Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2012年7月号 難民のトラウマ治療

2012年12月21日 | 人権
カクマキャンプでは、多くの難民たちがPTSD (心的外傷後ストレス障害) に悩んでいる。彼らは故郷を離れなければならないが、それ自体がトラウマとなる。多くの人が、レイプや身近な人が殺されるなどの暴力行為の経験を持つ。困難な放浪の旅の後に、やっとキャンプにたどり着いても、苦しみ続ける。

国連難民機関(UNHCR)は、キャンプの難民たちの肉体的安全は保護すると請け合っているが、実際にはそうでもなさそうだ。女性や子供たちはしばしば他の住民に虐待されているし、彼らを守るべき役人にさえ虐められている。キャンプでの生活環境は正常な状態とはかけ離れているので、住民たちの生活感覚や振る舞い、どんどん悪くなっていく。

難民たちが持つ心や精神面での傷は、肉体的な病気やけがに比べて治療がより困難で、長引くものだ。彼らの経験はトラウマとなり、精神的後遺症や心の傷となる。しばしば、パニックに陥る。特に子供たちにはカウンセリングが必要だ。彼らは、どんな人間でも耐えられないような出来事を目撃し、経験してきている。ところが、UNHCRも他の国連機関も難民たちへのトラウマ治療を始めようとしない。

難民の中には、カクマに10年以上住み、野営政策のもとで弱い立場に置かれていたために、精神病を発症した人たちもいる。人は生活の仕方や人生への見方で変わるものだ。人間が、食料用に生かされるだけの家畜のように番号を打たれ、或いは終わりの見えない中で、いわば調教されるような場所は、壊れてしまった社会と言ったほうがいい。キャンプが一時的な、或いは恒久的な施設かにかかわらず、難民を番号で識別するような社会には、疑問を感じる。

我々は、UNHCRや他の国連機関、NGOに対して、カクマキャンプの住民にトラウマ治療が施されるよう検討してもらいたいと強く望む。難民たちが、彼らの古くからの伝統にしたがって歌や踊りを楽しむことも、トラウマから癒されるお金のかからない一つの方法ではある。しかし多くの難民は、専門家のカウンセリングによる治療を望んでいる。可能な限り早急に、キャンプでこれらのことが実施でされることを期待したい。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿