理系母の療育と自閉症児の成長の記録

3歳で自閉症スペクトラムと診断された息子。約3年でDQ57→97。14歳で診断が外れ,高校受験を経て通常学級デビュー。

中学生の浅知恵に理系父母が徹底抗戦1

2021-12-05 16:14:44 | 育児

ご無沙汰しております。理系母です。

 

このブログを始めた頃,小学生だった息子も中学生になりました。そして成長するにつれて余計な“知恵”をつけてきて,あの手この手で親の目から逃れてゲームをしたり,屁理屈を言って親を困らせるようになってきています。

 

昔はある意味,素直すぎて人の目から逃れて何かすることなんてとても考えられない子だっただけに,ずいぶん成長したもんだと感心しつつも,対策を考えます。

 

ところで私は研究職が長く,「理系母」と名乗っていますが,夫も実は生命科学系の研究職に就いています。そして二人共,テーマは違えど研究開発をしているという,ちょっと変わった家庭です。

研究開発は基本,できないことをできるようにする方法を考えるのが仕事なので,家の中のことでも,何か問題があれば徹底的に原因や要因を分析し,一つ一つ解決していくというスタンスをとってしまうところがあります。職業病でしょうか。

 

とはいえ自分たちも仕事が忙しく,子どものケアや問題対策にあたるには手が足りないので,AIスピーカーや遠方の親(じじ)の力を借りています(過去記事:「電子」,「電子母の進」,「電子母とリアル母」を参照)。

 

ちなみにAIスピーカーに関しては,3LDKのマンションにAmazonのEchoシリーズとGoogleのNestシリーズを各5台置いて,家の中でどこにいても使えるようにしています。

これらがあると,AIスピーカーに「タイマー○分」とか「○時にアラーム」と言うだけでタイマーやアラームを設定できるので,子どもにゲームの時間の終わりや勉強の開始時間を簡単に通知できるようになりました。

AIスピーカー導入前はタイマーを用意して設定していたのですが,タイマーを何個買ってもすぐにどこかにやってしまうし,タイマーが見つからなくてタイマーをセットできないという問題があったので,この最初のハードルがなくなっただけでもすごく楽になりました。

 

しかし,家中でゲーム終了を意味するアラーム音が鳴り響いたところでゲームをすぐにやめてくれる息子ではありません。

「もう時間だよ」と促したところで「あと少しだから…」と言って延々とゲームを続けようとします。これに対して無理やりゲームを取り上げると逆ギレして次の行動に移れず…といった問題も。

私はこれに対し,研究で重要な「記録を取る」という行為で対抗しました。

私は常にApple Watchを身につけていて,ストップウォッチの機能がすぐに使えるような状態にあります。

スピーカーのアラーム音を無視して息子がゲームを続けようとする際は,おもむろにAppleWatchをつけている腕を出し,

「母さんは忘れっぽいんでね,忠告を無視された時間は記録しておくから」と言ってストップウォッチのカウントアップを開始します。

そして続けざまに

「母さんは恨みっぽいんでね,次に H(息子)がゲームしたいからロック解除してって頼んできても,今,無視された時間と同じ時間無視するからね」,と淡々と説明します。

大体の場合,これで数分内に「ごめんなさい〜」と言ってゲームをやめてくれます。

 

またうちでは,ほかの問題も記録しやすいように,Googleのスピーカーと「IFTTT」というアプリを連携*させて,音声メモを記録できるように夫・理系父が設定してくれました。

これは「OK Google (息子の名前),〇〇時から宿題やると約束した」などのように,トリガーとなる言葉(ここでは息子の名前)を設定しておくと,それ以降の言葉がメモとして他のSNSの特定チャンネル(うちではSlackを使用)に投稿されるような仕組みです。これによって,手を離せない状態でもしゃべるだけでメモができ,しかもそれを家庭内で共有できるので,夫も遠方のじじばばも即時に情報を知ることができます。

 

ただこんなことも毎回くり返すと面倒なので,息子の使うSWITCHやタブレット,スマホのWiFiが決まった時間しか使えないように夫が設定してくれました。

これは時間制限機能のついたWiFiルーターを使うことで可能になります(使う端末ごとに設定できるので,親のスマホやPCは1日中アクセスできるように設定も可)。

これによって,例えば21時になるとWiFiがブチッと切れてネットに繋がらなくなります。

これが不思議なもので,親が注意してWiFiや端末の電源を切ると子どもは怒るのに,予め設定しておいて自動的に切れるとすんなり納得して諦めるのです。

ゲームを開始するにも,やるべきこと(食事や入浴,宿題,明日の学校の準備など)を終わらせた上で親がロック解除をしないとできないような仕組みにしているので,息子もWiFiが使えるうちにゲーム時間をかせごうと,やることを必死で終わらせるようになってきました。

 

なお,夫が息子にいつも言うセリフは「WiFiにひれ伏すがいい」です。

 

*追記:IFTTTの連携はAmazonのEchoでもできるようです。

 

つづく


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