カテプシンKは破骨細胞が主として産生するシステインプロテアーゼですが、この報告は MIV-711という新たなカテプシンK 阻害薬の変形性膝関節症(Knee OA)に対する効果を検討したものです。疼痛の改善効果はなかったが、骨棘の進展を抑制し (P = 0.002 for 100 mg/d and 0.004 for 200 mg/d) 、大腿骨内側顆の軟骨厚の減少を抑制し (P = 0.023 for 100 mg/d and 0.125 for 200 mg/d)、骨軟骨代謝マーカーを改善したという結果です。私としてはカテプシンK阻害薬の作用点としては破骨細胞の活性化抑制以外には考え難く(つまり軟骨に対する直接作用とは考えにくい)、また以前からビスホスホネートのOAに対する有効性が報告されたり、否定されたり(https://www.nature.com/articles/nrrheum.2018.18)でしたのではっきり言って内容に新味はないのですが、骨粗鬆症治療薬として期待されたodanacatibが脳血管障害の増加のためにポシャった(https://www.nature.com/articles/nrd.2016.207)後に、何らかの形でカテプシンK阻害薬が復活してくれれば嬉しいことです。OA患者には使わないけど骨粗鬆症患者に使いたいので。
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