辛いですが、あの夏を振り返り、
20年7月末、ファンの切なる要望に応えて
某歌番組のラストに「Night Diver」の
MVが放映された。
初めて目にする、彼が遺した強烈な
リズムとステップと水飛沫の乱舞。
圧倒されるばかりで今も理解出来ていない。
エネルギッシュなMVが終わっても
誰ひとり拍手もしない歓声も無い、
呼吸さえ憚られる、かつてない沈黙。
異様すぎる静けさだけが空洞のように
広がり、大きな虚無感へとなっていった。
彼は黄泉の世界へ旅立った。
あれから、僅か二年しか経っていないのに
実に様々なことが起きた。
彼本人はその後の世界など知りはしない。
知ることも歌うこともきっぱりやめたのだ。
だからこそ、だからこそ、安らかに……と
願わずにはいられないのだ。
想い出に恋しながら。
2,に続く。