には、甲州でも押絵雛が作られるようになります。
「押絵」という呼び名に落ち着くまでは、衣装人形、衣装絵とも呼ばれたようですが、
羽子板の飾りにもある、綿を布でくるんで立体的に仕上げたものも押絵です。

もうひとつが横沢雛(よこざわびな)
横沢とは、武田氏館跡からそんなに遠くないエリアです。
旧横沢町の雛問屋が、質素な素材で作ったおひなさま。
明治・大正期には、籠に入れたおひなさまを、
「ひなんどう、ひなんどう」と、売り子が農村を行商する、そんな風景があったとか。

今回は、お内裏様とお雛様にお仕えする(?)人形たちの展示ですが、
その表情や持ち物などの細部にも、ぜひご注目を👀

典型的なお雛様の「この方にはこの事物」、といった決め事にとらわれず、
何だか生き生きとしています。
手足の芯には針金が通されていて、ポーズも自在だった(!)と聞くと、
なおさらに幸せなおひなさまに見えるのは、・・・気のせいでしょうか。


現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、
旧堀田古城園の室内は、庭からのご見学をお願いしておりますが、
チェックシートのご記入で、主屋への入室が可能です。(無料)
ご希望の際には、当館の総合案内にお声がけください。


おひな様は4月初旬までご覧いただけます。
武田神社や信玄ミュージアムにお立ち寄りの際は、
甲府のおひなさまにも、会いにいらしてください。
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これも冬のお楽しみ(^_-)-☆

2021-02-10 20:10:05 | 紹介
立春を迎え、旧堀田古城園の梅も少しずつ花開き・・・


とは言え、1年で一番寒い如月です。
朝はまだ氷点下❆の甲府では・・・
がんばり屋の霜柱が地面を持ち上げて💦

もっともっと持ち上げて💦💦


ついには自分がワラビみたいになっちゃいました(゚д゚)!

お近くにお寄りの際は、霜柱をざくざく踏みに、当館にもお越しください。
お天気が良ければ、信玄公も愛でた富士山🗻がよく見えます・・。
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