今夜は新国立オペラ「愛の妙薬」初日でオペラパレス。
幕が開いて、美しくモダンな舞台や衣装にたちまち心奪われた。
なんて素晴らしい演出なんだろう。
この定番の演目を、イタリア人演出家チェーザレ・リエヴィは、時代や場所を特定しないファンタジーに設定。
これで、可笑しくて楽しいけどちょっとクサイ田舎芝居が、洗練された素敵なラブファンタジーになった。
さまよえるオランダ人を振ったマエストロ・ガエタノ・デスピノーサもやはりイタリア人。ノリノリのベルカントで素晴らしかった。
予定されていた外国人勢のことは知らないけど、日本ではあちこちで上演される定番演目なので、イチ押しの大西宇宙さんが入ったとはいえ、オール日本人キャストへの変更と聞いた時は、ちょっと気が萎えたのだが。
中井さんは初めて聴いたけど、尻上がりに良くなって、ベルカント歌いになっていった。人知れぬ涙は痺れたね。
久保田さんは芝居うまかったし、よくベルカント歌えてた。
大西さんは今日も、歌も芝居も、観せて聴かせて素晴らしかった。華がある。これでもっとオファー増えるはず。次は何が観れるのかな。
そして砂川さん。歌も演技もよくて、きれいでいつも文句なし。でも敢えて言えば“驚き”がないのが物足らなかったんだけど、今日はベルカントこんなに歌えるんだって“驚き”があった。
こんな新国立の愛妙を観たぼくらは、この先、どんな愛妙を楽しめるのか。
少なくともぼくは、臭い田舎芝居みたいな愛妙はもう観たくないな。