あおぞら文化村便り =フォト俳句 エッセイ 野菜作りと今日の一品 縄文のこと=   

何でもありの文化村から発信します。野菜作りのこと、迷シェフの今日の一品、ネイチャから路地裏まで写真三昧、そしてフォト俳句

No.21 谷川岳トレッキング 初夏そして秋に 

2018-11-06 21:22:50 | 
谷川岳トレッキング 初夏そして秋に 

緑濃い5月そして紅葉が始まった10月、今年は季節を変えて、二回、谷川岳を訪れました。早朝4:53水戸駅始発の水戸線に乗り込み、両毛線、上越線と乗り継ぎ、AM9:45頃に土合駅到着。日帰りにしてはハードなスケジュール。
土合駅の先にあるトンネルを抜ければ島崎藤村の小説「雪国」に描かれている、冬であれば白い世界の越後湯沢です。地下70メートルにある土合駅、改札を出るまでには500段近いトンネルを登り詰めなければなりません。
ひたすら黙々と登ること約15分、やっとの思いで改札口を出ましたが、いきなりのこの試練、きつ過ぎ~!
 
一ノ倉沢の岩壁や清流湯檜曽川、そしてロープウェイで一気に高みに登り上越の山並みを堪能することができました。
 秋に入り、そろそろ紅葉も最盛期だろうと10月16日に再び来たのですが、天候も予報どおりとはいかず、心なしか木々の葉もくすんで見えました。
今回は、一ノ倉沢から先に続く幽ノ沢を経由した後、湯檜曽川に下って戻ってくるルート。幽ノ沢にかかる石組みの橋が2週間ほど前の台風24号で半分崩壊し、修復作業を行っていました。
山を眺めていた監督らしき人とひとしきり話をすることができました。先が長いので、挨拶をして歩き出したのですが、どうも気分が乗らず10分位行ったところでUターンしました。
進もうが戻ろうがゴールまでの所要時間は同じくらいの中間点。現場監督には「あれっ、どうしました?」と言われてしまいました。
 
何事もなく帰宅して数日後、谷川岳の情報などをインターネットで見ていたら、とんでもない記事が目に留まりました。
16日、登山者が幽ノ沢と湯檜曽川出会い付近で熊に襲われ、重傷
なんと、私が通過しようとしていたコース上の地点ではないですか!

現地の登山センターにすぐさま電話して詳しく状況を聞いたところ、朝の出来事らしく、襲われた登山者は、その後すぐに、車に戻り運転して埼玉に帰宅したというのです。
帰宅後、病院に行ったところ、顔面骨折していたと。病院から埼玉県警に連絡、そして群馬県警に連絡が入って、事故発生が明らかになったそうです。
 
朝、襲われた時点で現地の登山センターなり警察に連絡があれば、緊急に登山道などに警告の周知をして対処するのだがと、電話に出てくれたセンターの人が言っていました。
であれば、幽ノ沢の現場監督も「この先で熊が出たよ。まだ近くにいるかもしれないね」と教えてくれたはず。あの時は「この先、いい景色だよ。いい写真撮れるでしょう」などと呑気に会話をしていたのです。
熊に会いに来たわけではないし「くわばらくわばら」
 それにしても襲われた人、自分で運転して帰宅とは、気丈夫というか、どんな人物なのか、痛みはなかったのか?
 
それと、あの時、先に行く気持ちになれずにUターンしたのは、何か目には見えないものの力が働き、私の気持ちを動かしたのか?
土合駅を出て少し歩いたところに、谷川岳で命を落とした、多くの登山者の名前が刻まれた慰霊碑があります。ここを通る時にはいつも、少しの時間、黙とうをして手を合わせています。
「ひょっとしたら、そこに眠っている彼らが危険予知を知らせてくれたのでは...」

山に入れば危険との遭遇はつきもの。低山だろうが、近郊の山だろうが油断は禁物、備えあっての世界です。行動中のちょっとした変化にも注意を払わなければなりません。
判断力と決断がその後の行動に大きな影響を与えることも珍しいことではありません。
改めて考えさせられた秋の谷川岳トレッキングとなりました。

コメント
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