Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2010年6月号  詩2編

2010年11月17日 | アート
〈 どこかから 〉

予期せぬところから
考えもしなかったのに
突然やってくるのは
糸のようにはりつめた
静けさを破る考え

その考えは今までどこにあったのか
どこに存在していたのか
どこからどうやって来たのか
ああ!その考えを僕は捕まえた
滅多にないことだけれど
一瞬だけ僕に身を委ねて
僕の思想を操って膨らませる
人間というものを懸命に理解して
矛盾に満ちた世界を
見て触れて共有するために
人間は賢いと思う
その賢さゆえに収拾のつかないことになった
耳が聞こえず愚かだったら
もっとかけがえのない存在になっていたのに
知的な生き方とは
強者が生き残り
弱者をむさぼって
ライオンのように力強く立ち上がり
威嚇して怒鳴ること
人間として
憧れるのは
はるか昔 太古の世界
知恵や経験、
知識や本能がどこから来るのかは
誰も知らない
いつしか何らかのかたちでやって来て
人間を見ている
楽しんでいる人や苦しんでいる人を…


〈 ロイ・ナキイェンバの思い出 〉
ジュンブウィケ・サム作

7年と、そして10年が過ぎた
うら若いロイが
優れた知性とともにこの世を去ってから
皆が語るのは
まだ記憶に残るロイ
皆よりはるかに優れた
気高い女性、本物の神の子、
常に信頼に応え正直で、
皆を思いやり、誰も恨まない
洗練された知性溢れる女性
何事にも強い意志を持ち
やり手の弁護士も
かなわない知性に満ちている
僕は何度も立ちあがり、熱い思いで考えた
ふたりで一緒に過ごしたときのことを
ふたりで人生のあらゆる喜びを見つけた
僕は鮮明に思い出す
ともに抱いていた夢のことを
アランやリリアンやウィニーと
いっしょに旅した道のりを、そしてともに経験した困難なときを
きみはもう逝ってしまったようだ
でもきみが僕たちに囲まれていた場所では
輝く星が今も僕たちを見下ろしている
いまだに輝く星の下で、僕はろうそくに灯をともし続ける
どうか安らかに眠ってほしい


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