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第2弾:蒼い時のドリームキャッチャー57話

2023-09-18 06:26:42 | 第2弾:蒼い時のドリームキャッチャー


最終話


義理の父母の自宅(ラーメン店)へ戻ると紀華は直也を見ていて成長します。人見知りで騒がしい事が嫌いで細かい事に慣れてきた紀華と普段の生活に戻ります。しばらくすると保育園から中学までの幼なじみで告白された小幡優子(おばたゆうこ)が夕方に店に顔を出した。3年ぶりに会う直也と優子には言葉が出なかった。その2人の間を通るように紀華が直也に声をかけます。
「直也、今日ももう少しで終わりだね」
直也の表情に変化があったのを紀華は見逃さなかった。ラーメンを食べ終わった優子は直也に一言も声をかけずに店を出て行きます。
「ねぇ直也、私達って一緒にいようね、いつも一緒にね」「あぁ、いいよ、いつまでもな」
直也の全てを見ていてくれる紀華に直也は答え2人は顔を見合わせて笑顔を見せていた。小幡優子も直也の生き方が理解出来るようになっていたようです。直也と紀華の会話と顔を見合わせる姿を見て幼なじみの優子は安心したように350円をテーブルに置き店を出て行きます。
「ごめんな優子、本当にごめん」と呟く直也でした。
「どうかしたの?浮気とよそ見は禁止だからね、しっかり私を見てくださいね」
「うるさくなったなぁ、わかってるよ、そんな事もう解かってるよ明日は晴れるかな?」
直也や関わりのあった仲間達の心の成長は環境の変化や出会いと別れの繰り返しによって全てが変わったのです。久美子が作り始めたドリームキャッチャー。久美子との永遠の別れ。直也の環境が変わると典子が久美子の後を受け継ぎドリームキャッチャーを作り始めて仲間達に配りアクセサリーなのに6年間のドリームキャッチャーは一体何の意味があったのだろう。久美子は「お守り」として典子は仲間達の為に作っていたのです。直也や真一と春樹は大切なものとして久美子の思い出として時には支えとして知らぬ間に握りしめていました。少なくとも直也の6年間には様々な出来事があったが全てにドリームキャッチャーが関係を持っていたのです。時の流れと共にドリームキャッチャーの役割が変わります。春樹の伝説が徐々に静まる事でドリームキャッチャーも役割を終えていきます。久美子は先々の直也の生きて行く姿が見えていたのでしょうか。春樹の死も春樹のいた街へ行く事も春樹の思い(志)の後を継いで行く事も典子や紀華に出会う事も多くの仲間達が出来る事も全てを知っていたのでしょうか。直也は握りしめるドリームキャッチャーを見ながら思う事があった。何故ドリームキャッチャーであるのか?何故?仲間達は大切にしてくれたのか?今も大切にしているドリームキャッチャーを手に取り見つめていると久美子の面影がふと浮かんでくるのです。もう久美子に会い聞く事は出来ないが久美子の口癖はいつも「秘密」と「いつも一緒だよ」でした。空を見上げ久美子の事を思い出す直也でした。「前を向いて歩いて行こうね直にいちゃん」久美子の声が聞こえた気がする直也でもあったのです。養子縁組の話は直也の実家と春樹の実家で高校へ入る前から話し合いがもたれていたようです。高校へ通い始めた直也の成長を見ながら最終的には直也が決める事という事で様子を見られていました。高校1年生から直也は心の葛藤(バトル)と共に同学年の仲間達からの信頼関係がつくられ春樹と同じような生き方をしていたが直也は春樹とは別に生き方を見つけます。尊王寺学園を卒業していても仲間達の信頼はなくならず叔父は実家の父にその様子を話していきます。養子縁組の話を直也が聞いたのは高校3年生に入ってからです。高校生活の中で直也は自分のすべき事を考えていました。ラーメン店には卒業しても多くの仲間達が立ち寄ってくれます。過去の事から直也は全てを受け入れる事ができ本当の自分を見つけていたのです。今後の直也のすべき事は春樹がいた街に残り春樹と作ってしまったものを整理して行かなければならないと考えます。学生達を迷走させる春樹と直也の伝説を消し去り静かな街に戻さなければならないのです。直也は実の両親と叔父叔母と話し合い養子縁組を受け入れる事にしました。実の母は最初は反対でしたが実家には直也には弟の直継がいます。母の心の整理がついた時には養子縁組によって義理の父母の元で生きて行く事になります。直也は紀華を実家に連れて行きます。紀華は実家の直也の父と母と会い今後の事を話していきます。紀華は直也の父母と義理の父母から認められ直也との婚約となり紀華と直也には2組の父母が出来ました。直也のすべき事を紀華は知っています。紀華は直也を支えながら今後生きていく事になります。成人式後には直也は調理師免許を取得し紀華の思いを受け止めていきます。卒業して3年後には同窓会がありました。直也は会場の場で紀華への思いを告白し婚姻届を役所に提出後には直也の1歳の下の紀華は管理栄養師の資格を取得し直也と紀華はラーメン店の後継ぎとなります。直也と紀華が直也の実家に行くと衝撃的な真実が明らかになり伝えられますが春樹の写真を見ていた事で直也は髪型は違っていても自分と同じ顔で春樹との関係を薄々もしかしてと感じていたのかもしれない。写真の春樹の髪型はリーゼントで部屋の中では特攻服が飾ってあった事から気付き始めていたのかもしれません。私立尊王寺学園では先輩達と同級の学生達は直也の顔を見た時に伝説を作りレジェンドと呼ばれた春樹が蘇ったように口を開けて見つめてだけでした。松陰高等学校と崔高等学校でも同じく衝撃的な出来事だったようです。直也と紀華が直也の実家にいる直也の両親から2人の産まれたばかりの時の過去の事を聞かされます。叔父と叔母では子供を産む事が出来ないと病院で言われ双子が生まれた時に叔父叔母に子供が出来ず直也の弟の春樹を養子縁組をして我が子として育てていた。そして直也と春樹は双子の兄弟である事を聞かされます。紀華は驚いていましたが直也は冷静に両親から話を聞いていました。様々な出来事を経験して苦難を乗り越えてきた直也の性格は変わり全ての出来事を受け止める事で成長していたのです。母の飲食店内で両親は直也に謝りますが直也は自分と同じ顔の春樹である事を考えていた時期でもあったようで「父ちゃん母かん分かってたよ」と直也は一言で答えました。紀華は直也の答えで気持ちを変える事も出来たようです。そして直也の3歳の下の弟の直継は父親大島直樹の次期大島家の後継ぎになる事になっていました。その為に直也の3歳の下の弟の名前を直継と命名されていたのです。春樹が死によって残していたものを直也はレジェンドとして受け継ぎ高校の3年間を生き抜いていました。しかし直也が抱く心には春樹には無かったポリシーがありポリシーレジェンドとも思う多くの学生達もいました。苦しみから抜け出せなかった直也は高校卒業までに仲間達と共に抜け出す事が出来たのです。数々の出来事から仲間達と共に「生きる事の意味」「死ぬ事の意味」を考えさせられた青春時代だったと言えるでしょう。ラーメン屋の後継ぎになると後輩達の相談を受ける事になります。誰よりも苦しんだ直也の言葉は後輩達の道筋のきっかけを作る事になります。そして義理の父親の全てを受け継いでいきます。時代が変わっても学生達の心は変わらないと直也は思います。教育という場の中で教師達がどう関わるかで学生達の人生を変えてしまう事もあるかもしれません。学生達の心だけでなく学生達の両親達の心を変えてしまうのは我欲にまみれた人間でありその人間が作る社会なのではないでしょうか。直也と仲間達は家族や仲間達と関わる人間関係全てが教育の現場であると考えるようになっていきます。教育の現場はきっかけを作る場所であって決めて歩いていくのは自分自身。自分自身を作り上げるのは「友情」「忍耐」と「勇気」と「自由」と「平等」であって社会が学生達に夢や希望を与えていくのを直也は祈り続けます。


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