聖名は俺にしがみついたままになっていた。
その手を優しくほどきながら俺は、
「いやあ、こんなに面白いとは思わなかった。また一緒に見たいな」
「でしょでしょ、って、もうこんな時間なのか…」
と、寂しそうに言うと、
「ねえセンパイ、今夜はこのリビングで合宿しない?」
「合宿? どういうこと?」
「せっかくだから、さっきの心霊について語り合うの。オレ、来客用の布団出してくるから」
俺はそんなに気がすすまなかったが、まあこんなのもいいかなと思ってOKした。
そして、二人分の布団の用意を手伝った。
本当に合宿という感じで、聖名の怖がりの原点でも聞けるのかとなぜかワクワクしてしまったが、いつしか彼からは笑顔が消えているのに気づいた。