2008年、市の運動公園の一角の広い遊水池の周りを、桜の名所にしようと発足した市民団体が主催し市民からの公募で集り、250本を植樹した桜が満開になった。
すでにほとんどの桜は満開を過ぎ、散り出して葉桜になりかけているのに、植樹した染井吉野が今満開に。
他より遅れて一斉に満開なのは、苗を育てた場所が同じでDNAが同じなのでしょう。
3月から4月の長い期間桜を楽しめるようにと染井吉野と河津桜の応募があり、妻は染井吉野を選んで応募した。
この年は結婚して40年の年でした。
植樹してから、年に何回も妻と除草や肥料を施すことなどの手入れをしてきた。
妻が逝ってしまった後も、年に数回は手入れを欠かさずに足を運んでいる。
植樹した時は1m60cmだったが、15年が経ち高さは5mを超えた。
保育園の子供たちが、桜の下で楽しそうに飛び回っているのを、しばらく眺めさせてもらった。
染井吉野は他の桜に比べて成長スピードが早いと言われる。
これから15年後の樹齢30年頃になれば風格も出る。
その頃には、市内の花見の名所になるでしょう。
20年目の2028年までは頑張れるだろうが、30年後の2038年の花を見届けるのはおそらく無理だろう。
植樹した際、誰の記念樹かわかるようにと氏名札を建ててくれたが、木製だから3年で朽ちてしまった。
桜色した大理石に植樹日と妻と私の名を刻印して根元に埋め込んだ。
これであれば、植樹した私たち夫婦の名を、この桜が枯れるまでは残してくれるでしょう。