とはずがたり

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ARCH試験の東アジア患者での解析

2020-03-21 14:27:46 | 骨代謝・骨粗鬆症
Romosozumabとalendronateの臨床効果を比較したARCH studyでは、1年目romosozumabu→2年目alendronate(Romo群)は2年間alendronate群(ALN群)と比較して骨密度増加に優れ、脆弱性骨折の減少が見られましたが、重篤な心血管有害事象がRomo群で多かったという結果でした。このためromosozumabの承認は遅れ、またわが国でも「骨折抑制のベネフィットと心血管系事象の発現リスクを十分に理解した上で、適用患者を選択すること」という警告が出されています。今回の論文は東アジア(香港、韓国、台湾)からのARCH study参加者のサブ解析です。2年目の新規椎体骨折はRomo群で60%少なく (P = 0.11)、臨床骨折は44% (P = 0.15)少ないという結果でした。骨密度はRomo群の方が有意に増加していました。重篤な心血管有害事象については12カ月の時点でRomo群1.6% vs ALN群1.4%と差はありませんでした。N数が少ない(Romo群146、ALN群129)ので確実なことは言えませんが、少なくともアジア人では著しい心血管イベント増加は無いといってよさそうです。 
Osteoporos Int. 2020 Apr;31(4):677-685. doi: 10.1007/s00198-020-05324-0. Epub 2020 Feb 11.
Romosozumab or alendronate for fracture prevention in East Asian patients: a subanalysis of the phase III, randomized ARCH study.
https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00198-020-05324-0


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