巨匠、松本清張氏の作品だ。
1987年刊行の、底本を、平成20年、新しく刊行したそうだ。
8代将軍吉宗の代。
ご存じ大岡町奉行の意外とも見える采配ぶりに、政道のやみを見た思いがする。
ことは、吉宗の後継者、嫡男の異常ぶりに端を発する。
片や、後から生まれてきた次男坊は聡明な息子だ。
家康の世からの、長子を立てる慣習を覆しては…との思いに悩む吉宗。
目安箱に入れられた、1通の上書が発端となり…。
筋太の読み応えある作品だった。
それにしても、9代将軍になる人って、こんな人だったのか…と、継承していく難しさを
知る思いがする。