2012年4月号 悲惨な事故

ロドワー地方で３６名が死亡、８４名が重傷を負う事故が起きた。 難民達はエルドレットバス会社からの補償をいまだに待っている。

2011年9月24日、土曜日、カクマ沿いのナシガー、ロドワー通りでエルドレット社のバスが暴走し、３６名の乗客が死亡、８４名が重傷を負った。事故は午後5時30分頃、バスがロドワーへ近づいた所で起きた。カクマからキタレとナイロビを経由し、ロドワーへ向かおうとしていたバスは、道路のくぼみにひっかかり横に倒れて回転した。横転時に前輪がはずれそれが原因で死傷者が出た。「バスは猛スピードで走り、屋根が地面について止まるまで何回も回転した」と、助かった人が話している。

UNHCRは遺体を収容してカクマの二つの墓地へ輸送する手続きをとった。そして翌日の午後4時30分に遺体は埋葬された。ロドワー地区病院では警察が遺体の死亡証明書を遺族とUNHCR職員に発行した。

道路が悪いのにバスはスピードを出していたと、助かった人々が証言している。エチオピア難民のトゥラによると、「バスはスピードを出し、私の記憶では事故当時人が大勢乗っていた」そうだ。

現場に最初に到着した赤十字の救助隊によると、この時期の最悪の事故だという。当局によると前輪は車体からはずれており、遺体の損傷はひどかった。スーダン人の女性は、「バスは定員オーバーで、乗客の一部は事故が起きた時立っていた」と言っている。

情報筋によると事故の緊急処置の為、国際救済委員会から医師２人と看護士１人がロドワー地区病院に派遣された。７人の難民はさらなる治療の為にナイロビへ搬送された。

ナシガーは以前から危険な場所として指摘されていた。この道路では不注意と交通渋滞により何件かの交通事故が多発している。1月29日午後2時45分には、ロドガー・カクマ間の高速道路がナシガー中心部にさしかかるところで、ケニア警察の警備車の後輪の右タイヤがパンクした。タイヤのパンク後、運転手はハンドル操作ができなくなり、車は木に衝突しひどい損傷を受けた。バスはUNHCRの職員を乗せてキタレから帰る途中だった。

当局のレポートによるとその車両には数人の乗客がいたが、主に警察官の他、キタレから乗ってきたカクマを拠点に活動する人道支援団体のスタッフもいた。5人の警察官が体と手足を負傷し、3人の乗客はロドワー地区病院に搬送され、救急処置と治療を受けた。重傷者は2012年1月30日、月曜日に警察の航空機でナイロビに搬送された。他にもカクマの人道支援団体のスタッフ3人が事故の巻き添えになった。

死亡者36人の遺族のうち7人の難民の遺族はUNHCRカクマ事務所と裁判所からの助けを借りながら補償を待っている最中だ。訴訟はケニアの裁判所で行われ、遺族と負傷者にいくらの補償金が払われるかがケニアの法律により決定される。

2011年12月16日の会合で難民の遺族はUNHCR職員から、2012年1月以前に裁判所に提訴されるかも知れないと言われた。しかし、これはいまだに実現せず、難民は待ち続けている。