
(写真) ドイツの芸術家フリッツ・マスコス氏(1896-1967)の瞑想的な女性の絵は、ミュンヘンのコーネリアス・グルリット氏のコレクションの中にありました
美術収集家のコーネリアス・グルリット氏のオーストリアの家で見つかった美術品は、ミュンヘンのアパートで見つかった美術品よりはるかに価値があると彼の弁護士は言います。
60作品ほどの中に、ルノワールやモネや他のフランスの印象派の作品があると記者が伝えています。
昨年、多くの芸術作品がミュンヘンのグリット氏の家で保存されていたことが分りました。多くはナチスが略奪したものと考えられています。
彼は絵画が略奪品であることを否定していますが、ユダヤ人グループはもっと詳しい情報を望んでいます。
新しく見つかった作品の写真集を発行して詳しい説明を付けるかどうかまだ決定されていません。
ユダヤ人グループは、ナチ迫害の犠牲者から盗まれたり強奪されたりした作品の全てを識別する一助とするために、発表される予定の作品のリストを求めています。
81才のグルリット氏は、ナチスが認めた美術品業者で1956年に死亡したヒルデブランド・グルリット氏の息子です。
ホロコースト補償組織の要求委員会は、ヒルデブランド・グルリット氏は美術品の略奪をするようにヒトラーに命じられた4人の美術品業者の1人だと伝えています。
「それ故、彼の遺産の全てが調査されるべきだ。」と声明で述べました。
絵画がグリリット氏のザルツバーグの家で見つかったことが月曜日に発表されました。
「それらは非常に卓越した作品だ。」とハルツング氏。

(写真) 侵入や盗難から保護されているコーネリアス・グリリット氏のザルツブルグの家

(写真) グリリット氏の広報担当者は、作品は盗まれていなかったことが初めから示唆されていたと言いました

(写真) ドイツの芸術家オットー・ディックス氏による今まで知られていなかったこれらの作品はミュンヘンのアパートで見つかりました
「ピサロの素晴らしいセーヌ川の光景やモネの素晴らしい橋の絵やマネの海に浮かぶヨットの光景など。」
「他にもルノワールやリーベルマンの多くの作品があります。それらは芸術的に著しくすばらしい作品でミュンヘンのシュヴァービングのコレクションよりずっと価値がある。」
13億5千万ドルの価値があると見積もられている1,400以上の長い間失われていて未知だった作品が、2012年3月に、ミュンヘンのグルリット氏のアパートで見つかりました。
その中には、マルク・シャガールやパブロ・ピカソやアンリ・マティスやオットー・ディクスの作品が含まれています。

(写真) ナチス政府で美術品を略奪する仕事をしていたとして告訴されているヒルデブラント・グルリット氏
コロネリアス・グルリット氏の父親ヴォルフガング・グルリット氏も美術品収集家で、ナチス時代に「退廃芸術」品略奪に関わっていました。
ヴォルフガング氏は、戦争中オーストリアに住み、彼の重要な美術収集品をリンツ美術館に寄贈しました。
リンツ・レントス美術館は、作品がナチ時代に盗まれたことが確定されたので、ここ数年で彼の収集品の多くの絵画を返還しなければならなくなりました。
11月に、リンツ美術館の館長が二人の従兄弟の間に接触の兆候はないと言いましたが、美術史家は懐疑的だと記者がウイーンから伝えています。
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ナチスやヒトラーが「退廃芸術」として略奪し長期間秘匿されていた美術品が見つかったようです。 戦後、ヒトラーが奪略した美術品の収集も調査も十分行われていないことが発覚しました。 奪略された作品の中に高価なものもあるとユダヤ人の指摘を受けて、ドイツ政府は調査機関を設けて近く作業を開始するそうです。随分遅い戦後処理ですね。