Keith Carlock（キースカーロック）のドラム教則DVDが、ついに出た！

僕の注目しているドラマー、キース・カーロック（Keith Carlock）の教則DVDが発売された。

なんとDVD２枚組で、収録時間は４時間４２分！！
しかも、日本語字幕入りだ。
一度に全部観るのは大変だが、キースのドラムセミナーが、５千円で５時間近く、しかも日本語で受けられちゃうというわけだ！！
DVDだから何度でも見られるし、細かい動きもスローできれいに再生できるのがいい。
（ビデオテープの時代は、スローや静止にすると、画質が汚かったからね）
そして、譜例もPDFでしっかり収録されている。
これはお買い得ですよ、奥さん！

スティーリー・ダン等の歌ものや、自身のバンドであるインストゥルメンタルバンド "ウェイン・クランツ・トリオ"での即興的な演奏まで、マルチにこなしてしまう彼の秘密が詰まったDVDだ。
彼のドラムに対する探究心は脱帽ものだ。
ロックドラマーもジャズドラマーも、ジャンル問わず必見のDVDだと思う。

内容的には、実際に数人の生徒をスタジオに招いてのクリニック形式で進められていく。
モーラー奏法から発展させた、脱力を意識したハンド＆フットテクニックについてはもちろん、作曲（フレージング）の方法、サウンドやセットアップについて、そして数多くのデモ演奏等、キース・カーロックの気持ちよいグルーヴの秘密が惜しげもなく公開されている。
変拍子の曲も変拍子に聞こえない流れるようなリズムや、気持ちいいグルーヴなのに単調ではないリズム。
リズムをグルーヴ＋メロディーとしてとらえている感じだ。
さらには、Wayne Krantz Trioでのスタジオライブ演奏までも多数収録されている。
このバンドでの、突然のテンポチェンジは見事だ（メトリックモジュレーションではなく、完全にテンポチェンジ）。
バンドアンサンブルについてもレクチャーがあったり、勉強になる。
ドラムテクニック以外にもアンサンブルやメンタル面など、重要な事を教えてくれる。
ドラマーのみならず、すべてのミュージシャン必見かもしれない！
音楽とは何たるかを再確認させてくれるDVDだ。

彼はドラムやシンバルの音の引き出し方がとてもうまい。
スティックのリバウンドを生かした演奏で、力を入れてないのに、ドラムやシンバルがしっかり"鳴って"いる。
キックも基本はオープン奏法で、スティックのグリップも脱力している。
シンバルをクラッシュする時は、シンバルをクラッシュさせるのではなく、シンバルからクラッシュサウンドを引き出す感じで、ヒットの瞬間は完全に脱力している。　
力任せにシンバルを（ドラムもね）ヒットすることはなく、音がきれい。
彼のシンバルクラッシュはとてもソフトだ。
『シンバルをクラッシュするときって、こんなもんで充分なんだよね』ってあらためて気付かせてくれる。
まあロック系のライブとかで、派手に見せるために必要以上に振りかぶってぶっ叩くことは、パフォーマンス上必要なことかもしれないけど、本来は必要最小限のストロークで脱力して叩いてもドラムはちゃんと"鳴る"わけだし、基本的にはドラムにもマイキングだってされているしね。

ちなみにキースカーロックの使用しているシンバルはジルジャンで、ドラムセットは、ヤマハの最高峰の"PHXシリーズ
"を使用して、サイドスネアを除いて完全にノーミュートだ（おそらくベードラも）。
余談だけど、キックペダルはヤマハの最新ペダルのプロトタイプ（ロゴが入っていない）を使っている。
現在発売されているFP9500Cだと思われる。

しかし、タムホルダーをひっくり返して使っている人は初めて見た。。。。
タムのセッティングが低いので、普通にセットすると、タムホルダーがベードラに当たってしまうのだろう。

タイトル : ザ・ビッグ・ピクチャー(The Big Picture)【日本語字幕版】
アーティスト : キース・カーロック
商品型番： LHUDDVDKG21JP
収録時間 : 282 min
小売価格 : 5,040円 (本体価格 :4,800円)
輸入発売元：ヤマハ・ミュージック・トレーディング(YMT)
出版元 :Hudson Music

	【日本語字幕版】ザ ビッグ ピクチャー/キース・カーロック THE BIG PICTURE/Keith Carlock (PHRASING IMPROVISATION STYLE&TECHNIQUE) [DVD]
	ヤマハミュージックトレーディング

日本語字幕版は売り切れになったかも？

↓は輸入版です。

	Big Picture Phrasing Improvisation Style & Techniq [DVD] [Import]
	Hudson Music