とはずがたり

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首都封鎖?

2020-04-01 14:33:45 | 新型コロナウイルス(疫学他)
政府からの再三の自粛要請にもかかわらずイベントに参加したり、飲み屋にたむろしたりする若者に業を煮やしてか、いわゆる識者と呼ばれている方々からも「早く緊急事態宣言を出して首都閉鎖(ロックダウン)しないと医療崩壊になるぞ(怒)」というような声が聞こえてきます。しかし緊急事態宣言は多かれ少なかれ「基本的人権を制限する」措置ですし、自らに自らの行動を律する能力がないからお上に強制的に禁止してもらおう、というのではエーリッヒ・フロムのいう「自由からの逃走」であり、ナチスの強圧的なイデオロギーを熱狂的に歓迎した戦前のドイツ国民と変わらないように思います。そもそもロックダウンによってすぐに感染の状況が改善する訳ではないですし、長期間のロックダウンによって社会的、心理的状態が悪化することはロンドン在住の方からのメッセージを読んでも明らかです。イギリスも決してうまくいっている訳ではないのです。 
そもそも欧米とは異なり、日本の場合非常事態宣言を出しても罰則規定を盛り込むことは難しいと考えられるので、実際にどのくらいの効果があるのかは疑問です。職場が閉鎖されれば仕事に行く人は少なくなると思いますが、自覚のない方は相変わらず出歩くでしょうし、地方の実家に帰って感染を広げてしまう可能性さえあります。物の買占めも益々エスカレートしそうです。また規律違反をした人の個人情報をネットで晒して社会的リンチを加える、などというあまり好ましくない事例が多発するような気もします。
「サピエンス全史」で有名なユヴァル・ノア・ハラリ氏が3月30日の日本経済新聞に寄稿したコラムの中で、「私たちは『全体主義的な監視』と『市民の権限強化』のどちらを選ぶのか、『国家主義的な孤立』と『世界の結束』のいずれを選ぶのかという岐路にある」と述べておられましたが、まさに今、私たちは歴史的な岐路にあります。一旦監視体制強化を許容してしまったら、元に戻すことは極めて困難です。日本人の良識と賢明な選択を強く望んでおります。 



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