〈申し込み用紙なんてない〉
--カクマ・キャンプの障碍者難民が書いた匿名の詩--
申し込み用紙なんてない
障碍者になる申し込みなんて
もしあっても…
僕がそこに記入するわけがない
なんて生きづらい世の中なんだ
誰かが僕を見ている
役立たずの生き物として
でも彼らはわかっちゃいない
彼らはわかっちゃいない
そっちこそ役立たずだってことを
そっちにはできなくても、こっちにはできことだってあるのにさ
道で
人々がハッとして
こっちを見つめる
僕が天から降り立ったとでもいうように
ある人は慈悲深い顔で
ある人は無知の瞳で
外見で判断しないでほしい
車椅子と松葉杖
それは体を運ぶ道具
僕の体の一部ってわけじゃない
僕にも血の通った足がある
だからもし障碍者を見ても
笑わないでほしい
ひょっとすると、きみもこうなるかもしれない
だって申し込み用紙なんてないんだから
もしあっても…
僕がそこに記入するわけがない
【写真】キャンプの中の「若者と文化センター」の壁に描かれたアート
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