息子のこだわりへの対処法は先日のブログ「消えた“こだわり”」で紹介しましたが,癇癪を起こすことはこだわり以外にもいろいろあり,間違って覚えてしまった言葉の意味を修正するときにも一苦労ありました。
例えば電車のおもちゃで遊んでいたときのこと。
一緒にレールをつないでいると,切り替えのパーツを指して「ふみきり!ふみきり!」と,連呼します。
そこで母が「これはふみきりではないよ,切り替えだよ」とやさしく教えるのですが,
「ふみきり!ふみきり!!ふみきりー!!!」と言い張ります。
母がどんなに口で説明しても,まったく聞かず,癇癪をおこすばかり。
ここで,“母”が“言葉”で説明することが無駄だと判明したので,別の方法をとることにしました。
もっと多くの情報を知っている大先生に,例示してもらうのです。そう,googleの画像検索です。
私はパソコンを持ってきて,ウェブブラウザで「電車,きりかえ」と入力して画像検索結果を表示しました。画面一面に本物の電車の切り替えポイントやプラレールの切り替えパーツの写真が現れます。
私は「ほらね,これが切り替えでしょう?」と,説明しました。息子はだまってじーっと見入っています。
続いてふみきりの画像検索結果を示します。おなじみの黄色と黒のバーに信号機がついた写真がたくさん表示されます。
息子はこれらの画像をだまってじーっと見た後,納得してくれたようで,これ以降,どちらの言葉も正しく使ってくれるようになりました。
また,こんなこともありました。3歳8カ月のときのことです。
息子はジグゾーパズルが好きだったので,パズルで一緒に遊びながら,そこに描かれた絵を見て「“窓”があるね」「“男の子”が遊んでいるね」と,一語一語教えるように語りかけていました。
そのパズルの絵で,ヨーロッパ風の家の屋根の上に煙突があるのを息子が見つけました。息子が「何?」と聞くので,「煙突だよ」と答えました。
ところが,息子にとって“煙突”とは工場から空に高く伸びた煙突のことを意味していたようで,「えんとつじゃない!えんとつじゃない!」と認めてくれません。言葉がつたなくうまく説明できないため「(♪数字の1はなあに?)♪こうじょうのえんと〜つ!」と歌を例に出して,涙目で訴えます。
母も「それも煙突なんだけど,煙突にはいろいろあって,世界のお家にはこういう煙突もあるんだよ〜」と説明しましたが,納得しません。
「じゃあ,google先生に聞いてみよう」,私はこう提案して,パソコンで「煙突」の画像検索結果を提示しました。最初の方に提示される写真のほとんどは,息子が言うような工場の細長い煙突ですが,ちらほらパズルの絵に似た石造りの煙突もヒットしています。さらにスクロールをしていくと,屋根の上でサンタクロースが煙突を覗き込んでいるイラストがありました。(↓これは母による再現イラスト)
そこで私はすかさず,息子が保育園で習っている歌を歌いました。
♪あわてんぼうのサンタクロース 煙突のぞいーて落っこちた♪
息子は瞬時に理解したようで,自分が間違っていたのが悔しかったのかおいおい泣き始めました。それもしばらくすると落ち着きました。
そんなこんなを繰り返すうちに,自分の主張を貫き通そうとすることも減り,わざわざ画像検索結果を示さなくても母の言うことを聞いてくれるようになりました。
小学校入学以降,自分の考えに固執することや思い込みに対する間違いを指摘されて癇癪を起こすことはあまりありません。(現在たま〜にある思い込みとその対策についてはまた別の記事で述べるとします)
よくわからなかったり,自分の理解を確認したかったりするときは,「母さんパソコン見せて」とか「母さんパソコンで調べて」と自分から 言ってきます。