保険証では本人確認になりません!? ドコモが5月に取り扱い中止
その背景は… これからは何が必要? (東京新聞)
政府は来秋、健康保険証を廃止し、マイナンバーカードにその機能を持たせようとしている。これに先駆けるように、保険証が「お役御免」となる分野がある。かねて本人確認で使われてきたが、携帯電話大手のNTTドコモは5月中旬にその取り扱いをやめ、契約時にはマイナカードなどを示すよう求めるという。早々と保険証を見切るのはなぜか。マイナカードを持たない人は困らないか。
◆今後は運転免許証やマイナカードなど
「健康保険証による不正契約が以前から多く発生していた。各種対策を図ってきたが、対策を回避しようとする新たな手口も散見される状況が継続していた」
22日に携帯番号の新規契約などで保険証を本人確認の書類として扱わないと発表したNTTドコモ。「こちら特報部」があらためて取材すると、担当者は「保険証NG」に踏み切る理由についてそう答えた。他に使えなくなるのは、ひとり親家庭(母子家庭)等医療費受給者証、福祉医療費受給者証などもだ。
現状では保険証とともに住民票や公共料金の領収書を示せば、本人確認の手続きができる。この扱いは5月中旬で終える。以後の本人確認では、今も認める運転免許証やマイナカードを示すほか、住民基本台帳カードも従来通り、住民票などを添えれば認められる。
◆偽造保険証で不正契約→犯罪に使われる
「保険証NG」は、振り込め詐欺などの特殊詐欺を念頭に置いている。
保険証の場合、偽造によって「架空の誰か」になりすまして携帯電話を契約し、電話番号を不正に取得する例がある。この携帯電話を使う詐欺があった場合、番号を手掛かりに持ち主を特定しようにも「架空の誰か」にしかたどり着かず、捜査が難航するという。
特殊詐欺は確かに少なくないようだ。警察庁によると、2022年の被害額は全国で361億4000万円で、認知件数1万7520件(ともに暫定値)。携帯電話とは限らないが、被害者をだますのに使ったツールの9割近くが電話によるものだった。
保険証の方はといえば、政府は24年秋で廃止する方針を示した。ドコモの対応はこれに合わせた動きと思いきや、同社の担当者は「政府の方針などを踏まえた運用変更ではない。あくまで不正契約の実態を踏まえたもの」と強調する。
保険証の廃止に伴い、マイナカードを取得していない人向けに政府は保険証代わりとして「資格確認書」を発行することを予定する。こちらへの対応について、ドコモは「詳細が不明なため現時点で未定」と答えるにとどまった。
◆ソフトバンク「検討」 KDDI「決まっていることはない」
保険証を使う本人確認を巡り、携帯電話の同業他社はどう対応するのか。
ソフトバンクは「今回のドコモの発表を受けて、検討している」とはいうものの、KDDI(au)とともに「現在、決まっていることはない」とのことだ。
一方、携帯電話とセキュリティーに詳しいITジャーナリストの三上洋さんは「ドコモが行ったということは、他社も追随する可能性はあるだろう」とみる。
保険証NGに傾くのはやはり、犯罪防止の意識があるからだと解説する。
「保険証は顔写真がなく、自治体や組合によって形状はさまざま。偽造がしやすく、携帯会社からすると本人確認が難しい」
さらに「今や、ネット銀行やSNSなどいろんな契約やアカウントの作成が携帯電話の番号で行われている。特殊詐欺グループや闇バイトを行う者にとって、いつでも捨てられる携帯番号を持っていることは大きい」と指摘する。
◆マイナカードの強みは「顔写真」と…
保険証と対照的に本人確認で幅を利かせているのが、マイナンバーカードだ。
2015年施行のマイナンバー法に基づき、16年から運用を始めた。当初、カードの交付率は低迷したが、政府はなりふり構わず取得させようとしてきた。カード取得者に最大2万円分の「マイナポイント」を与える事業を展開したほか、保険証を廃止してカードと一本化する方針を示し、運転免許証や在留カードとの統合も計画した。
そのマイナカードで、どう本人確認するのか。
総務省の担当者は「利用場面で異なるが、携帯電話ショップなど対面の場合は、運転免許証と同じでは。提示されたカードの顔写真と見比べ、本人かどうか判断する」と説明する。盗んだカードを使ったなりすましも起きそうだが「顔写真が付いていれば、より確実な確認になる」とみる。
ITと人権に詳しいジャーナリストの星暁雄さんによれば、マイナカードはネットを使って本人かどうか照会する「公的個人認証サービス」を利用することができ、「『デジタル的な本人認証のツール』として使えるよう設計されている。顔認証と組み合わせれば、強度が強いと言える」と説明する。
◆利用シーンの拡大図る政府…プライバシー大丈夫?
マイナカードを使った本人確認は、さまざまな分野で既に導入されている。納税や行政手続きのみならず、口座開設、そして携帯電話の契約などだ。
エンターテインメント分野での活用に向けて躍起になるのがデジタル庁。年内にも民間業者と連携した実証実験を始める。ライブ会場の酒類販売、ネット上の仮想空間「メタバース」のイベント参加での確認作業に利用する考えだ。
「年齢や個人の確認が必要なイベントでマイナカードを使って事前認証すれば、入場時のチェック時間が短縮できる」と同庁担当者。「マイナカードは本人確認に使う選択肢の一つ」ではなく「マイナカードでなければダメ」という環境も想定した実験か尋ねると「事業者の意見を聞いて導入や運用の検討をする。現時点で想定していない」。
カードの取得促進、本人確認での活用に前のめりになる政府に対し、先の星さんは警鐘を鳴らす。
「マイナカードは個人がどんな商業サービスを利用したか追跡でき、大量監視のツールにもなり得る。使い方を間違えるとプライバシーの侵害になる。プライバシー保護の体制づくりと、国民的合意を得るための説明が欠かせない」
◆カードなければ不利益被る時代が来るのか
政府のやり口は強引だ。国家資格や自動車の登録などにカードを活用する見通し。年金や児童手当の口座情報も、カードにひも付けることも持ち上がる。じわじわと取得へ追い込む。市民団体「プライバシー・アクション」の白石孝代表は「政府は何のためにカードを持たせるか、国民に明確な説明をしていない。ただ『持て』と言うだけ。政策としておかしい」と語る。
心配な点は他にもある。今は「本人確認はマイナカードでもOK」であっても、いつしか「本人確認はマイナカードのみ」とならないか。現状で本人確認書類として使われる運転免許証などがマイナカードに統合された場合、「この道しかない」としか表現しようがない状況が生じないか。
福岡大の実原隆志教授(憲法・情報法)はカードがないために本人確認ができず、生活の基盤になるサービスを受けられなくなる事態を危ぶむ。
「マイナンバー法でうたう制度の基本理念の一つは、国民の利便性向上だ。それがカードを持っていないがために不利益を被る人が出る制度になったら、整合性がつかない」
本人確認の方法が変化していきますね!
☆弊社取り扱い商材についてお問い合わせフォームを準備いたしました!
ご検討中の商材などございましたら、是非お問合せ下さいませ。
https://ws.formzu.net/fgen/S30801253/
上記では、他いろいろ取り扱っておりますのでご活用くださいませ(^o^)丿
☆コンビニ証明書原本性確認に最適 偽造防止検出画像確認用赤外線カメラ&バッテリーセット
情報提供&blog、随時更新!(^^)!
もしよかったら、見てくださいね。
Facebookページ:ベルコンピュータシステム
司法書士・土地家屋調査士業や登記・供託オンライン申請システムについての
情報メール希望の方は:コチラ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます