雨がぱらつく中、ひとりのおじいさんが網の手入れをしていた。
黙々と雨に濡れながら...
そんなおじいさんを見て、ついシャッターを押してしまった。
それでも黙々と、私に気づく事もなく...
私が小さい頃...
うちのじいちゃんが、雨が降ると小屋の中で網の手入れをしていた。
黙々と...
川で小魚を採るための網。
手先が器用だったじいちゃんは、たくさんの魚を採ってきてはみんなに食べさせた。
米を作らせても、人より多くの収穫量を上げる。
みかん、メロン、柿、びわ、いろんな果物も食べさせてもらった。
飲むと陽気になり、いつも楽しそうに歌っていた。
乗馬ズボンにハンチング帽子...とてもおしゃれなじいちゃん。
そんなじいちゃんが、私は大好きだった。
漁港で偶然にも出会ったおじいさん。
懐かしいじいちゃんの匂いを感じ、温かい気持ちになりました。